運営は熱中症の怖さを軽視してるとしか思えない。夏の太陽は人の命を刈り得るという事を知った方が良い。そして熱中症に年齢は関係ない。若いから大丈夫だろで済まない。単位で釣って学生を炎天下へ引きずり出すようなやり方が本当に気にくわない。
自分語りになるけど許してほしい。俺は熱中症経験者(幸い軽度)。高校一年の時発症。当時屋外スポーツの部活に所属してた。体調がおかしくなって病院に行ったのは寝起きの朝だった。吐き気や呼吸の乱れに襲われて冷静じゃ居られなかった。熱中症は時間差で来ることもある、俺もそれだった。
点滴を2本打つことになった。医者曰く、点滴1本打つと普通は尿意を催すらしい、血管に直接水分を送ってるから。俺は1本打ち終わっても尿意が全く来なかった。2本めの終わり際にやっと催した。ひどい脱水状態だった証拠だと医者に怒られた。
この経験以来体質が変わった。まず集中力や思考力が落ちた。頭に靄がかかった様な、スッキリしない状態が常態化した。多分脳にダメージ行ったんだと思う(検証したわけじゃ無いけど)。
それと極端に暑さと日光に弱くなった。毎年夏になると倦怠感でロクに動けなくなる。それに頻繁に吐き気や頭痛や寒気に襲われる(暑いのに寒気がし出す事があるんだよ、不思議と)。この前なんて仕事で半日ほど車の運転しただけで頭痛と疲労感に襲われて、帰宅後ベッドの上で2時間くらい動けなくなった。車内はクーラーを効かせてたにも関わらずこれだ。
因みに死んだ俺の祖父も畑仕事中に熱中症で倒れた事があった。年齢の割には身体も大きく、頭もしっかりしてて、とにかく元気だったのに。熱中症を境に元気が無くなって、身体は痩せ細り会話も以前ほどハツラツと出来なくなってしまった。熱中症になってさえいなければ、もう少し長生きできたのかなといつも思う。
熱中症は毎年ニュースで騒がれてる割には、やっぱり実体験として苦しんだ事ない人は軽視しがちだと常々感じる。先日も上司にゴルフに誘われたけど熱中症が怖いからと断った。ゴルフ以外にも夏場の誘いは基本断ってる。そうすると大体「若いくせに、男のくせに、情けない」と言われる。
1度だけヤケクソで誘いに乗った事があった。案の定体調が悪くなってダウンした。その時の同僚は青い顔して日陰で横たわる俺を見てやっと理解を示してくれる様になった。
こんな調子だから俺は夏が怖い、毎年夏が来るのが本当に怖い、夏ってだけでメンタルが病んでしまう年もあるくらいだ。そしてその怖さを知ってるからこそ、学生を半強制的に動員しようとしてる今回の方針には怒りを禁じ得ないし呆れ返ってる。未だ熱中症対策が整ってない中、ノルマまで課してボランティアを募るなんて馬鹿にしてるとしか思えない。
俺は言いたい。ボランティアの要請が来たとして、自分の体力や体質や体調に不安があるなら躊躇わず断ってください。断りきれず強制的に参加させられる事になった場合も、勇気を持ってボイコットしてください。熱中症について理解を示してる人は、恐らくまだまだ少数です。苦しむのはあなた自身です。周りの人は苦しむあなたを見て「まさかこんな事になるなんて…」と無責任な事を言い放つだけです、残念ながら。
もしそれで五輪が大コケや失敗に終わったとしても、それはあなたのせいじゃありません。無理な運営計画が祟り失敗するべくして失敗するってだけの事です。
積極的に参加したい人、使命感を持って携わりたい人は是非五輪を盛り上げてください(体調管理にはとにかく気をつけてください)。こういった熱い想いを持つ人が自主的に集まるからこそ大きな力を発揮するのが本来のボランティアだと思います。
最後にくどいようですが、夏の太陽は時に命を奪います。熱中症になったら後遺症が残る事もあります。若さや根性でどうにかなるもんじゃ無いんです。運営がその事を理解してくれる事を願います。そして熱中症で苦しむ人が出ない事を祈るばかりです。