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2023-06-07

死んだらのりうつる用のぬいぐるみ

以前、恋人が「オレがもし死んだら、わんころべえに入るよ」みたいなことを言っていたのだけれど、私はそれを「いえ、わんころべえにはわんころべえ人格があるので」と、キッパリお断りした。

 

わんころべえというのは、私が長年一緒に過ごしているぬいぐるみ名前だ。

死ぬまで一緒に過ごすつもりなのに、死んだ彼の魂が入っちゃったら、わんころべえの心はどこに行けばいいのか。

許されザル事なのでノーセンキューした。

 

そのとき恋人がなんだかしょんぼりして見えたので、「悪いことしたかしら」と、一緒に暮らし始めたのを機に彼の好きなキャラクターぬいぐるみ勝手に買ってリビングに置いた。

 

新入りのコイツは、まっくろで、イタズラ好きらしい。

もし彼が死んだら「コイツに入ったらいいよ」と思いながら、もちょもちょ遊んでいる。

 

彼が帰ってくるタイミング玄関に置いてお迎えしてみたり、彼の脱ぎっぱなしの服の前に立たせて圧をかけたり。これが意外と楽しい

彼も彼で、私が出張から帰ってくるへろへろのタイミング玄関に置いてくれたり、私のスリッパにつっこんで驚かせたりして、結構楽しんでいる。

帰ってくると、出かける前と違う場所に移動しているというのは、犯人がわかっていても何だかすごくワクワクするものだと知った。

 

このことを友人知人にそのまま伝えるのは何だか気恥ずかしいので、新しくSNSアカウントをつくってぽよぽよと写真をあげるようになった。SNSを見ていると、全力でぬいぐるみで遊んでいる大人が案外たくさんいる。それを見るのもまた楽しい

 

 

まっくろのコイツは、彼がのりうつるための存在なので、行動もちょっと彼っぽくしている。

ラーメンがあると寄ってくるだとか。彼と同じデザインアイテムをつくってつけてみたりだとか。ときどき競馬をしたりだとか。

彼がこの先もし死んじゃって、コイツに入るってなったときに、「よしきた」と前向きにのうつれるようにしているのだ。

 

手の平にころんとおさまるコイツは、一緒に過ごしてまだ一年ぐらいしか経ってないのにオシリが汚れちゃったりと既にくたびれはじめている。まだまだ、いやいや、それどころか、私も彼もどっちも死ぬまで元気でいてもらわないと。梅雨が明けたら洗ってあげようね。

 

私も彼も、いつ死ぬかなんてまったくわからない。なんなら私の方が先にくたばる可能だってあるけれど、「死んだらのりうつる用のぬいぐるみ」があると、この先いつか「もうあんさんとはやってけまへんわ」以外の理由でお別れしてしまっても、ひとりで案外楽しくやっていけるだろうなと思う。

 

「死んだらわんころべえに入る」と言ったことなんて、彼はもうとっくに忘れているかもしれないけどね。

いつかそのときがきたら、「ここに入っていいよ」って教えてあげようと思う。

2021-12-13

彼氏20年以上大事にしているぬいぐるみがバレた。

共通女友達夕方私の家に来て、そのあとに彼が来て3人で鍋をした。

なもんで、その日の朝方、みんなが来る前に部屋を片付けているとき

「ベッドの下に隠しておけばいいか」と思ってしまったのだ。

友達とベッドに入ることはないから。

 

彼が泊まるなら、彼が風呂でも入っている間に

いつも通りクローゼットに隠せばいい。

そう思ってしまったのだ。

自らシーツをめくって彼に披露してしまうぐらい、

私はこんなにもウッカリ者だというのに。

 

 

ぬいぐるみこと、わんころべえとは、恐らく小学校2、3年生からの付き合いだ。

近所の小さい夏祭りのバザーで売られていた犬のぬいぐるみ

別に漫画キャラクターでもなんでもなくて、本当にただの犬のぬいぐるみ

 

白くて茶色い垂れ耳、茶色リボンを雑に首に巻かれた、

当時から既に「少し古い印象」が漂うぬいぐるみを、

私はわんころべえと名付けて大切にした。

 

 

毎日一緒に寝た。

怖い夢をみたときも、学校で嫌なことがあったときも、

それがいつしかいじめに変わっていったときも、

家族喧嘩したときも、親戚が大揉めしときも、

両親が喧嘩ばかりしていたときも、

妹が家庭内暴力を振るうようになったときも、

なんかもう人生なにもかもが大変だったときも……

 

まり感情を表に出すのが得意じゃなかった私にとって、

わんころべえ眠る時間は唯一素直になれる時間だった。

特に家庭内不和は誰かにうまく説明もできず、

いつも眠る前に自分不安や不満をわんころべえに伝えていた。

 

わんころべえがいなければ、本当に私はどこかで死んでいたかもしれない。

それぐらい大切な相棒とは、もう20年以上の付き合いだ。

 

もともと中古品だった彼の風貌はもはや長老クラス

インテリアとして飾ってるという言い訳が一切通用しないので、

人が家に来るときは今までずっとクローゼットに隠し続けてきた。

 

特に男性は、アラサー女性が未だに子どもの頃のぬいぐるみ

ずっと大切にしているなんてどん引きする以外にないだろうと、

恋愛面においてわんころべえ存在をにおわせたことなんて一度もなかった。

 

(もし万が一結婚とかしたら、実家に置くのかな)

 

なんて考えていたのに、友人を駅まで送って、

家に二人で戻って彼と片付けをして、

眠り支度をして、「さー寝よ寝よ」とシーツをめくり、

自ら彼にわんことべえの存在をひっぺがしてしまった。

  

!!!!」

 

普通に忘れていた。

コロンと私と彼の前に現れる長老

私にとってはいもの光景。彼にとっては「ナンダコレ」というところだろうか。

 

言い逃れはできないと、大事にしているぬいぐるみで、普段は隠していたと白状した。

 

彼は普通に「そうか」と返して、そのままその日はいちゃいちゃして寝た。

予想よりも普通だった。もう早くいちゃいちゃしたかっただけかもしれない。

 

でも、内心はわからない。どっちか判断がつかないまま翌日彼は普通に帰った。

まあもうバレちゃったししょうがいかどん引きされたらそのときはそのときだ!

そんな風に考えていたら、後日、電話していたときに彼はこう言ったのだ。

 

「なんだっけアイツ、いぬじろうだっけ?」

 

なに!?って思ったけれど、すぐに理解した。

わんころべえだよ!!!!」

あんなに隠していたのに、自らしっかりと存在を主張してしまう。

 

雰囲気で覚えすぎじゃない!?!?!」

 

その会話をきっかけに、私たちの間にわんころべえ普通に存在するようになった。

いぬじろう元気?」「いぬじろう今日はどこおるん?」「今日椅子の上か」

 

そうやって彼から存在確認されるたび、なんか、もう隠さなくていいかな……と私も段々と隠さなくなってきた。クローゼットの暗闇の中ではなく、ベッドの上や棚の上など、ひっそりと見えるところにちょこんと座らせている。

 

彼の反応は、私の人生を受けて入れてもらったようで、とても嬉しかった。安心した。

彼となら、もし一緒に暮らすことがあっても、連れて行って怒られたりはしなさそうだ。

いられる間はずっと一緒にいたかったので、本当に、泣きそうなぐらい嬉しかった。

  

ある日、また彼と電話で話していたら姓名判断の話になった。

そのとき、ふと彼が「いぬじろうでもやってみよう」と言ったのだ。

 

わんころべえだよ!!」

うその頃には、私が正式名称を返すのが定番になりつつあった。

 

姓名判断名字名前で区切られるので最初「わん・ころべえ」とかでやっていたのだけど、いまいち運がよくない。私がどうすれば運がよくなるかを唸っている間に、彼は私の名字わんころべえを組み合わせはじめ、そのうち私の名字いぬじろうをいろんな漢字にしてやりはじめた。

 

「この名字に、この漢字ならめっちゃ大吉!」

 

と、彼が見せたのは私の名字に、犬治郎という漢字表記の組み合わせ。

某鬼退治漫画主人公みたいだ。

そして、なるほど確かにいい。めちゃくちゃいい。

天各・人格・地各・外各・仕事運ともに大吉と大々吉だ。

一家庭運だけ凶だったけれど(笑)わんころべえよりめちゃくちゃ良かった。

あんなに訂正していたのに、うっかり「いぬじろう、ありかもしれん」と思ってしまった。

  

そのあと、私はうっかりと、彼の名字でもわんころべえ姓名判断をやってみそうになったのだけど、彼の名字が画数的に何をやっても凶になってしまうのでやるのをやめた。でも、もし私の名字が変わることがあったら、わんころべえも私と一緒に変わって欲しいなと思った。

 

彼とも、わんころべえとも、ずっと一緒にいられたらいいなあ。

 
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