タイトル通りで、それだけの話。
十年近くずっと好きだった人がいた。
一生気持ちを伝えるつもりはなかったのだが、つい最近、ひょんなきっかけから言う羽目になり(それでも結局選択したのは自分自身の意思だ)、なんと付き合えることになった。
自分の人生にこんな奇跡が起こるなんてと大喜びではしゃぎ回っていた。
美容院に行くにも彼の好みを考えて、買うのを悩んでいたコスメも買って、自分にはまだ不釣り合いだろうかと悩んでいたブランドのものにも手を出したりして、夏用の服を真剣に考えて、デートで行ってみたい場所をピックアップしてみたりして。
心当たりは無かった。
連絡不精な人だから、連絡は極々控えめにしていたし、突然そんなことされるようなトラブルも思い当たらなかった。
付き合いは長かったし家に遊びに行ったこともあるので、住所は知っていた。
新幹線を使う距離で、上記のはしゃぎっぷりもあり現在結構な金欠でもあったがそれでも行った。
どうしても理由が知りたくて。わけもなくそんなことをするような人でも、されるような関係を築き上げてきたとも信じたくなくて。
自分の行ったことはほとんどストーカー行為だし、傍目からは完全に不審者なのもわかっていた。
通報されませんようにということはかなり祈っていた。
結果として彼が知らない女を部屋に連れ込むところを目撃した。
あまりのことに呆然としてしまい、何時間も掛けて向かって何時間も待っていたのに、その瞬間声を掛けることが出来なかった。
三十分ほど経ってから、せめて交通費を回収できる程度のことはしようと思い直し、いろんな勇気を振り絞って部屋のチャイムを鳴らした。
誰も出なかった。
耐えられなくなり、帰ることにした。
駅へ向かうバスはもう終わっており、行きの何倍もの時間を掛けて歩いた。自分が世界で一番惨めな生き物に思えた。
腹いせに何か適当な名物でも食べて帰ろうかと思ったが、一日飲み物以外口にしていなかったわりに食欲はなかった。適当なお土産を買った。
適当な浮気なら私に黙っていればバレないだろうに、わざわざLINEをブロックしたということは、私のほうがほんの気紛れだったということなんだろう。
彼女に向けるその卑怯な誠意の一欠片でも私に分けて欲しかった。
彼は私に説明をして最低な男に成り下がる覚悟もなければ、私に対して誠実であろうとも向き合おうともしてくれず、ただただ卑怯だった。きっとこのことをあの彼女は一生知らないのだろう。皮肉でなく心底から羨ましい。
そんな男だと早めにわかって良かったと言ってしまえばその一言だが、あまりに懸想していた時間が長すぎた。
端的に事実を書き連ねれば私に対してそれなりに最低な男だったことは間違いないと判断できるのだが、どうしても気持ちが消え切ってくれない。
なんでこんなことになったんだろう。
ずっと悪い夢を見ている気分だ。
この週末とにかく世間に迷惑掛けない範囲でODして死ぬほど寝て陰鬱で重苦しかったり破滅的な描写が多数あるコンテンツ摂取しまくってたらなんとなく吹っ切れてきた。バーカバーカバーカボケナス!!!!
もう二度とあんな土地行かないし今度はもっと素敵な人を好きになってもっと良い恋愛をする。次だ次!!!!!!!
そのぽっと出の女がどんだけいんだか知らねーけどお前にとって私以上の女なんてもう現れないのにこの私を弄んだこと地獄で後悔しろボケ!!!!!!!!禿げて捨てられろ!!!!!!!!!!!
辛いね。 10年という月日は長すぎる。