完全に愚痴。
去年、病気になった。
長期治療が必要なのと症状の重さから仕事も辞めなくてはならず、なんとか退院はしたが外出もままならなくなり、家にこもって治療薬を飲む日々。
ただでさえ滅入ってる中、「病気になった」と友人達に言うのもなんだか億劫でずっと周りには黙っていた。
それに気を使われる事がわかっていたので、そういう事に申し訳なくなってしまう自分としては一番楽な道でもあった。
久々に会わない?最近どう?なんて言われて、まあ言わないだけで隠してる事じゃないしと病気である事を打ち明けた。
そうすると物凄い勢いで心配され、そして力になれる事があれば言ってね、と告げられた。わたしもその病気について調べてみるから、出来ることがあればやるから、と。
その勢いに呑まれ、感化され、この時には「人に心配されるのも、それを素直に受け止めるのも悪くないものなんだな」なんて思っていた。
そこまで心配してくれるなんて、って少し感動したり嬉しく思っていた。
規則正しい生活が一番なんだよ、とか、刺激物は食べちゃだめなんだよ、とか話してくれた。
正直それらは殆どがどの病気にも言えるような事でもあったけど、ありがたく聞いていた。
頑張ってるのに職場で理不尽な扱いを受けてて、実家暮らしで家にいれるお金が少ないと親には文句を言われ、元カレは長く付き合ったのに結婚してくれなかった、みんなみんな酷い。
だいたいがそんな感じで、一回に二時間ほど喋り続けていた。わたしが発した言葉は相槌のみだった。
さすがにわたしも「あっこれサンドバッグ代わりにされてるやつだ!」と思いそれからは距離を置くようになった。気付くのが遅い。
時折やっぱり粘着されつつも気合いで引き剥がし、さすがに次は着信拒否かな…と辟易していたところ共通の友人から色々な話を聞くことが出来た。
曰く、わたしが病気を打ち明けた直後に合コンで初対面の人達相手に「友達が病気になっちゃって、わたし凄く心配でなにかしてあげたいの」と猛アピールしまくっていたらしい。
そして連絡先を交換した人達に相談という名目で会っては「友達思いのわたし」を演じきり、なんならわたしの病状を盛りに盛って盛りまくり、見事「そんな優しい子なんだね」と引っ掛かった人と先月結婚したと。
いやいや待ってなにそれ知らないっていうか知らん人達にわたしの病気を吹聴して回ってたの?え?バカじゃないの?引っかかる奴もバカじゃないの?初対面でそんな話題ドン引きじゃんっていうか正直もう死にたいくらい辛かったのにそれをネタに使われてたって普通に胸糞悪いんだけど人の不幸を利用するってお前人でなしかよああ人でなしだったな病気の人間を愚痴用サンドバッグにしてたもんなこんちくしょう!!!!!
なんて事が一瞬で頭を埋め尽くした。
更に聞けば、人に言いふらしていた病名が全然違うものだったり、わたしが料理下手で、だから定期的にごはん作りに行ってあげてるの!なんて真っ赤な嘘をペラペラ喋りまくったり、あげくにはわたしが話せば一発で嘘がバレるような共通の友人界隈にも話を広めてここでもいい人アピールしまくっていたらしい。
そしてこれは友人の憶測だが、自分の人間性や嘘がばれる前にと結婚を急かしたんじゃないか、と。
もう、そうとしか思えなかった。
詰めは滅茶苦茶に甘いけど、計算高く、ちゃんと自分のやってる事を自覚してるタイプなんだろうと確信した。
友人にはこれまでの事を説明し、なんとなくおかしいと思ってたけど完全にダシにされたね、と同情された。
そしてなんの因果か、先日その合コンに居合わせた人と会ってしまった。
最近では病状もよくなってきて出掛けられるようになり、久々の友人たちとの食事の席だった。
彼女をかばう義理はないので、事の顛末を話したところ神妙な面持ちになってしまった。
まあ顔見知りだろうと予想はしてたが、引っ掛かった旦那の友人だった。
そして、さすがに旦那側も好意があってきちんと考えて結婚したんだろうし、新婚で浮かれ上がっている今は水を差すようなその話を旦那側に打ち明ける事は出来ないけど、今後彼女が問題を起こしたり旦那が悩むような事があれば即座に話して決断させる、と約束してくれた。
なんだかその言葉を聞いて、胸のすく思いだった。そして少し泣きそうにもなった。
自分で思っていたよりもダメージを受けていたらしい。酷い話だと認めてもらえてちょっと心が軽くなった。
そうだね たとえばはてブでイケハヤをたたいたことがあるのならお前も死んだほうがいいね