少し前に「絵師さんに表紙を頼んだ話」が同人界隈で広く話題になった。
「自分はこういった方法で絵師さんに依頼し、こんな表紙を描いてもらいました!」
謝礼、リテイクの有無等々も含め界隈全体で様々な議論が巻き起こったことで、結果として
あの話が広まったことは全体的な意識向上に繋がったのかなぁなんて思う。
私は趣味で二次創作をしていて時折表紙のご依頼を受けたりしていたので、
これでみんながスムーズにやりとりして素敵な創作物がいっぱい生まれたらいいよね!なんて思っていた。
それでちょっとだけ、私のところにも来る困った依頼者の人が減ったらいいなぁなんて考えてた。
元からそういう御心遣いをされる方はあの一件でより意識を強めた感じがあったけど、
多分、そういう困ったご依頼の方は問題を自分のことだと捉えていないのかな。
ちょっと大変だったのは
・こちらから訊かないと基本的な情報(納期、納品サイズ等)を教えてくれないパターン
・ご自分の中でイメージが固まってないまま依頼されるパターン(小説の内容を相談するのはどうかお友達相手にして欲しい)
・AとBのパターン、どちらがいいですか?と訊ね、「A」と言った数日後に「やっぱりBの要素も....」と言われるパターン(Aと答えた段階で絵描き側の作業は進んでいます)
などなど、
ちゃんとして下さる方のほうが多いしそういう方は本当にきっちりして下さるけど、
私は今までのご依頼全部、お金の類は頂いてないけど、
やりとりのメールを打ちながらこれは最早クライアントとのやりとりのようだな....って仕事してるような気分になったりした。
割と多いのは、本のイメージが依頼の段階であんまり固まっていない方。
納期 報酬の有無 カラー(RGB/CMYK)/モノクロ 人物の数や表紙のイメージ 本の内容 背景の有無 題字等の文字デザインの有無 複数枚の場合は枚数とか。
「表紙描いて欲しい!描いてくれませんか?」
に対して
「うん!いいよ!」
って言うためには、絵描きによって必要な情報の量が違うと思うけど、
でも意外と「表紙描いて欲しい!描いてくれませんか?」でメールが届いたりする。
距離がある相手に対してだったらお互いの信頼関係もないんだからもう少し情報が欲しいところ。
ちなみに情報共有の際、その字書きさんがそのCPをどんなCPだとイメージされているか、
どんな本にしたいと考えているのか教えて下さらないと、
解釈違いの表紙が出来上がるなどの悲劇が起きることもあると思う。
こだわりが強いなら尚更そのあたりは最初の段階で細かく伝えるべきだし、
その時点で「自分には荷が重いな」って思ったら、絵描き側も断れるし。
ちょっと話は逸れるけど、
そもそも絵描きの中には「お任せで!」って言われたほうがのびのび描けるタイプと、
「色々注文つけたら大変になっちゃうよね」「負担を増やしたくないな」って
相手を思って一歩踏み出せなかったりするなら
一度そのあたりを相手に訊いてみるのもありなんじゃないかな~って思ったりする。
少なくとも私の周りに「こんなのがいいな」を言うことを否定する絵描きは一人もいないし、
お任せが得意な方もがっつりイメージ共有が得意な方も、
字書きさんの理想に少しでも近づけたらいいなって思いながら描いてることに変わりはないし。
だけど、
だけどね。
依頼の段階で言ってたことと注文を変えたりするのはちょっとずるい。
最初は「お任せで」って仰ってたのに、やり取りをしているうちに注文がどんどん増えてきた、とか。
ご自身の原稿が進んでなくて、「やっぱりこう変えて欲しい!」とか。
よくない。
そのたびにこちら側は思いっきり軌道修正をすることを余儀なくされたり、
締切が厳しくなったりしちゃう。
やっぱりこれもこれも!!ってなったら大変だよ。
そういう相手には、手直しができない段階で「やっぱりこれも」って言われる可能性を考えて、
友達とかだったら構想段階から一緒に作ったりとかも楽しいと思うんだけど、
そういうことを言ってくる相手に限って友達じゃなかったりする。
どうか
そして一度納得したものに対して簡単に「やっぱりこっちで」って言わないで欲しい。
物事はまた変わってくるのかもしれないけど。
無償での依頼だったら、少しでも気をつけてくれたら嬉しい。
私はもう表紙の依頼をあんまり受けないようにしようと思うけど、
ちょっとでもこまったご依頼の方が気付いてくださったらいいな