幼少期に目の前で父親が農薬を飲んで自殺する姿を目撃し、母親が若くして病死するという極端にマゾゲーの人生を送ってきた女性だ。
親戚を頼って田舎から都会に出てきて、結婚した男・・・まあ、うちの親父なんだけど、こいつが遊び人で家にカネを残さなかった。
ちゃんと人並みの年金出るくらいの定職には就いたんだけど、自分で稼いだカネの多くは自分のために使っていた。
教育投資のような、あとに残る事にカネを使わず、酒やタバコ、スナックでの遊興費などに使っていた(ギャンブル狂いではなかったのが不幸中の幸い)。
とにかく家にカネを残さなかった。母親はまだ専業主婦がたくさんいる日本の経済が好調な時代にガンガン働いていた。
旦那を亡くした未亡人だと噂されていたそうだ。まあ、あの頃の親父は死んでたほうが家族のためになっていた気はする。
親父が機能していないから、兄貴が俺の父親役をやっていた。兄貴が高校の学費をヘルプしてくれなかったら、俺は中卒で終わってた。
メッセンジャーの黒田とか、麒麟の田村とか、芸人と同じグループなんですよ。うちの家庭環境。
父親の親戚が旧帝大の理系を出ていて、母親の親族も頭のいい人が多いせいか、国立の法学部は滑りましたが偏差値表で一番上に記載されている私大には受かった。
上京するカネがなかったので早慶は受験できず、住んでいる地域の偏差値表で一番高いところという情けない条件付きだけど。
私大文系ならどこ受けても合格するんだろうな、といった感覚はあった。DNAに感謝。
母親が朝から晩まで働き、兄貴が弟=俺の父親役をやり、親父は自分のことだけ。
親が3人いるような家庭環境が数年前まで続いた。
兄貴が職場からパワハラを受けて、家族を守るために耐えて、俺の就職が決まった時期くらいに精神をやられて崩れ落ちた。
(精神をやられたといっても職場を辞めたら治った程度の軽微な状態で一生薬を飲まないといけないとか、一生病院通いをしないといけない状態ではない。)
母親は誰よりも朝早く起きて、日付が変わるまで仕事の書類を書いているとか何やらやっていることが多かった。
働く母親にありがちな、家事がおろそかになっているということもあまりなかった。
福祉の仕事をやっているので、兄貴がこんなことになっても対応は早かった。
美化しているわけじゃないけど、立場の弱い人に愛情を注ぐのが好きな人なので、この仕事は天職だと言っていた。
両親は成人前に両方共いなくなり、嫁いだ男はクズ。
こんな環境だと普通は狂ってるかもしれないが、不思議と他の誰かや社会を呪う言葉をうちの母親からは聞かない。
兄貴が長男と親父の二役をやっていたという負担がどれだけ重かったのか、自分のことしか考えられない性根は今更治らないだろうから
明確に理解はしていないだろうが、親父がようやくまともになりだした。
お金の計算をして、計画的にお金を割り振るようになった(遅すぎる・・・)
親父がまともになりだしたのも、母親の努力によるところが大きいと思う。
たぶん親父は母親=妻しか信用していないだろう。母親が死んだら親父を捨てると自分が明言したこともあるし。
兄貴も快方に向かっている(ってか治っていると思うんだが)
最終的に母親は自分に降り掛かった災難を誰かを攻撃することもなく跳ね除けた。・・・いや、跳ね除けている途中か。
まともな家庭環境を経験したことがない母親が死ぬまでに、孫の顔を見せなければならないという使命感に囚われている。
ビートたけしみたいなタイプのマザコンだな。 苦労しすぎた母親に育てられると、こうなる。 マザコンとはちょっと違うかもしれないけど、母親絶対賛美。