最近、学生さんに、研修病院の選び方について聞かれることが多くなってきました。
多分、普通の人よりもプチ転科してみたこともあったりとかして、色んな施設経験しているのもあってだと思うんですが
同じことをいちいち語るのもめんどくさいし、何回か語っているうちに言いたいこともまとまってきたような気がするのでまとめてみます。
まず大原則として
「できるやつはどこにいったってできるし、できないやつはどこに行ってもダメ」です。
なんか身もふたもないようですが、いわゆる有名研修病院でもダメなやつはホントだめだったし、場末の市中病院でもこれはっていう子はいました。
最初の二年間が姿勢とか方法論とか一番大事な時期だなんていう人はいますけど、僕はそんな姿勢とかなんて生まれてきてから二十歳になるまでできまっちゃってる
で、二年間で学べる事ってすごく少ないことなので、どこにいってもできる子はその環境の中で学び取ることができることを探して、指導医だけじゃなくて
患者さんやコメディカルにいろいろ教えてもらってぐんぐん成長します。
二年間でもうその環境から学ぶことないわーってなるなんてとんでもなく優秀かバカかどっちかだと思います。
医学部には入れている時点で頭はいい子ばっかりなので、あとは自分の研修先の環境について考えて、質問してくるぐらいなのでまぁ、「できるやつ」の方のカテゴリーに
いるんじゃないかと考えると、そういう子に対しては基本的には好きなとこいきなーっていうのが研修病院の選び方としては言えることだと思ってはいます。
上には「どこでも」ってさらっと書きましたが、実は「誰が行ってもあんまり良くない病院」っていうのが数少ないながら存在します。
指導する気とかまったくないんだけど加算取りたいがために臨床研修指定とかとってる病院です。
こういうとこ行くと、完全に放置されるか、いきなり一人前に扱われちゃってやらすだけやらすくせに教えてもらえないなんてことが起こりえます。
そういう病院はたいがい、いわゆる有名臨床研修指定病院じゃないわりに大学とのかかわりがあんまりない私的グループ病院だったりするので
あと、「誰が行ってもたいがいうまくいっちゃう病院」ってのも存在すると思います。
初期臨床研修制度がはじまってだいぶたつので人気研修病院は様々なタイプの研修医がやってきたはずです。
そうするとどんな困ったちゃんに対してもそれなりの免疫と対処法が蓄積されているはずなのでそれなりの扱いをしてくれるでしょう。
あと、そういう病院は同期も多くて自分を客観化したりとか、助けてもらえたりなんてことがたくさんあります。
もちろん多人数ならではの人間関係のめんどくささなんかもあるかとは思うんですが、柔軟な対応が
あたりはずれのない選択枝としておすすめできるものなのかもしれません。
それと、指導医もやっぱり人間なので、すごく些少なこと、たとえばこっぴどく振られた彼女に似てるなんていう極めて理不尽な理由で
あんまり教えてくれないなんてことも出てくるかもしれません。そういったときに指導医が各科複数存在する方が安全なので
大規模な人気研修病院っていうのが一番安心なんじゃないかなと思います。
結局は様々、病院ごとにカラーはあるとは思うのですが、直接指導する中間層の医者なんていつ飛ばされるかわかんない人たちばっかなので
マッチングが決まった段階と働き始めた段階では全く話が違うなんてことはよくある世界です。だから、あんまり前情報とかは
どこに行こうとできる人はそれなりにできるようになることは増やせるはずなのであんまりそこらへんは気にせずに、「おおはずれ」の病院だけ除外して
あとは、住んでみたい土地柄とか、給料とかそんなんで決めていいんじゃないかなーって思うし、少しでも安全パイをとりたければ
がんばって有名研修病院を受験してください、ってことなんじゃないかと思っております。
あ、ちなみに初期研修の先の進路設定については一部を除けば基本的にはどこでもウェルカムな世界なので、自分さえ強く持っていれば
どこの病院からでも希望の医局であったり病院であったり行くことはできると思います。(それなりにコミュ力は必要としますが)
なので、将来的にこの大学でやりたいからその関連病院でしなきゃいけないとかあんまり思わずに決めたらいいと思いますよ。
もちろん、人間関係ってのは財産なので今あるクラブの上下関係とか知り合いとかを活かしたいなら自分の大学とかかわりがあるところでやったほうがいいと思うし
三年後に少しでも楽したいんなら、初期研修を三年後に自分がやりたいところの関連でやって人間関係を築いた方がいいと思います。
でも、初期研修の間にやりたいことって結構変わりますからね。あんまり気にしない方がいいんじゃないかなー。
最後に、こういう質問を僕にぶつける学生さん、僕は神経内科なので神経内科が好きに決まってるので神経内科の仲間になってもらえるようにうまく誘導する答えを発するにきまってます。