2020-05-09

私の同期

 遠く離れた部署にいたりしてほとんど会わない同期について、思うところがあるので書いてみる。

○同期その1

 一時期は自分にとって一番親しい人だと思っていた。入社してすぐのときは一緒に遊びに行ったりすることも多かった。が、よくよく発言を聞いていると明らかに私のことをバカにしており、こっちから「遊びに行こうよ」とか言うと嘘くさい理由で断ってきたり、メールだったら全然返事を寄越さなかったりした。

 当時の私は人の言葉文字通りにとる傾向があり、なかなかメールに返事がなくても「忙しいんだな」程度に思って一週間後に同じような誘いをしたりしていた。もはや断りきれないと悟ったときとか、頭数を集めたいときは一緒に遊んでくれたが、もはや年賀状だけの付き合いになっている。

 仕事に関しては自信があるらしく、出来ない人間のことはコテンパンに言うのだが、女性としての魅力には劣等感が強く、「オヤジ転がしは得意なのに若いのにはモテない」とぼやいていた。別に不細工ではなかったが、中年太りや経年劣化が始まるのが早く、30代半ばにはかなり太ったブルドッグ顔貌の女になっていた。

 激務の部署に行くことが多く、生活が不規則なのと、ストレス解消のために食べることが多いので太りやすいのだと思う。友達は多いように見えたが、仕事プライベートに不満が多いようでいつも眉間にシワを寄せた表情しか記憶にない。自分価値観の違う人間のことを認められず、他人長所より短所が先に目につく性格だったので、それが変わらないかぎり、幸せにはなれないと思う。

○同期その2

 優秀だと評判で、彼女を悪く言う人を見たことがない。ただ、私はコミュニケーション能力が低いせいか頭脳レベル彼女と違い過ぎるのか、一緒にいてもあまり会話が弾まなかった。

 あと、女性として人気があるかというと微妙なところで、しっかりし過ぎて隙がなく、男性に媚びるようなファッション言動は一切なかった職業人としては尊敬されるが、若いときからまり女の子扱いされることがなかった。若い頃の私は、仕事が出来ると言われるより可愛いと言われることの方に重きを置いていたので、彼女仕事熱心さに感心しつつも彼女みたいになりたいとは思わなかった。

 なまじ仕事が出来ると評判だったばかりに、彼女採用された部署からなかなか動けなかった。その部署から離れて自分の好きなことができる部署に行きたかっただろうに。自分はあまり上司の覚えがめでたくなかったので、希望部署に行けるかどうかはさておき、「今の部署を出たい」と言うと上司が喜んで外に出してくれた。出世コースから外れたような部署ばかり回る羽目になったが、いろいろな世界を見られるという意味では面白かったと思う。が、基本的仕事が嫌いなので、「早く辞めたい」「どうしてもこの会社で働くなら楽な部署に行きたい」と思って過ごしていたが、そんなヤツでも首を切らずにそこそこの給料をくれるので、辞められずに現在に至る。

 そして優秀なる同期その2はうちの会社に見切りをつけて辞めてしまった。今のままでは永久に好きな仕事やらせてもらえないと思ったのだろう。私はその後彼女がどんな仕事をしているのか詳しく知らないが、SNS投稿を見るかぎりそれなりに時間の余裕のある仕事につき、趣味満喫しているようである

 私は彼女ほど優秀ではないので、結局今の会社にしがみついている。本当は彼女転職して上手くやっているようなら自分も辞めてやろうと思ったのだが、比較的楽なはずの今の部署でもひぃひぃ言いながら仕事をしているので、シビア職場では生きていけそうもない。

 老後を迎える頃、私と同期その1その2はどんな人生を送っているだろうと思う。今の会社金銭面ではそれなりの待遇をしてくれるが、やりがいを求めてあえてそういう組織を離れた人間がどうなるのか。もはや皆50代に入ろうとしているので10年後が見ものだと思う。

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