2021-07-22

地獄業火に焼かれる人々

 小山田何某の炎上を発端としてオリンピック関係者が何人か燃えている件について。

 別に小山何某の過去いじめ擁護する気はさらさらないが、氏の過去の全ての業績を無視してオリンピックNHK番組も何もかも解任しなければならないことなのか?

日本法律には時効もあるし少年法もあるのだ。過去の行動を、しか未成年学生の頃の行動を中年になってから断罪して社会的地位を根こそぎ奪い取るという所業は、とてもじゃないが法治国家のやることとは思えない。

 雑誌インタビューは成年になってから行われていて反省していないと言う人もいるだろうが、それすら20数年前の話だ。刑法だって無期懲役以上の刑でなければ時効20年以下である

そもそも20数年前の雑誌インタビュー根拠に「反省していない」はないだろう。適切に発言者意図が伝わっているかどうかなど当時のインタビュアーにすらわからないほどの年月が経っている。発言の語尾に(笑)をつけるかどうかなんて編集者のさじ加減でしかないのだから

 今の小何某が本当に反省しているかどうかはどうでもいい。根拠希薄理由で、現在仕事瑕疵なくこなしている人間地位を不当に奪っている今の現状はただの私刑だということが問題だ。

インタビューと同時期に警察カーチェイスして飲酒運転逮捕された男がお昼のワイドショーでこの問題他人事のように取り上げているが、坂何某が世間断罪されて降板する気配は無い。私刑とはそういうものだ。罰する基準などなく、その対象世間雰囲気とそれを扇動するもの意図によって決まる。

 想像力の働く人間ならば、過去言動を何十年もあとに掘り返して社会的私刑を下す世間所業を目の当たりにして、パンとサーカスの一環として捉えるよりもいつかそれが自らに牙を剥くことをこそ恐れるべきなのではないか

 ここ数日のSNS上では過去いじめられた経験のある人間が、何某に個人的怨嗟という名の社会的五寸釘を打ち込んでいる光景に溢れていた。しかし彼ら全員がただ純然たる被害者として生きてきたとはとても思えない。人が誰かに抑圧されると他の弱者を抑圧することで精神の安定を図るというのはよくあることだし、現在進行形で虐げられている者こそ自分よりも下の立場の者に優しくはなれないものだ。自分を含め誰しもが被害者でありうるし加害者でもありうる。

しろ自分はいつも被害者で、加害者になったことなど生涯で一度もないと考えている者が一番まずい。ここ数日SNSで腐るほど言及されていたように、「加害者はいじめを忘れるが、被害者死ぬまで覚えている」のだから

 今回の何某の社会的焼死を容認するのならば、自分立場ある地位についた瞬間にそれらをすべて唐突に失うリスクについても真面目に考えるべきだろう。この業火には誰しもが焼き尽くされる危険性があることを忘れてはならない。


 

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