多分10年くらい前からアニメオタクをやっている。なんなら同じくらいの時期から腐女子も拗らせている。
10年というのは短いような気もするし、長かったような気もする。それだけ長い間何かを好きでいられたのは純粋に嬉しい。
冒頭で10年と言ったがそれは嘘だった。正確には9年と3ヶ月と20日くらいだ。
本当はもっと正確にわかると思う。そのジャンル……名前を出してしまうなら、『イナズマイレブン』を好きになったのは、とある一話を見たのが原因だからだ。
イナズマイレブン(無印)100話『奇跡!河童との遭遇!?』(2010年9月15日放送)
イナズマイレブンを知っている人は『その回!?』と思うだろうし、イナズマイレブンを知らない人も『河童……?』と思うことだろう。
簡単に説明すると、まずイナズマイレブンはゲームを原作としたサッカーアニメである。
この回では、森の奥に迷い込んだ登場人物が河童とサッカーバトルをすることになる。未視聴の人はもっとわからなくなったと思う。初視聴時の私もよくわからなかった。
少しでも気になったならぜひアニメを見てほしい。今でもそう思うくらいには好きだ。
友人に勧められ『河童回』(この界隈ではよくそう呼ばれている)を見た私は、とりあえず理解に努めようとそれからも度々イナズマイレブンを見るようになった。それからしばらくして主人公たちが世界大会に優勝し、新シリーズが始まってからは毎週欠かさず見るようになっていた。DVDを借りて過去の話をすべて見たし、原作ゲームももちろん買った。バージョン違いで複数出ているものも、全部揃えた。
それまでも幾分かオタク気質はあったと思う。少ないお小遣いからジャンプを買っていたし、外で遊ぶよりも本を読むのが好きだった。
けれど明確に私を狂わせたのは、やっぱりイナズマイレブンだと断言出来る。あと銀魂。
そんなイナズマイレブンも、2014年に一旦テレビアニメシリーズが終了してしまう。原作ゲームも然りである。
私は、他ジャンルと掛け持ちしつつもメインはイナズマイレブンでオタクを続けていた。供給は少ないながらも無いわけではなかった。なんなら非公式に創作をしている仲間も結構な数いた。
イナズマイレブンを嫌いになったりしないだろうと思っていた。
いつか復活すると信じていたし、それは2017年……3年前現実になった。
初めてイナズマイレブンを見たとき10代だった私は、休止期間中に20代になっていた。それでも、努力でなんだって叶う少年漫画的なストーリーも、変に癖の強すぎる個性的なキャラクターたちも、馬鹿みたいな必殺技の応酬に溢れた試合シーンも大好きなままだった。ニコ生で復活が宣言されたときは、泣きながらよくわからないツイートをした。
新章に繋がるストーリーとして、何話か短いアニメが公開された。推しがメインに据えられている映像があって、覚えるくらい何度も見た。
アニメが始まって、毎回リアルタイムで見ていた。Twitterに古い友人が出てきて、久しぶりに話ができることも、それが好きなアニメの話だということも嬉しかった。
ゲームはなかなか発売されなかった。それでも、絶対に良いものになると信じていた。Switchで出るという話を聞いてすぐに品薄だった本体を買いに走った。
アニメの二期が始まって、それでもゲームは発売時期が伸びるばかりだった。一期だけのストーリーで出ると聞いていたのに、いつの間にか二期も含めたゲームだということになっていた。
アニメをリアルタイムで見ることをやめた。録画に溜まっていくのを、どうしたらいいかわからなくて。まとめて見る気力がどうしてか無くて。TLに流れてくる感想と二次創作を眺めて、それで見たような気になった。
それでも、ゲームを買えばまた好きになれると思っていた。
気付くと、アニメは最終回を迎えていた。最終回だけはリアルタイムで見ていた。最終回までに、ゲームは発売されなかった。
今まで、好きになったコンテンツから離れる人を不思議に思っていた。私はずっと、好きになったものは好きなままだった。
他ジャンルを好きになっても、今までのジャンルすべての情報を追いかけていたし、新しいことが起こればずっと変わらない熱量で応援できていた。
けれど多分、イナズマイレブンの新しいゲームを私は買わないだろうと思う。
私が変わったからなのか、イナズマイレブンが変わったからなのか。その両方なのか。まだよくわからないけれど。
偶然このエントリを読んでしまった人が、イナズマイレブンに興味を持ってくれますように。
ジャンルじゃないじゃん。コンテンツじゃん
腐女子用語でジャンルって言うんだよ確か