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2009-03-13

ギュンター・グラス青年時代はナチ太鼓持ちだった。

書評川口マーン惠美 著『日本はもうドイツに学ばない?』(徳間書店

小生のようにドイツを知らず、漠然とした技術大国=ドイツの印象を身勝手に抱いてきた者にとって、この評論集は新鮮な驚きのパケッジであり、あのメルセデス・ベンツをつくる器用なドイツ人が、他方では奇妙な思考体系をもつことなど想定外のこと。またドイツおよびドイツ人の意外な側面を知り、本書はとても有益である。

一般的に日本人ドイツの印象は良い。いや、良かった、と過去形で書くべきだろう。

森鴎外留学し、伊藤博文プロシア帝国憲法を範にとって明治欽定憲法を起草、制定した。ゲーテトーマスマン、ヘルマンヘッセ、ワグナー。

手塚富雄高橋義考という人たちの名訳でドイツ文学にしたしみ、西尾幹二の新訳でニーチェに親しむことができだ。三島由紀夫第二外国語ドイツ語だった。

ところが現代日本ではドイツがまるで語られなくなった。

大学ではドイツ語第二外国語に選択する学生は稀となり、中国語語学ブームは移った。

ドイツ政治を分析する論客も目立って減少した。

日本戦後政治混沌としてきたが、ドイツもご多分に漏れ混沌そのもの、いや東西ドイツ統一以後は、旧東ドイツの貧困を旧西ドイツが吸収し、そのためドイツ経済優等生の質が劣化した。さらには欧州通貨統一によって、ドイツ経済中国に抜かれるほどに疲弊した。米国日本に次ぐGDP世界三位は北京が獲得した。

ドイツにも政治家の右往左往、右顧左眄、売国奴の跳梁跋扈があり、構図的にいえば、ちょうど日本売国媚中派保守派とに二分され、さらにその保守が真性保守、体制保守、偽装保守などに細分化されるように、ドイツ政治は、ロシア利益と通底する二流の政治家がいる。

言うまでもなく売国奴政治家とは、シュレーダー首相である。

川口さんは舌鋒鋭くこう批判する。

シュレーダー首相在任中、毎年中国を訪れたが、当地では、徹頭徹尾相手の嫌がることには口を噤み、大型商談をまとめることだけに心を尽くし、中国人のやんやの喝采を浴びて満面の笑みを浮かべているのが常だった。そして、このシュレーダー外交を、官邸で、裏からしっかり支えていた」男が、後述するシュタインマイヤーというニヒルな政治家だった。

戦後、アデナゥワーは米国協調したが、ブラント政権東方外交へ急傾斜をはじめた。そしてブラントの個人秘書東ドイツスパイだった。

後継シュミット時代に「ドイツ経済は完全な停滞状態にはいったしまった。それを引き継いだのがCDUのコール首相。行き過ぎた福祉にブレーキをかけ、19990年には華々しく東西ドイツを統一下」(本書140p)

だが、いまやドイツ統一の偉業をなしとげたコール首相は顧みられず、現首相メルケルへの罵詈雑言左派からなされる。仕掛け人は現連立政権にありながら次期首相の座を虎視眈々と狙うシュタインマイヤーSPDの面々である。

ドイツ政権は左右大連立で「十五の大臣のうち8つがSPD」。外交を取り仕切るのは左派なのである。

ナチス靖国は、これほど違う!

日本との比較で二点、異なるポイントがあると川口さんは指摘する。

ドイツには日本とは決定的に違う二つの負い目がある」、それは「ホロコーストと戦時賠償未払い」

東方外交をすすめたブラント首相ユダヤ人慰霊塔に跪き、ヒトラーを擁したドイツ軍がなした狼藉を謝罪したが、「ヒットラーの率いたドイツ自分とを同一視していない」。

いや一般的にも「ドイツ人政治家の謝罪はヒットラーが起したことに対する謝罪であり、自分国民の罪に対するものではない」。

つまり「親族人非人がいたことに対する悲しみの表現のようなものであり、つまり『あいつのしたことは本当に悪いことだった。恥ずかしい、許してくれ』と誤っているのだ。日本は幸いなことに、あとにも先にも身内にこのたぐいの人非人を持たなかった」(本書73p)。

 

本書にはホーネッカー(旧東ドイツ独裁者)が、旧東ドイツ市民秘密警察に監視されつつ、生活がうまく行かずモノもなく、途端の苦しみを味わっていても、一人だけ核戦争にも生き残り、モスクワへ逃げる場合に備えた豪華な核シェルターを築いた事実が暴かれる。その妄想ともいえる塹壕が、ドイツ統一後、埋められる前の見学ツアーが行われ、川口女史はでかけて、壮大な無駄独裁の虚無を見いだす。

それにしても直撃取材のフットワークの良いこと!

また“ドイツ良心”などと左翼ジャーナリズムに持て囃された“ドイツ大江健三郎的な作家ギュンター・グラス青年時代はナチの「太鼓持ち」だったこと、シュレーダー首相プーチンの代理人のごとき政治屋ロビィストであること、ダライラマとの関係ベルリン北京へ頭を下げるのも、日本と同様であり、北京とはビジネスさえ旨くいけば中国に叩頭しても構わないと考えているのがドイツ人の大半であること等々。

次々と暴かれるドイツの真相を知れば知るほどに、表題のようにドイツに学ぶことなんぞ、もはや無いという結論が出てくるのだった。

2009-03-12

http://anond.hatelabo.jp/20090312173441

資格うんぬん言うなら,一回管理職やってみれば色々見えてくるものがあると思うよ。俺もどっちかというと優等生だから,クラス授業は要らない自習にしてくれとつい言いたくなる。ダメな奴は切り捨てていけばいいじゃんとも。でも集団全体の中長期的なパフォーマンス最大化を目指す視点ってのはそれとは違うんだ。

2009-03-09

http://anond.hatelabo.jp/20090308235742

そんなの利用者のメリットに合わせたビジネススキームを作れてない供給者側の問題だろ。

たぶん若いだろうに、既得権益側のロジックに寄り沿っちゃって。きっと優等生ちゃんなんだろうね。

文化を破壊してるのはお前みたいな人間だよ。

2009-02-21

http://anond.hatelabo.jp/20090221175345

読んでると、元増田の過剰な被害者意識が流れ込んでくる。建前として、あるいは自己保身として自分が(も)悪いというポーズを一応とりつつも、自分が悪いとは微塵も思ってなくて相手にばかり責任を被せる意図が透けて見えて嫌な気分になる。その辺の演出つーか、優等生的な嫌らしさつーの?

そんなに嫌いなら口汚く罵ればいいじゃんね。ちゃんと発散しないと次に行けないよ。

2009-02-11

http://anond.hatelabo.jp/20090211101128

萌え」でいちばん分かりやすいのはギャップ萌え

ツンだった奴がデレる、生真面目な優等生が緩んだ顔を見せてくれる、いつもニコニコしてた奴が突然包丁を持って迫ってくる。

あとは、人間に獣の耳が生えているとか、日常の空間にメイドがいるとかも、ある意味ギャップ萌えだ。

次にテンプレ

漫画エロゲには多くの王道お約束テンプレがある。

テンプレに則って作れば面白くなるが、則ってばかりだとありきたりな作品にしかならない。

テンプレから外すと驚きが生まれるが、外してばかりだと支離滅裂になってしまう。

たとえば「幼馴染は面倒見がいい」と相場が決まっているものだけど、

時には幼馴染を強烈なツンツンキャラにしたりして「ギャップ萌え」を狙ってみたりとか。

そして性癖

巨乳が好きとか貧乳が好きとか絶対領域がいい女王様キャラに罵られたいとか。

近親相姦萌え百合萌え寝取られ萌えとかもある種の性癖だと思う。

別に露骨に性的キャラを出せばいいということじゃないよ。

それはただの「性的キャラ」という萌え属性でしかないから、それが好きな読者にしか受け入れられない。

性癖をあくまでひとつの要素として、上手く物語に織り込む必要がある。

2009-02-08

http://anond.hatelabo.jp/20090208002055

元増田です。確かに前半は何言ってるのかわかんなかったかも。反省。以下、括弧内の補足は私です。

学校という価値観」においてはそれ(会話の言葉で書いたもの)は「作文」として評価されない。

そんなもの(「僕が読書感想文を書かない理由」という作文)を書こうと思うのは賢すぎる子供だけだ。

確かに、会話の言葉だけで文章を仕上げるのは難しいし、

「僕が読書感想文を書かない理由」とかいう感想文書くには、相当の力量を要すると思う。

けど、それが本当に書きたいことなら、なんとか読めるレベルに仕上げようと努力もできる。

要は私がこの例で言いたかったのは、自分が「文章を書く苦痛」を引き受けられる範囲で文章を書くべきだ、ということです。

会話だってそれは同じで、自分が言いたいこと、伝えたいことがあるから、伝える努力ができる。

非モテ非コミュ」はよく知らないけど、「伝えられない」ことじゃなく「仲良くできない」ことを考えてる人たちの話だと思う。

私が言ってるのはもっと初歩的なことです。「言いたいこと」があるから、人は自然と会話ができるようになる。

教育に非があるがあるとすれば、学生の「書きたいこと」をすくい出すようなことができない点であって、

ハウツー」や「書き方」を教えない点ではない、ということ。

「書きたいこと」をすくい出すことができる状況だったら、「ハウツー」は各自が文章読んで自助努力すべきだとすら言える。

最終的に行き着くのは「内容も安全圏→優等生」か、「何が安全かわからない→コピペ

学校教育ってそういうことを教えるものだろ。

と言われるとまぁそれも半面だけど、それだけだったら「教育」はいらない気もするかなぁと。

http://anond.hatelabo.jp/20090207235230

ありえない。お前が賢いだけだと思う。

普通に会話で使ってるよな言葉で何かしら言える

そんなものは「作文」ではない。

それを作文として評価するという価値観はあり得るし、否定はしないが、

学校という価値観」においてはそれは「作文」として評価されない。

「僕が読書感想文を書かない理由」くらいの感想文を書けばいい

学校という権威に反発する人間は排除されます。

母親エジソンの母親であればいいが、ふつうはそうじゃない。

というか、そんなものを書こうと思うのは賢すぎる子供だけだ。

最終的に行き着くのは「内容も安全圏→優等生」か、「何が安全かわからない→コピペ

学校教育ってそういうことを教えるものだろ。

これを「ハウツー」と呼ぶのであれば、会話でも「ハウツー」を教えてやる必要がある

あるんでしょふつうに。

なければこんなに増田で「非モテ」「非コミュ」話題がいつまでも盛り上がり続けるわけがない。

でも、後半部分は同意だな。

つっか、前半部分いらないんじゃない?

2009-02-07

レポートコピペ問題の問題」

http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20090206/1233931403

自分で考えて意見をまとめる」よりも「自分で考えたかのように意見を言う」ことの方が処世術としては対価・報酬ショートカットしてる感が強くてなんとなくいいかも的にレポート違和感なくコピペできちゃうんだろうなという話。

ブクマで「教育の問題」だとか「まずハウツーを教えるべき」だとか「文章の書き方教えてもらえなかった」とか言われてるけど、自分もそれなんとなくわかる気がする。教えてもらわなかったことで落胆されても知らねえよ!みたいな気分があるのかもしれない。

だけど結局、学生がこういうこと思っても特に反論なんかせずコピペ→提出しちゃうんだろうなと思うと、それはそれで変な感じ。だって、文章の書き方なんて、読書感想文やるくらいの年齢なら普通に会話で使ってるよな言葉で何かしら言えるんだし、「僕が読書感想文を書かない理由」くらいの感想文を書けばいいのに、とか思っちゃう。

でもそれをしない、というかできない、しようと思えない。そういう状況で「ハウツー」やら「書き方」やらを求めることは、自分には、単に評価される安全圏を求めてるだけに見える。それを求める気持ちもわかるけれども、そこで最終的に行き着くのは「内容も安全圏→優等生」か、「何が安全かわからない→コピペ」ってことだと思うわけ。要は、書ける書けない以前に「何を」書きたいかが重要なのであって、これを「ハウツー」と呼ぶのであれば、会話でも「ハウツー」を教えてやる必要があるくらいの、ものすごく基本的なことを自分は言っています。

もっと抽象的に、レポートコピペ問題の問題は、「精神の自由」みたいなものが、窮屈なところに押し込められ過ぎている点にあるんじゃなかろうかと提言してみる。日本が悪いのか、現代が悪いのか、両方が悪いのかは知らないけど、そのいずれにせよ教育が悪いとすれば、「自由に」と口では言いながら、実際は全然自由じゃないことは悪い。本当に自由であるべきなのは、結果の文章ではなく、文章を書く自分精神の動き(過程)であって、「ハウツー」やら「書き方」が生きるのも、その精神あってこそだということだと思う。逆説的だけど、そんなの教育しようと思っても、かなり難しいし、その難しいことが、教育なんだろうけど、とりあえずやっぱり、この精神が本領発揮してアウトプットするにも「コツ」はある。しかしこういう「書き方」とか「コツ」っていうのは、突き詰めて考えたら、やはり自分が書いていくことでしか得られないものだったりするわけで。

要するに書くってことは面倒くさい。嫌いな人は一生嫌いであるような類のものだと思う。書きたくない人がレポート出すことの方が間違ってるんだということで。

2009-02-02

非モテ童貞自虐話、メンヘラ女を落とそうと思った

非モテ、つうか彼女いない歴=年齢の27歳素人童貞

もう数年メールしてるメル友女性がいて、好かれたり嫌われたりを繰り返してた。

具体的に言えば、俺が好き好き言ってみるも流されたり断られたりした。

何度も俺の配慮ない言葉にキレて連絡が途絶えるも、数ヶ月経つと「久しぶり」みたいなメールが来て関係再開を数回。

メールとか電話でしか知らないのに結婚しようか?とか一緒に住もうか?と言われて俺がビビって断ったり。

でも、会おうか?と申し出るも何度も断られ。

で、この間会った。

彼女の部屋に泊まった。

男と女関係にはならずに、友達でいましょうと言われた。

そしたら、俺ずいぶんおかしくなった。

自分人生ってものを考えちゃった。

誰にも認められることなく、受け入れられることなく、この先ずっとなんじゃないかと。

これでも、道を踏み外すことなくよくもないまでも悪くない人生を送ってきた自信はある。

職には苦労しないレベル国家資格はあるし、資格に甘えることなく有用な人材であろうといろいろ頑張ってる自負もある。

仕事でもプライベートでも、他人の役にたつように振舞ってきたと思う。

でも、俺は他人の気持ちとか読めないから、(他人の気持ちを逆撫でするのが得意だ。もちろん意図せずに。)素の、裸の俺はなんかカチンと来る嫌なやつ。

そんな俺が、ようやく便利で使える奴にレベルアップ。

その先に、愛される人間になれるような気がしてたわけなんだ。

いままで7回くらいに振られたことがあって、そのたびに、次があるさと思い続けてきた。

自分愛情飢餓状態でも、他人を思いやる余裕気持ちを忘れないようにしてきたつもりだ。

気が付けば、見返りを求めてたわけだ。

でも、現実問題として、愛情飢餓状態で見返りを求めない愛って振りまけるんだろうか?

見返りを求める愛を振りまくだけでもいっぱいいっぱいだ。

ああそうさ、大学のときもそうだったさ、卒論テストだで手伝わされて、「ありがとう」とみんな言うけれども、打ち上げメンバーに俺はいない。

子供の頃からそうだった。

いい成績をとるのは俺、母の姑と父にに対する愚痴学校に対する文句を聞くのは俺、わがままを通すのは弟。

不平不満が貯まってダダをこねて、要求が通るわけでもなくただただ嫌われる。

で、えらくおかしくなって、彼女は俺にメンタルクリニックを勧めた。

メンヘラ歴がかなり長い彼女の言うことだから、受診が必要な段階だったんだと思う。

でも、意地張って、一人で大丈夫

いや、もう受診が必要だよっていう感じのメールをもらったら俺が逆切れしちゃって、

一人で悩む分には誰にも迷惑をかけない。

あんたと違って誰かの戸籍を汚させたり、自殺未遂に追い込んだりしてない。

と、心の傷をえぐるような返信をした。

酷いことを書いたと思ってる。

でも、困らせたかったのかもしれない。

男として恥ずかしいけれども、彼女過去の男に嫉妬もしてた。

こんなにいろんな相談にのってやり、期待させられ、結局はいい友達かと。

いろんな男を経験しながら、30代派遣じゃもう後がないから誰でもいいから結婚したいと言いながら、誰でもいいからといいながら、俺は駄目だと。

まあたしかに境遇を考えたら、確実に結婚してくれるという人以外としか男と女になりたくないっていうのはわかる。

結婚する?といわれて断った俺が悪いわけだ。

結婚はしないくせに付き合いたいってのは、ようするにやり捨てたいって意味になる。

この恋の問題点は大きく二つもある。

非モテ童貞バツイチメンヘラ女という取り合わせがまず問題。

お互いに受け止めるには精神が弱すぎる。

遠距離が問題。

俺にとっては、数年お預けを食ってたと思っても、彼女には一晩目からやりたいって体が目当て?待てないの?っていう気分だろう。

そして三つ目は、最後に俺が相手を傷つけてしまったこと。

やれなかった腹いせに相手罵倒した。

典型的な酸っぱい葡萄

弟に嫉妬してダダをこねて叱られていた幼児の頃とメンタルは変ってない。

一応メンタル受診したら、「diseaseではなくdisorder、鬱ではなく発達障害人格障害でしょう。アスペルガーっぽいですね」といわれた。

帰りに待合室にあった人格障害の冊子を読んだら、自分境界性人格障害にあてはまるんじゃないかと思った。

境界性人格障害ありがちな思考

「たった一人、完全に私を愛してくれる人がいたら、私はきっと変われる。でもそんな人はいないし、いたとしても頭がおかしい。」

俺の思考そのものだ。

でも、愛されたい、愛されたらきっとなにかが変るはずっていう思考は異常なんだろうか?

興味が出たら偏狂的に丸覚えする性格だからとくに頑張らなくても成績はよかったのもあるけれども、優等生で通してきたの褒めてもらうのが構ってもらうためには手っ取り早いからって理由だったのかもしれん。

事実、みんなの、親の気を引きたかった。

ただ、彼女がいなくて淋しいと感じ始めたのは最近だ。

学校の成績なんかじゃ、認められたうちに入らない。セックスさせてもらえることが、本当に受け入れられた証なんだ。

と間違った思考が暴走。

今に至る。

さて、セカンドオピニオンもらいにもう一軒精神科受診だ。

まあ、両思いになれてもお互い幸せにはなれなかっただろうな。

2009-01-31

アホウをアホウと言って何が悪いか。

http://anond.hatelabo.jp/20090131050522

ひどく文章が読み取りにくいので、あなたがどう考えているかはアバウトにしか理解できないが、論じる。

そういう点を明確に論じた統計データがあればある意味すごいことだが、(論文で出せる)

アルバイトもせず、サークルもせず、ただ自宅との往復だけを行っていた学生企業採用したいだろうか。

また、そんな人と共に働きたいと思えるか。

その点を考慮すれば自ずと導き出される話だとは思う。

私がある大学で知ったぼっち学生達はみんな自分のことを「人見知り」であると言った。

人見知りであるから、初対面の人とは話せないだとか、

人見知りであるから、人を見た目で判断する(チャラい服装の人は無理である)とか。

そんな理由で人とのコミュニケーションが取れないそうだ。

親しい友人間では雄弁であるが、見知らぬ他人や異性との会話では途端に地蔵のように黙り込む学生も見られた。

社会に出れば望むと望まざるに関わらず、そのような他者とのコミュニケーションは必須である。

そして、学生達にはそのようなコミュニケーションが求められる職種は「営業」であるという意識があるようだ。

だからコミュニケーション障害学生達は営業を限りなく忌避する。

それでいて(大学の特性かもしれないが)出版広告、放送といった超マッチョ企業を志望するのだから、ミスマッチも甚だしい。

加えて、彼らは優等生であり、挫折の経験を語れないほど挫折がない。

それでいてちょっと転んだくらいですぐ参ってしまう。

具体的には、入りたいと言った企業からお祈りをされると、

「あぁ、私はこんなに頑張っていたのに入れなかった。私はダメなやつなんだ。」と、今更ながら気付くのである。

その「ダメなところ」がまたピンボケしていて面白いのだが、それは置いておこう。

でもって、そんな「ダメ自分スパイラル」に陥っていった奴らが「鬱だ」とか「不安だ」と口々にのたまいだすのである。

アホウもここに極まれりといったところだろうか。

リクルートに乗せられて就活をしている学生も愚かしいが、そのような学生は更にどうしようもない。

2009-01-29

ていうか富野以外全部正論だってば

手塚治虫人間関係希薄な人は漫画は描けない。漫画とは読者との会話だからだ』

宮崎駿『ロクに人生経験も無いオタクを雇うつもりはない。火を表現するには火に触れないと駄目だ』

庵野秀明アニメ漫画依存するのは止めて外に出て欲しい。あれはただの絵だ』

富野由悠季オタク日常会話が出来ない。アニメ作るならアニメ見るな』

藤子・F・不二雄『よく「漫画家になりたいなら漫画以外の遊びや恋愛に興じろ」だとか

「人並の人生経験に乏しい人は物書きには向いていない」だとか言われますが、

私の持っている漫画観は全く逆です。

人はゼロからストーリーを作ろうとする時に「思い出の冷蔵庫」を開けてしまう。

自分人生経験して、「冷蔵保存」しているものを漫画として消化しようとするのです。

それを由(よし)とする人もいますが、私はそれを創造行為の終着駅だと考えています。

家の冷蔵庫を開けてご覧なさい。ロブスターがありますか?多種多様ハーブ類がありますか?

近所のスーパーで買ってきた肉、野菜チーズ牛乳・・・

どの家の冷蔵庫も然して変わりません。

多くの『人並に人生を送った漫画家達』は

「でも、折角あるんだし勿体無い・・・」とそれらの食材で賄おうします。

思い出を引っ張り出して出来上がった料理は大抵がありふれた学校生活舞台にした料理です。

しかし、退屈で鬱積した人生を送ってきた漫画家は違う。

人生経験自体が希薄記憶を掘り出してもネタが無い。思い出の冷蔵庫に何も入ってない。

必然的に他所から食材を仕入れてくる羽目になる。

漫画制作でいうなら「資料収集/取材」ですね。

全てはそこから始まる。

その気になればロブスターどころじゃなく、世界各国を回って食材を仕入れる事も出来る。

つまり、漫画を体験ではなく緻密な取材に基づいて描こうとする。

ここから可能性は無限に広がるのです。私はそういう人が描いた漫画を支持したい。

卒なくこなす「人間優等生」よりも、殻に閉じこもってる落ちこぼれ漫画を読みたい。』

上は藤子絶賛コピペですが、手塚宮崎庵野言葉オタクへの攻撃としか受け取れないなら生産者側に回るのは絶対に無理です。そのまま消費するオタクにとどまっていて下さい。

藤子が支持したいと言っているのは、あくまで食材収集能力に長けた人であって、かわいそぶって空腹を嘆いている人ではありません。

手塚宮崎庵野言葉で憤るのは、まさに空腹であるにもかかわらず食材が無いなら他所から仕入れて来ようという発想が出来ないことの証明です。

2009-01-28

日本政府北朝鮮をわざと悪者に仕立て上げている

以下、http://kkmyo.blog70.fc2.com/blog-entry-426.htmlコメント欄より転載

2009/01/26(月) 21:00:14 恩義(Oblige347)

日本政府北朝鮮をわざと悪者に仕立て上げている

よく、日本の現体制を否定し、日本人の卑屈な性格批評し、日本社会の劣悪感を訴えれば、二言目には「北朝鮮へ帰れ!」という御仁が多いですね。 そこで、このブログではっきりと公言しておきます。 朝鮮民主主義人民共和国中華人民共和国と同等のレベルにて日本よりは尊敬に値します! この意味が解らない人にはどうぞ言ってかまいません「だったら北朝鮮移民しろ」とでもなんとでも。 少なくとも、朝鮮人共和国北朝鮮というあだ名であざけ笑う人間に聞く耳持ちたくありません! 本来ならば、日本と同等に哀れな愚民化への道を踏んでしまった大韓民国と統一を実現し、朝鮮半島がひとつの人民共和国になるべきなのですから…。

 朝鮮民主主義地理的な状況で苦しんでいます。 革命により衆愚政治を打倒し、一時的に共産主義という名の開発独裁政策を盛り込みました。 そして、外交において有利に動く甲斐性が得られる核武装の断行を行いました。 これぞ、フランス第五共和国初代大統領シャルル・ド・ゴール将軍思想を旨く心得ているかのごとく達者です。 また、地理的そして国際政治的に不利な立場を克服するために、人民統制を敷く為に凝固な独裁体制に依存しなければならない国なのです。 

 もし、朝鮮民主主義共和国大韓民国とがともに統合を果たし、朝鮮民主主義共和国釜山などの国際貿易上有利な港を手に入れれば、朝鮮半島にも繁栄がもたらされるでしょう。 しかし、政治体制はむろん朝鮮民主主義人民共和国独裁体制をそのまま温存するべきですね。 今、経済情勢も社会情勢も揺らいでいる大韓民国制度朝鮮民主主義共和国において導入すれば、人民の間でのいち早いコンセンサスが定められず、南北朝半島における経済格差を埋め、長年の暗い政治的対立の波長を弱めるだけの効果が得られないからです。 その真の南北統一において必要不可欠な政策は、更なる開発独裁の断行です!

 そういえば、シンガポール共和国が明るい北朝鮮朝鮮人民主主義共和国)とあだ名されていることを思い出しましょう。 シンガポール共和国が、コモンウェルスという英国連邦の一員として残るが、主権をグレートブリテン(UK)から奪還し、リー・クアン・ユー上級相の思案を基に、開発独裁を行使して、独立後の混乱および多民族国家として人民静定、そしてある程度経済発展が起動にのるまでは計画経済を導入しつつも、国際自由市場におけるイニシアティブを序所に上げて、今現在国民一人当たりの平均GDPを経済大国として胡坐をかいていた日本を追い抜かしたのです! そして、独裁国家といえども東南アジア諸国の中では経済成長だけでなく、多民族国家としての品格として社会不安定に陥れない価値観であれば許容し、そして売春合法化など人間性格を世俗合理的に判断し、政治的に抑圧をしけども自由主義的な社会政策を導入するという異彩を誇る新興国優等生に躍り出たのです。

 朝鮮民主人民共和国が地の利を得れば、シンガポール共和国とまでは行かないものの、日本を脅かす新興国に躍り出る可能性はあるでしょうね…。

 そして、日本政府朝鮮人共和国を赤貧にあえぐ悪役国家としての印象を強く日本人押し付け、あたかも日本朝鮮人民主主義共和国にて生を受けるよりましであるという錯覚をあたえるのです。 むろん、それは日本高度経済成長期の真っ只中で、人民精神がまだ旺盛かつ将来に対して希望を持てる時代であればいえたことでしょう。 しかし、バブル経済から日本は本当に衆愚化してしまった…。 社会の上に立つべき存在責任制のあるべきエリート)が似非エリートとして上り詰めた愚民等により制御される社会になってしまったのです。 マクロ経済マネージメントを怠り国債所有率をGDPレベル100%以上にまで吊り上げ、将来人民への負担をかせました。 本来、あそこまで国内市場だけでなく、同盟国であるアメリカ合衆国にまで嫌がらせの如く市場拡大を行い、バブルの破裂した際の撤収費用(サンクコスト)を多く被るヘマをする土人である日本人…。 そして、現在にいたれば、経済大国を自任しながらも、その他アジア諸国に次々に追い抜かされ、外交上においてろくに自分意見も貫き通せず、ただひたすら諸外国に貢ぐことばかりで、その負担を本来世の中を動かすべき人民へと押し付けているのです。 そればかりでなく、経済大国を自負しながらも、ここまで雇用体制が杜撰であり、将来へ希望を無くし既に餓死する可能性のあるレベルまで赤貧に追い込まれた個人が数多に続出しました。 

 おそらく、日本にて赤貧に成り果てた人口と明日への希望を見出せず真っ当に社会生活を送れない人口の合計は、朝鮮民主主義共和国の赤貧に面している農奴人口と同じといって過言ではないでしょう。 むろん、下層階級に貶められた日本人の方がまだ物質面では恵まれた文化生活を送ることができるが、幸福度という面では朝鮮民主主義共和国の赤貧人口より2倍は下でありましょう。 そして、まだ朝鮮民主主義共和国人民の明日への希望、そして自分自身を信じて今日と明日を生きる気力は日本愚民および下層階級よりも数段上です! 

 そして、政治面でも、あれだけ窮地に立ち、日本と違い不幸にもミクロ経済マネージメントにおける利点を得られなかったにも関わらず、国際外交においては屑日本を譲歩させるだけの力量を秘めております! つまり、日本の政治家や官僚よりも朝鮮人民主主義共和国の方が格段に力量が上であるのです! 

 また、日本政府は未だ拉致問題という本当に朝鮮民主主義共和国の主導により行われたか疑わしい疑惑を明示しながら、御国犯罪国家と罵る醜態であります。 これは、日本人拉致疑惑を完全に否定しているのではなく、日本政府がその拉致疑惑の正当性を主張しながら、実際になにもできない醜態であるからやけに疑わしいのです。 本来、拉致疑惑の有無を議論するよりも、もし拉致被害者が出れば特殊部隊を送るなり、外交上の圧力を積極的にかけるはずです。 そういうことをしない現日本政府の対応を見ているとまるで、日本人拉致被害が無かったかのようにみえてなりません! どうでしょうね? すくなくとも、○○協○のような現日本政府体制の腰ぎんちゃくであるカルト組織が熱烈に拉致被害を誇示している背景からしても、ますます怪しく見えますね…。

2009-01-25

http://anond.hatelabo.jp/20090124234518

また、自民党には老獪さやある種の汚さがあって頼れそうに見えるが、

民主党はなんというか、クラスによくいたリーダーになれない口だけの優等生のような感じがプンプンする。

前はそういうイメージだったけど、最近小沢民主党はそうじゃないのでは?元自民党政権中枢にいた人だし、野党国民新党とかも元経世会の人が多いし。汚さでいえば当時の小沢に比べれば麻生とか安倍なんかたいしたことないように思う。

それなのに「次の選挙民主党が勝つ」ってどういうこと?

選挙の得票数とか世論調査みるとどう見ても自民は勝てそうにない。

ここ数回は郵政選挙ぐらいしか得票数で民主に勝ってない。

今まで勝ってた政党支持率ですら負けつつあるし。

http://anond.hatelabo.jp/20090124234518

自民党が強かった時ってのはね、国民常識が「お金儲けってのはとても大変なことなんだ」って認識で一致していたから、お金を集められない奴とかきれい事お金を集めようとする奴には票が集まらなかったんだ。

「たけしのここだけの話し」って番組原健三郎さんって衆議院議長やった人がゲストに来たんだけど、

喋ることが面白くてヒートアップして、たけしがとうとう

衆議院議長なんて偉い地位までいったんだから、悪いことたくさんやったんでしょ!」って言ったら

「いやぁ、若い頃一度選挙違反やっちゃってさ、上に頼んで手を回してもらって、チャラにしてもらったんだ」って笑ってたんだよ。

そのあと「TVタックル」に久米宏ゲストで来たとき(「テレビとたけしと久米宏」って副題)にその話を出して、

「これが社会党人達だったら優等生みたいなこと言ってさ、「私は悪いことなんて一回もしてません!」って言うんだよ。つまんねーの」

社会党とか共産党とかって人間性が歪んでるからね」

って発言してた。

でも今の時代は「若い頃選挙違反やっちゃってさ」なんてことは、洒落でも言えないんじゃないか?

2009-01-24

次の選挙民主党が勝つとか言うけど

俺は元々民主党の強い地域の出身なんだが、

最近、俺の中での民主党はどんどん評価を下げてる。

仲間内でも同様で、

民主党の言うことは胡散臭い上にやっつけ仕事っぽく中身がないと評判。

また、自民党には老獪さやある種の汚さがあって頼れそうに見えるが、

民主党はなんというか、クラスによくいたリーダーになれない口だけの優等生のような感じがプンプンする。

対案として提示している政策も正直トンチンカンなものばかりに見えてしまうし。

それなのに「次の選挙民主党が勝つ」ってどういうこと?

マスコミ偏向報道

2009-01-22

悪いのは誰? - ある高校物語

ある女子高生、その女に思いを寄せる巨乳貧乳、おにいさん、この3人とは何の関係もない男性。この5人が乗っていた船が難破してないけど、無人島に流された。

そんなこんなで、館の主の弟は行方不明となり、真実に辿り着いたのは4人だった。この時点で意味がわからない。やれやれ

コンピュータ研の部長の安否を確かめるには、団を出して捜索するしかないが、俺には次元断層をつくる能力や、直す力はない。断層をつくり、直すことができるのは、普通とは縁もゆかりもないただひとりだった。

部長は女に頼んだ。「僕達とそのゲームで勝負してもらいたい!」と。

女はまぁ良いわ、と嬉しそうに言った。だが、条件をつけた。その条件とは今後女に絶対的な忠誠を誓うこと。

貧乳は悩み、男に無言で相談した。男は「お前の好きにしろ。気が向いたときにでも、お隣さんに行ってパソコンを弄らせてもらえば良い。」と。

美人優等生は結局、その男の破壊を謀った。貧乳は男を守り、教室を直した。

そして教室が直り、これからまさに眼鏡を探すというときに、忘れ物が教室に歌いながらたどり着いた。

男は女に、目の保養に、胸元のホクロを捜索するために巨乳の隠しフォルダを持ってしまったことを告白、は断じてしてない。

女はそんな男を許さなかった。不貞であると。

世界は破滅した。

ひとりになった女の様子を見て、思いを寄せていた男が言った。「ポニーテール萌え」。

結論:

俺の頭が一番悪い。

http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20090116/p2

2009-01-16

小学校のころ同級だった男の子スキーに行った。

http://anond.hatelabo.jp/20080913153317

http://anond.hatelabo.jp/20081201015818

http://anond.hatelabo.jp/20081226042010

の続き。

知らないうちに、彼らはスキーに行ったりしていたらしい。

小学校同窓会にて地元組で話が盛り上がり、近場に泊まりがけでスキーに行ったことがあるらしい。

なぜわたしがそれを知ったのかというと件のやつから「せっかくだから今年は一緒に」と誘われたからなのだが、転勤族の悲哀というか、卒業と同じタイミング学校を変わってしまうとこういうふうに図らずも仲間はずれになってしまうことがままあるのだ。

これまでは特に気にしたこともなかったけれど、今回ばかりはちょっとさびしくなった。

いいな、と思った。

わたしには「幼馴染」という関係に対する幻想のようなものがある。

子どものころからずっと一緒にいると、互いが少しずつ異性になってゆくようすを間近で見る機会が多くなる。

声が変わったり、胸が膨らんだり、背の高さが逆転したり、ちょっと重いものを運ぶときに軽々と担いでいる姿とか、ふとした瞬間の大人びた表情とか。

そういうのが、とても魅力的で刺激的なことのように思うのだ。

実際は特に意識することなんてないよ、と経験者が語るのを聞いたこともあるのだけど。

例の、本当の意味クラスの「注目の的」だった女の子は、彼と同じ私立中学校に進学していた。

そこは中高一貫校だったので、きっと高校も同じだったんだろう。

幼馴染コンプレックスうずく

いいな。いいな。

そしてほらまた。

スキーも一緒だったんだって。

彼女は、お父さんが開業医だった。

絵に描いたような優等生だった。

なんでもできる子だった。

わたしが彼女に勝っていたものといえば、英会話ぐらいだ。

わたしと彼女はたまたま同じ英会話教室に通っていたのだけど、わたしの気持ちと先生の教え方が上手に噛み合っていたようで、わたしは一人でやたらと順調に力を伸ばしていた。

海外の人が何かの交流で学校に来たときに代表でスピーチをしたりとか。

彼女と唯一張り合えるであろう技能はそのぐらいのものだった。

なんていうか、格が違う感じがする人なのだ。

ということで、スキーツアーに参加することになった。

かなり緊張していた。

彼らは定期的に会っているらしいのである程度気心の知れた仲を保っているのだろうが、わたしは卒業以来初めてなのだ。

知らない人たちの輪の中にひとりで入ってゆくことにほぼ等しい。

当時特に仲の良かった子を見つけてくっついていよう、でもきっとある程度関係ができあがってるだろうし、今更加わっても迷惑がられないかなあ、とかネガティブ思考全開で集合場所へ行った。

総勢7人。男性4人、女性3人。

意外と集まるものなんだ、とびっくりした。

なんか全体的にキャッキャキャッキャした浮わついた感じで、早くも不安でいっぱいになる。

なんだろう、この広瀬香美な雰囲気は、と思っていたら実際「(合コンあいのり)÷2」な、そんな趣旨の集まりに近いのだということをわたしは後になって知ったのだが、まあとにかく緊張していた。

久しぶりだから、一応

「きゃー!!ミッチョン!?久しぶりー!!!」

「今どこに住んでるのー!?」

みたいな盛り上がりはあった。よかった。

やっぱりみんな卒業して十数年も経つとだいぶ変わるんだなあ、というのが実感だった。

顔立ちそのものもだけど、化粧をしたり太ったり痩せたりハゲたり茶髪になったりしていて、確かな年月の重みを感じさせられた。

それからバスに乗り込んだのだけど、わたしは当時の仲良しグループの子ではなく「注目の的」の女の子、さとし(仮名女の子です)と隣どうしで座ることになった。

仲が良かったほうの子がすでに結婚していて、ご主人と一緒に来ていたからだ。ちなみにご主人は同級生ではない。

さとしは医学部に進学したそうだ。

浪人して入ったこともあってまだ学生で、本当はこんな風に遊んでる暇はないけど、と笑っていた。

彼氏もいて、まだわからないけど同じ医学部の人なので将来を考えることができたらうれしい、と言っていた。

「さとし、きれいになったね」

と、誰かさんではないけれど、わたしはさとしに言った。

本当にそうだった。

もともと色が白くて線の細い子だったけど、そのままの雰囲気で大人になっていた。

薄化粧をして髪をゆるく巻いたさとしは、小学生のころの何倍も美しかった。

さとしは少し肩をすくめて、小さく照れ笑いをした。

感じのいい笑顔だった。

さとしについてはいろいろな記憶がある。

5年と6年で同じクラスだったのだけど、5年のころ、さとしは取り巻きの子たちを引き連れていじめをしていた。

先生たちから全幅の信頼を置かれる優等生でありながら、陰で特定の子の持ち物を隠したり、寄ってたかってバイキン呼ばわりしたりしていた。

別に怖かったわけでもないのだけど、なぜかだれもさとしを告発するものはいなかった。

6年生になってその子とクラスが分かれると、さとしのいじめ自然となくなった。

週一回の英会話教室の帰り道は、さとしと帰っていた。

野良子猫を見つけて、近くのスーパー惣菜を買ってきて一緒にえさをあげたりした。

さとしは「けろけろけろっぴ」が大好きで、サンリオのお店に一緒に立ち寄ったこともあった。

そこで見るさとしは、本当に普通女の子だった。

何となく別世界の人のように見えるさとしにも親しみを感じるひとときだった。

卒業式が近くなり、毎日のように練習が続いていた日、わたしはヘアゴムを失くした。

当時はものを失くすたびに親からこっぴどく叱られていたので、また怒られる、と思っておろおろと周囲のクラスメイトに尋ねて回った。

ちょうど体育館への移動時間が迫っていて、誰もが

「ごめん、知らない」

としか言わない中、さとしだけが探すのを手伝ってくれた。

結局見つからなかったのだけど、わたしが

ありがとう、もう大丈夫だよ」

と捜索打ち切りを宣言しても

「いや、あそこにあるかもしれない

とか言って机の下をのぞきこんだりしていた。

今思うに、この生真面目さが、さとしの美点だったのかもしれない。

すごく責任感の強い子で、委員会活動などで任せられた仕事はいつでも完璧にこなそうとしていた。

いじめをしていた時期も、さとしはこういう一面を失うことはなかった。

むしろそういう子だから知らないうちにストレスがたまってしまって、子どもゆえの残酷さでその捌け口を「いじめ」に求めてしまっていたのかもしれない、と今は思ったりする。

さておきスキー場に着き、まずは滑ることに。

一通り体を動かし、食事がてら休憩所のストーブの前でさとしと話をしていたら、やつが来た。

いたって気軽に今日の天候がどうとか雪の積もり具合が、とか話し込むふたり。

かたや、ものすごい置いてきぼり感の漂うわたし。

相槌はかろうじて打つものの、いまひとつ会話に乗れてない。

ほどなくしてさとしが早々とゲレンデに戻ってしまったので、ふたりになった。

「今まで何回ぐらい集まったの?」

「うーん、もう5、6回になるんじゃないかな」

「そうなんだ」

「俺はスノボだけどね。ミッチョンは?」

「もうだいぶやってないよ…。大学生のとき以来」

「俺も毎回来るわけじゃないからなあw」

「それにしてもみんな、変わったね」

「あー、ミッチョンは久しぶりだもんな」

同窓会も出たことなかったし」

「そうだな。いなかったな」

「でも、いいものだね」

と言うと、こっちを見てにやっとした。

「そう?」

「うん」

するとどこかあさっての方向を向いて

「それならよかった。」

と低くつぶやくように言った。

自分が誘ったのだから、ということで気を遣って尋ねたことのようだった。

それから、同行している元クラスメイトたちの話をしていた。

夫婦で来ている彼らは婿養子なのだと聞いた。

なるほど、確かにあの女の子は古くからの金物屋さんの娘なのだ。

2年前にご主人がお店を継いで、モダンな感じの雑貨屋に改装して、小さなカフェまで併設したらしい。

それが当たって、地元でもちょっとした有名店になったのだとか。

「すごいよね。

 婿養子って肩身が狭そうなイメージがあるけど、そんなふうにお店を変えるのも大変だっただろうね」

「最初は反対されたらしいけど、最近はやってるじゃん。古い家屋の味を活かして今風の店にするの。

 それで、お父さんたちが今まで卸してきた品物をメインで売るのは変わらないってことも話して、

 プランナーと一緒になって説得して、お父さんも折れてくれたらしいよ」

「お店、今日休みじゃないんだよね?」

連休は書き入れ時だろうに、夫婦で来て大丈夫なのだろうか、とふと思った。

「俺も聞いたんだけどね。お父さんとお母さんが、自分たちで何とかやるからたまにはいいよ、って

 送り出してくれたんだって。」

わたしは、彼女の家に遊びに行ったときにお母さんがよく出してくれていた手作りケーキのことを

思い出した。

高級店のケーキとは違うけれど、素朴でシンプルで、ついたくさん食べたくなる味わいだったと思う。

行くたびに違うメニューのケーキが出て来ていたのだけど、いつも手作りだと言っていた。

カフェで、もしかしてあのお母さんの手作りケーキを出しているのだろうか、もしそうだったら、なんて素敵だろう、と思った。

彼は、この金物屋の若夫婦とも

商工会の集まりでときどき会う」

と言っていた。

自分はまだメインじゃないんだけど、あいつらはもう店主として堂々としたもんだ、と言っていた。

その縁でスキーにも一緒に行くようになったらしい。

つながってるなあ。

同じところに住み続けるとは、こういうことなのだろうか。

わたしには、わからない世界だと思った。

幼いころからずっと顔を知っている人と今でもこうして交流を保っているということが、とても幸せなことのように思える。

わたしはたまたまこいつが夢に出てくることから始まって今こうしてスキーに混ぜてもらっているだけで、彼らと同じ地域には住んでいない。同じ世界を知らない。

妻夫木仮名・そいつのこと)はさ」

「うん」

幸せ者だね」

「何、突然w」

「同じ土地で生まれ育つのって、幸せなことだよ」

「そうかな?」

「そうだよ」

「じゃミッチョンは幸せじゃないの?」

「え?」

「なんか、そういう話の流れじゃない?」

「ああ、いやそうじゃないけどw

 でもうらやましいよ、何となく」

「うん、まあその寂しさはわかる。ミッチョン卒業式のときめっちゃ泣いてたしな」

「そうだっけ?」

「覚えてないのかよw」

「あんまり」

「ミッチョンって普段はあまり自分の感情を表に出すほうじゃなかったじゃん。

 それがいきなり号泣だからな。

 小栗っち(仮名・担任の先生)も反応に困ってたよw」

「やめてよ、恥ずかしいじゃん!」

「わははw」

「でも、その割にあんまり皆のこと覚えてないんだよなあ…。

 なんでだろう。」

「あー。実は俺も。」

「薄情者w」

「お前もだろw」

軽い突っ込みにしても「お前」と呼ばれたのが、すごくうれしかった。

距離が一気に縮まった気がした。

わたしも、一応まだ仲間なんだよね?

そうだよ。だから心配すんな。

みたいな変な脳内会話が繰り広げられてしまい、ひとりでにやにやしてしまった。

「ていうか、小栗っちw懐かしいねー」

「元気にしてるんだろうか?」

「相変わらず熱血なのかな」

「ハゲてそうだよな」

「それ当時から言ってたよねw」

「言うとムキになるから面白くてw」

「剛毛はハゲやすいらしいよ」

「それじゃ、やばいじゃん、小栗っちw」

小栗っちは若い男の先生で、かなりの熱血教師だった。

当時から妙に冷めたところのあったわたしは、一度小栗っちから涙交じりで怒鳴られたことがある。

クラスの子達から学級委員に推薦されて、それを辞退しようとしたときのことだった。

もう3学期のことで、めぼしい人はすでに委員をしてしまった後で(学級委員は学期ごとに改選するのがうちの学校の決まりだった)先述のさとしはそのころ生徒会をやっていたし、他にこれと言って人がいないからまあミッチョンぐらい推薦しとくか、みたいな空気を感じ取って「なんだかめんどくさそうだなあ…」と思ってしまったのだ。

「やればできるやつなのに、俺はお前のそんなところが悲しい!」

というようなことを言われた。

子供心に「そんなこと言われても」とか生意気なことを思っていたが、でも小栗っちはいい先生だった。

今のわたしとそう変わらないぐらいの年だったはずだけど、難しい年頃の子どもたちをよくまとめていたと思う。

芋づる式に、いろいろな人の記憶が蘇る。

過去記憶はいつだって甘美で優しい。

なんだか、せつなくなる。

ところでわたしは妻夫木聡のファンではないのだけど、最近、やつの顔に少し妻夫木聡の面影があることに気がついたのだ。

長めのまつ毛と潤いのある目元が特によく似ている。

にこっと笑ったときの口元も似ている。

このところ、妻夫木聡テレビで見ると「どきっ」とするようになった。

「あー寒いマジでやばい!」

とか言いながら、他の元クラスメイトが来た。

平野仮名男の子)と大田(仮名男の子)だった。

当時にぎやかし担当の人たちだったが、わたしは彼らとほとんど接点がなかった。

今日は同行者だからこうしてとりあえず話しかけてきたのだろうけど、正直に言うと話題がない。

妻夫木ここにいたんだ」

「久しぶり。ミッチョン俺のこと覚えてる?」

「覚えてる、久しぶりだね」

「やーミッチョンきれいになったなー」

「え、いや。ありがとう。大田も…大人っぽくなったね」

「ハゲてきてるって正直に言っていいよ、ミッチョン」

「うるせぇよ平野メタボ平野

「まだメタボじゃねぇw」

笑いながら、同じ褒め言葉でも言う人によってこんなに心に響かないものなのか、と思った。

もちろんまだ20代だし、ハゲもメタボも言うほど目立ってはおらず、顔立ちも整っている人たちなのだ。

茶髪日焼けして華やかな格好をしている彼らは多分人目を惹くだろう。

実際、さっきだってゲレンデでよその女の人に声をかけて何だか楽しそうに盛り上がっていたのを見た。

子どものころは大田も平野運動がよくできた子だったし、女の子にも人気があったと思う。

あの

「誰か好きな人いる?」

に、よく出て来ていた二人だった。

でもわたしは彼らと会話のテンポが合わず、話していて何かと気後れしてしまうことが多かった。

彼らが当時「ミッチョンって何となくしゃべりづらい」と言っていたのも知っている。

その流れで、苦い記憶を思い出してしまった。

平野たちのふとした発言がきっかけで一部の女子に陰口を叩かれ、あからさまに仲間はずれにされていた時期があったのだ。

その中に、さっきの金物屋の娘の子もいた。

しばらくして和解できたので、忘れてしまっていたのだ。

なんという芋づる。

「だいぶあったまったし、俺そろそろ行くわ」

妻夫木が言い、立ち上がりながら

「ミッチョンも行く?」

とわたしに声をかけてくれた。

「あ、うん」

と返事をしたときにはもう妻夫木は歩き始めていた。

「じゃ、またあとでな」

「おー」

「またね!」

すたすたと立ち去る妻夫木に、わたしはあわてて着いていった。

妻夫木といっしょにいるほうが、どう考えても居心地がよかった。

背後では平野たちの明るい話し声が続いていた。

大田は知らないが、平野は当時、妻夫木とかなり仲が良かった。

妻夫木やさとしが進学したところとは志望先が違っていたが、受験組の一員だった。

このスキー旅行を毎年企画しているのは平野だ、と妻夫木から聞いた。

「ああ、平野こういうの好きそうだね」

とわたしが言うと

「半分は女目的らしいけどw」

と笑いながら言っていた。

「さっきもナンパしてたね」

「今夜あたり、何か仕掛けるんじゃないの」

「仕掛けるってw」

「あいつそういうの得意だもんw」

と、気がつけばふたりで並んでリフトに乗っていた。

わたしは「高いところに宙ぶらりん」のシチュエーションが大変苦手だ。

だからバンジージャンプは死んでもできない。するとしたら死ぬときだと思う。

加えて、隣が妻夫木だ。

楽しそうに話を続ける彼の横で、わたしは硬直していた。

よほど返事が上の空だったのだろう、

「どうした?」

と少し覗き込むようにわたしの顔を見た。

「なんでもないよ」

笑顔を作って答えたが、その笑顔がこわばっているのが自分でもわかった。

「…いや、なんでもなくないだろ。トイレ?」

「ちがうってw大丈夫大丈夫

「いや、本当にどうした…あっ!」

妻夫木が、何か思い当たる節があるかのように声をあげた。

「ミッチョン、高所恐怖症だったなw」

「いや、あの…はい…」

「わははははw」

「ちょっと笑わないで!揺れる!」

「ほーらほーら」

「いやああああ!揺らさないで!!やめてえええ!!!」

「わはははは…」

もう本当に恐ろしくて、リフトを吊り下げているワイヤーにひしとしがみついてしまった。

すると妻夫木が、さすがにばつが悪そうに

「もしかして、本気でいやだった?」

と聞いてきた。

「怖いです…やめてください…」

と言うと、妻夫木はしょんぼりした。

「ごめん」

「ううん、わたしもごめんね」

「いや、ほんとにごめん」

気まずい。

でもやっぱりリフトは怖い。

なるべく自分がいる場所を認識しないように、上のほうを見るように心がけていた。

「…なんで上向いてるの」

「下見ると怖いもん」

「…ククッ」

「笑わないで!」

「いや、だってお前の格好、おかしいってw」

「おかしくない!」

「おかしいよwなんか怖がり方がすごいもんw」

「あんたに言われたくないよ!」


あとで気がついたが、このときが「お前」「あんた」が復活した瞬間だった。




夕食およびお風呂の後、男子部屋に集まって皆で飲むことになった。

女子部屋からの移動中に

りょうちゃん(仮名・金物屋の子)ち、お店きれいになったんだね」

とわたしが話しかけると、りょうちゃんは気さくに答えてくれた。

「そうそう、旦那がなんかがんばっちゃってさー」

するとさとしが

「すっごいかわいいお店だよ。わたしもたまに行くもん」

と話に入ってきた。

「さとし、いつも抹茶ロール頼むよねw」

「あのロールケーキはすばらしい。○×屋(地元デパート)で売ってほしい」

「何言ってんのw無理でしょw」

さとしがわたしのほうを見て

「ミッチョン、もしこっち来ることがあるなら連絡してよ。いっしょにりょうちゃんのお店行こう」

と言った。

「ありがとう」

とわたしが笑顔を返すと、さとしはにっこりと笑った。

ケーキりょうちゃんのお母さんのお手製なんだよ」

「ああ、やっぱり!」

「なんでわかるの?ミッチョン」

「いつもご馳走になってたじゃん。さっき妻夫木から『カフェもできた』って話聞いて、りょうちゃんのお母さんってお菓子作るの上手だから、もしかしたらそうなのかな、って思ってた」

「ああ」

りょうちゃんは、何かしたり顔でにやっとした。

何だろう、とそのときは思っただけだったけど、後でその意味がわかった。

りょうちゃんは、わたしが妻夫木を「狙っている」と思っていたみたいだった。

「狙っている」というか、まあ確かに大はずれでもないのだけど、なんというか、そういうニュアンスじゃないのだ。

ちょっと違うのだ。

積極的に関係を進展させたいとは思っていないのだけど、でも、縁を途切れさせることなく続けていくことができればどんなにいいかと思っている。

まあ、それが「狙っている」ということになるのならば、りょうちゃんの読みも正しいということになるのか。

男子部屋ではすでに小宴会が始まっていて、りょうちゃんの旦那さんが

「おー!来た来た!女性陣はこっちにどうぞ!」

と、いそいそと座布団を準備しながら場所を空けてくれた。

あとでりょうちゃんに年を聞いてみたら、わたしたちより7歳上の人だった。

部屋は10畳ぐらいの和室で、エアコンストーブでぽかぽかと暖かかった。

「いやー美人揃いだなあwおふたりともまだ独身ですか?」

と旦那さんが早くも鼻の下を伸ばしているのが印象的だ。

「はいはい始まったw」

と、りょうちゃんがすかさず釘を刺した。

さとしは面識はあったらしいが、ちゃんと話すのはこれが初めてだった、と後で言っていた。

「ほら、この子がさとし。ときどきお店に来てくれてるじゃん。」

「ああ!あの医学部の!」

「よろしくお願いしますw」

「いやー!すごいね!才色兼備ってやつだね!」

「ひろし、うるさいよ」

旦那さんの名前は「ひろし」らしい、ということがこのへんでわかった。

「で、こちらは…」

「ミッチョン。小さいころ、家が近所でよく遊んでたんだよ」

「ああ、あの英語が上手だったっていう」

「いえwよろしくお願いします」

「ふたりとも頭がいいお友達なんだな。お前バカなのにな」

「ひろしには負けるけどね」

りょうちゃんwとりあえず乾杯しようよw」

「あ、ごめんね、こいつがバカなもんで」

「もういいからw」

というふうな感じで、せわしなく繰り広げられる夫婦漫才を残りの5人が遠巻きに鑑賞しつついじる、という流れが出来上がった。

さとしを平野に取られてしまい、ひとりで所在なくぼんやりしていると

「楽しんでますか?」

と、妻夫木が横に座ってきた。

「うん、りょうちゃん夫婦おもしろいねw」

「ひろしさんがムードメーカーだから」

「でもこの集まりって不思議だよね。皆もともとバラバラのグループだったのに」

「ああ。さとしは俺が呼んだんだよ」

「そうなんだ」

平野がね」

と、妻夫木はちらりと、平野とさとしのほうを見やった。

「さとしと会いたがってて」

「どうして?」

「さあ…。いろいろあるんじゃない?」

「男同士でそういう話したりしないの?」

「しない」

「そういうもんかなあ」

「うん」

大田が乱入してきた。

「ちょっとミッチョン!飲もうぜ!」

「大田お前大丈夫?w」

大丈夫大丈夫!はいミッチョン!」

と、大田に紙コップを渡されて並々と清酒を注がれた。

「あ、ちょっと!大田!」

妻夫木がふいに焦ったように声を上げて、瓶を取り上げてしまった。

わたしはなぜかわからないけど、とっさに「妻夫木を安心させなきゃ」という気持ちが働き、あえて

ありがとう。いただきまーす」

と明るく宣言して口をつけてみた。

あーあー、という顔をして、妻夫木がわたしを見ている。

そんなに焦らなくても、わたしは実はお酒には強いのだ。

妻夫木はそれを知らないから「清酒をいきなり女に飲ませるのは危ない」ぐらい思って焦ってるんだろう、とそのときは思った。

それにしても清酒は普段あまり飲まないものだけど、ひとくち含んでみるとなんだかとてもおいしく感じて、一気に飲み干してしまった。

「あー。これすごくおいしいねー。どこの銘柄なのかな?」

本心からしみじみとつぶやくと、妻夫木と大田が驚いた顔をしてこちらを見ていた。

「ミッチョンって、お酒強いの?」

と大田がおそるおそるといった様子で尋ねてきた。

「まあ、それなりにw」

と答えると、ふたりは顔を見合わせて

「それなりに、どころじゃないよなあ…」

「ミッチョン、なんかイメージ変わったわ」

と大田が半笑いでつぶやいた。

どんな可憐な(しかし誤った)イメージをわたしに持ってくれていたんだろう、と思った。

一通り話をして大田が立ち去った後、妻夫木に聞いてみた。

「女の人がお酒好きなのは、よくないのかな」

「え?なんで?」

「大田、引いてたし」

「ああ、気にするな。あいつ未だに異性に変な幻想持ってるやつだから」

「でも妻夫木もびっくりしてたじゃん」

「ああ、俺?」

「うん」

「いや、俺は…」

「何?やっぱりよくない!?」

「いやいや、そうじゃなくてw」

「何?」

やや酔っていて、しつこく絡むように聞いてしまった。

「いや、だからね」

「なんだよー」

「いや、うれしいな、って」



あっ、と思った。

このお酒妻夫木が持ってきたもので、妻夫木のおうちはもともと醸造所から発展した会社だ。

「ほら、ほんとにうまそうに飲んでくれたじゃん。

 やっぱり、作り手としてはね、うれしいじゃない」

さっき飲んだのは、妻夫木のおうちが作ったお酒だったんだ。

そして

「あー。失敗した…」

とかぶつぶつ言っているのでよく話を聞いてみて、もっとすごいことを知った。

妻夫木は今、若い人向けの新商品を開発する部署で働いていて(これは前から知っていたんだけど)、実は今日、販売直前まで来ている試作品のような販促品のような、まあそんな扱いのものを持ってきていたそうだ。

それを黙って周りの人間に飲ませてみて、反応を見てみたかったらしい。

「俺んちの酒ってわかってたら、みんな多分気を遣ってよく言ってくれるだろ。

 でもそんなの、おもしろくないじゃない。

 黙って飲ませて『うまい!これどこの酒?』って言わせてみたかったんだよなw」

そのために隅っこに隠しておいたお酒を、酔いどれの大田が見つけ出して勝手に飲み始めてしまったのだった。

でも最後のほうは、もう抑えきれない笑みがこぼれていた。

妻夫木はうれしかったのだ。

事情を知らないわたしが、図らずも思い通りのセリフをつぶやいてくれたことが。

わたしは、なんだか胸がわくわくして、たまらなくうれしくて満ち足りた気持ちになった。

妻夫木にぎゅーっと抱きつきたくなった。

妻夫木は、すごい。

妻夫木、かっこいいよ」

と、背中をばしばしと叩いた。

「は?」

妻夫木は、本当に立派な社会人だね」

「なにそれw」

「うん、かっこいいよ」

「わけわかんねぇw」

「こんなにおいしいお酒を作ってる妻夫木は、すごいやつだよ。

 自慢の友達だよ。

 もうたまんないよ。すごいよ」

と、ほろ酔いの頭で語彙がうまく出てこないもどかしさを感じながらも、一生懸命わたしは感動を伝えた。

妻夫木は目を細めて

「おう。サンキュ」

と、わたしの頭をがしがしと撫でてくれた。

それが今回の旅行で一番思い出に残っている出来事だ。

妻夫木はすごいやつだ、と思った。

そして、わたしみたいな平凡な人間と仲良くしている理由が、よくわからなくなったりもした。

妻夫木は、わたしの何がよくて友達でいてくれてるんだろう。

我ながら卑屈だなあ、と思ったけれど、こんなことを考えていると、妻夫木に誘われたというさとしの笑顔が、小学校のころの羨望の念とごちゃごちゃに混ざって、頭の中に霧がかかっているような、すっきりしない重たい気持ちになってくる。

さとしを誘いたかったのは、平野だけなのかな?

さとしみたいな子だったら、きっと妻夫木とも釣り合うんだ、とか意味のわからないことを思った。

こういうことをうじうじと考え込んでいる自分がとてもいやだ。

さとしだって、こんなふうに思われるのはきっと迷惑だ。

そういうことを考えたくなくて、今は仕事をとにかく頑張ることにした。

妻夫木みたいにすごいことはできなくても、自分なりにやるべきことをきちんとこなし続けていたら、いつかはこのもやもやも晴れるかもしれない、と思ったりしている。

次はいつ会えるのかな。

休日はひとりで過ごすことが多く、あまり人を誘うことがないので実は誘い方がよくわからない。

自分から誘ってみれば、何か変わるのかな。

2009-01-07

言いたいことも言えないこんな世の中じゃ@中流

上流は自分達でいい思いしてるんだろうけどさ、

下流はなんだかんだで甘やかされる。

結局損をするのは中流ばかり。

非モテにしろ、派遣にしろ、

鬱屈した不満のボルテージをどんどん上げているのは他でもない中流なのだと思う。

一番目立たず、一番口を開かない。でも数だけはいる。という層。

クラスで例えれば、

優等生,イケメン⇒上流

普通      ⇒中流

問題児,劣等生 ⇒下流

一人では優等生ほどの力は無く、

さりとて補習のようなサポートを受けられるほどおちこぼれてもいない普通層。

一番割りを食ってる層だと思う。

今、そういう人たちの不満が、かつてないほど溜まっているんじゃないだろうか。

格差社会とはいうけども、問題の根っこは目立つ下流なんかじゃなく、目立たない中流にあると思う。

2008-12-23

http://anond.hatelabo.jp/20081223204643

それが理由で悔しけりゃ子供作ればいいじゃん。

子供「作らない」ってのは、色々デメリットあんだよ。

「作れない」なら、子供を作って育てる上でのデメリットを「自分なら」で考えられるだろうから、

ある程度受け入れられると思うけどな?

もちろんそれは承知してます。

ただ自分生理的、心理的な理由もあって、子どもを産むという選択は考えられないんです。子育てできるとも思えないので、老後資金とか人生設計子どもを持たない方向性で設計しています。

受け入れられていないといえば確かにその通りかも。

でも、現状「産まない人はオカシイし、ないがしろにされて当然」みたいな価値観がおかしいと思ったのでこんな文章を書きました。

子供作って助長するかは分からんけど、自分の周りでは別に子アリ=手放しでもてはやす事はない。

DQNだったのに子供できたら真っ当になったのもいれば、

優等生だったのが一気に「うちの子一番」なDQN親になったのもいる。

ただ、親戚中でその子しかいなかったら、子や親がDQNでも、そりゃもてはやすだろ。

増田さんのまわりの子持ちさんはまともなんですね。

親戚中でその子しかいないっていうわけじゃないですよ。従兄弟のとこには3人も子どもいるし。

それくらい心に余裕持ってやれよ。

お前の家の次の世代だぞ、そいつら。

んでもって、色々頭くんなら、叱ってやれよ。

叱ってますが、更生される様子ないですねえ。変わらずサルみたいに騒いでいるだけだから、将来はDQNかも。

家の次の世代つっても、姉は家を出て行った人なんで、もし私が結婚すれば家の名字は消えますから。都会の核家族なので家を存続させるという意識もないです。

http://anond.hatelabo.jp/20081223204643

そりゃ、相続だの利権からんだら子供アリが有利で当たり前だわ。

それが理由で悔しけりゃ子供作ればいいじゃん。

子供「作らない」ってのは、色々デメリットあんだよ。

それを全部受け入れた上で作らない事を選択するべきだし、

「作れない」なら、子供を作って育てる上でのデメリットを「自分なら」で考えられるだろうから、

ある程度受け入れられると思うけどな?

子供作って助長するかは分からんけど、自分の周りでは別に子アリ=手放しでもてはやす事はない。

DQNだったのに子供できたら真っ当になったのもいれば、

優等生だったのが一気に「うちの子一番」なDQN親になったのもいる。

ただ、親戚中でその子しかいなかったら、子や親がDQNでも、そりゃもてはやすだろ。

それくらい心に余裕持ってやれよ。

お前の家の次の世代だぞ、そいつら。

んでもって、色々頭くんなら、叱ってやれよ。

今だけだぞ、厚生できるの。

叱ってやれるような関係になったら、利害関係なんてどーでもいいって思えるようになっから。

2008-12-21

http://anond.hatelabo.jp/20081221165045

FF6は良い作品だとは思うが、どうも悪い意味優等生的な感じがする。

作品の神度でいえば5や7のほうが上だと思うし(特にFF7リアルタイムプレイした世代にとっては革命だった)、

FF6の直後に出た怪作ライブ・ア・ライブのほうが今でも印象に残ってる。

あと、セリスって18歳で将軍とかありえなくね?

あと5-7歳年齢を引き上げるべき。

2008-12-20

http://anond.hatelabo.jp/20081207223944

東方イベントとかでさ、マナーが悪い悪いと嘆くのは良いんだけどさ、だからって「俺たち優等生が迷惑してる」っていう理屈は変だと思うのよね。メジャーになるってそういうことじゃん。そういうライトユーザーが増えることによる聖域汚染って、税金みたいなもんで避けるのは難しい。

これはうすうす思ってた。別に同人に限らず、マイナーからの脱却を目指して黎明期から活動を続けてきた人間はいざその思いが成就した途端、

フリーライダーライトユーザー存在を予期できなかったかのように嘆く。あれってどういう精神構造しているのかずっとわからないままで居たんだけど同人世界でもあるのねそういうことが。

2008-12-19

http://anond.hatelabo.jp/20081217155611

女はラクが出来て羨ましいらしいです。を書いた元増田です。

温かいほっこりなさせてもらえるコメントから、耳に痛いドキっとするコメントまで、いろいろ考えさせていただきました。

愚痴だらけとのコメント、ごもっともです。

言い訳させて貰えば、日頃の感謝の気持ちまで書き続ければ、ただでさえの長文が更に収まりがつかなくなりそうでしたので極力、割愛しました。感謝の気持ちは本人に伝え、ついつい身の内に湧き上がってしまう傲慢な気持ちの方だけに集中しようと思いました。「苦労自慢になってるよ」というコメントには、普段、自分が毛嫌いしている「私が不幸なのは全部他人のせいなのよ!ぷんぷん!」的な考えにいつの間にか陥ってしまっていたと、気づかされました。

また、男性男性があるが故の苦労については、日頃はてな周辺でよく目にしているので、私があえて触れる必要もないかなと思ってスルーさせていただきました。

愚痴だからこその増田じゃないか。

身近な人にこぼしたら、それは「あまやかしてくれ」「がんばってるって認めてくれ」ってそれこそただのエゴイズム自己満足。無言の強要

そうじゃないんだ。自分でそんなことはわかってるんだ。

でも、やりきれないもやもやは、どこかでこぼさなければ自分から毒になってあふれてしまう。自分が壊れてしまう。

だからそっと、増田

こちらのトラバコメの通りです。「そっと」なんていう可愛い内容ではありませんでしたが。

加えて、実生活で愚痴れば「そうそう、頑張ってるよ!」と迎合して言ってはもらえるでしょうが、それで溜飲を下げるだけでいいのか自分?と、思うところもあって。甘えたい。甘やかされたくない。どっちも本心で、その両方の言葉増田でなら貰えるのではないかと思って書き込みました。

「反応が欲しかった」という点では、「釣りだろ」っていう指摘を否定できません。

言って欲しいと望んでいた「頑張ってるね」の言葉も沢山いただけましたし、「ラクをしてもいいんだよ」という言葉には「ありがとう。疲れを感じたら、きちんと休みをとってるよ」とお返事させていただきます。覚悟の上でしたが「自分責任だろ」とのコメントにも、まったくもって反論できず、真摯に受け止めたいと思っております。「もっと気楽に要領よく生きてみては?」というお言葉も、普段しっかりと実践しております。食事をおごってもらったり、重い荷物を持って貰ったり…と、「女性であるからこその恩恵」も享受してきましたし、実家で暮らしているのがその典型で、頼れるところに頼ってます。自分に都合良く、そういった部分をカットしたのは、記事の内容がどっちつかずになりそうだったのに加え、女としての…いやいや、「自分自身のズルさ」が現れた結果です。

予想外に文章の優劣までに言及された時には、「うぁ、そんなトコまで注目するんだ」と、感心さえしてしまいました。

更にヒゲアルファブロガーまで釣れたのを知った時は、頭が真っ白になりました。

キター!弾さんストレート。炎上確定

このエントリーを読んで、何を一人で盛り上がっているんだろう、恥ずかしい…と、思っていたのですが、実際に自分の身に起こってみると気持ちがちょっと分かった気がしました。

浜ちゃんに突っ込まれた!

痛い!

ケド、嬉しい!

…みたいなミーハー気分だったのだと思います。

せっかく微妙に的を外してるものの、ありがたいお言葉を頂いたので触れさせて頂きます。

身内には言えない「頑張ってるね」もある

でも、そう言ってもらって、認めてもらったという気持ちになったかな?

なったと思いますよ(笑)

残念かつ幸いなことに、一番うれしい「頑張っているね」は、身内ではなく同志のそれ。身内といえど、どう頑張ったかの理解は同志には敵わない。(中略)

あなたの不幸、それは(元)夫にばかり、そして父にばかり、共感を求めたことではないだろうか。

「同志を利用」することを思い立てば、その同志を通して夫や父と共感できたのではないだろうか。

子供を育てていく、家庭を守っていくという点では、私は元夫を同士だと思っていました。

共通の認識を持って、一緒に頑張って欲しかった。家計が今どういう状況で、今の暮らしを続けていたらどういう状況になるかを知って欲しかった。

「いやいや、でも仕事に関してなら、畑違いの人間から言われても嬉しくないだろ?」って事なら、それでも、やっぱり「素直に嬉しい」と思います。

あぁ、気遣って貰えているんだな…と。

本当の意味で100%理解して欲しいだなんていうのは、さすがに傲慢ですし、無理な話でしょう。

大抵の人間自分経験したことしか実感できない。他の人の苦労や努力想像しかできないものです。

ただ、その想像すらしてもらえない。気にかけて貰えない気持ちが当時は言葉にならず、涙となって流れて元夫をうんざりさせてしまったようです。

そして

身内という共有結合を成り立たせるためには、他者という電子が必要なのではないか。

近しい存在だからこそ、距離感の取り方が難しい。私はこの部分が理解できていませんでした。

さすがはマッチョな人は、難しいことを考えているのだな…と、改めて痛感しました。

よく他のエントリーも拝読しておりますが、奥様に対するリスペクトが綴られていて好感をもっておりました。でも難しい言葉を並べたててないで、素直に「頑張ってるね」って言ってあげればいいじゃん。なんで出し惜しみしてんの?とも思います。

相手をいたわる言葉は、言って言いすぎることはありません。ブログで持ち上げつつ、実生活でも言ってしまえ。このオシドリ夫婦め。

悩み相談に男性は『解決策』を求め、女性は『話を聞いてくれる人』を求める。

そういった感覚の違いが、如実に現れたエントリーだったなと思いました。

それと感情吐き出すだけ吐き出して、慰めの言葉を貰えている内に黙って消えればいいのに、なぜ無粋にも戻ってきているのかというと

http://anond.hatelabo.jp/20081217173857

こちらの方のエントリーレスしたかったが為です。

読んでからしばらく腹が痛い。これはやっぱり男性のせいだろう。それ以外にあなたの怒りの持っていきばはどこにもない。だが、男性であるところの僕はあなた個人のために何もできない。憂鬱だ。


優し過ぎです!!!!

あなたが心を痛める必要は全くありません。世間一般の男性の罪?を、あなた一人が背負って苦しまないで下さい。

あなたは私に何もしてくれなくていい。私は私のやりたいように勝手に生きて、勝手に悩んで、勝手に怒っているのです。他の生き方も選べるのに、それを選ばなかったのは私自身です。私の責任です。

その気遣いをご家族や周囲の人たちへ向けていただくことで、私の前記エントリーは報われます。

どうか私の知らないところで勝手に生きて、勝手楽しみ勝手に笑ってて下さい。

その他、この場では取り上げきれませんでしたが、応援や慰め、お叱りの言葉ありがとうございました。気持ちが落ち込んだときには、いただいたコメントを読み返して励みにしたいと思います。

優しいコメントは瞬間的に心が温まり、厳しいコメント時間が経つにつれ身に染みていくのを感じました。

大人になると、ダメな事を面と向かって「ダメ!」と言ってくれる人が少なくなるので、本当にありがたいと思いました。

そして、最後に。

このエントリーを書いた後、コメントを読んだ後に気付いたことを書きます。

私は「優等生自分」が好きでした。離婚するまで、私は「父の自慢の娘」でした。

今、その地位が揺らいでいるのが怖い。だからニュース一般論に過剰に耳を傾け「父の考えは古い」「世間ではこうだ」と世間的に認められることで、父に認めて欲しかったのだと思います。

父は戦後の生まれで、物も食べ物もない時代を生き抜いてきた人です。幼い頃から新聞配達をして家計を助け、いつもお腹をすかせていたと聞いています。そして右肩上がりの経済成長期に努力すれば報われる。結果が出なくても努力すれば認めてもらえる。といった状況の中で、しっかりと堅実に仕事をこなしていきました。バブル期の世間が『イケイケドンドン』な浮かれ気分の時も倹約を貫き、ゴルフパチンコもせずに質素な暮らしを続け、定年退職した今も「年金受給者の身分で贅沢したら申し訳ない」と、テレビを見ながら細々と暮らしています。

ある時、「母と一緒に旅行に行っておいで」と旅費を負担する提案をしたのですが、母と共に頑なに拒否されました。「気持ちだけで充分」だそうです。結局、その時は折衷案として食事をご馳走することで落ち着きました。

母も幼い頃に父親(私の祖父)の借金を背負いながら、その事を決して語らず、その借金がなくなるまで働き、世間では「いきおくれ」となる年頃まで結婚しなかったそうです。大人になって親戚の人から聞いた話です。

父も母も「男だから」「女だから」という枠組みなしに苦労をし、そしてその苦労を人のせいにするでも、いじけるでもなく、ただがむしゃらに生き抜いてきました。

母は「嫁の苦労」を実体験しているので、私に「結婚しなさい」とは言いません。

私が子供の頃からの事ですが、夫婦喧嘩は必ず父の「誰のおかげでメシが食えると…」発言で終結します。もし両親が離婚したとして。父には当時稼ぎがありましたし、家も父名義ですから家事は行き届かないまでも暮らしていけたでしょう。しかし母は実家にも戻れず、住むところも働くところも困り、文字通りに暮らしていけません。その現実を突き付け、自分に反抗するなら出てってもいいんだぞ。と、意地悪く言う父に母は何も言い返さず。そして父の言い分だけが通る様子を私はずっと眺め続けていました。労働収入を得ないということは、こんなに肩身の狭いものなんだ…と、母の無表情になった横顔を見て育ってきました。どなたかのコメントで「保守的な考えを批判しつつも、本人がその保守的な考えに固執している」とありましたが、根本はこの部分にあるのだと思います。

そして大人になった今、私が母の擁護をすると「出戻りのくせに…」と、やはり突かれると痛いところをバシバシと突いてきます。父は真面目で偉い人ですが、出来すぎ故に弱い立場の人間を遠慮なく攻撃してくるのです。

父も母もどちらも苦労した。安定した暮らしを手に入れるという点において、父の苦労は報われた。でも母の苦労は?と、思うと疑問です。どうして二人とも貧しい思いをして、母だけが弱い立場のままいるのか。それは母が女だからだろうか。その気持ちが前回の必要以上に父を、そして男性を貶める内容となりました。

父の世代は努力が報われたのに、私の努力は報われない!と、いじけた発言をし、その私の努力とは比べものにならないほどの大変な父の苦労を評価をしたくなかったのは。母のことは好きだ尊敬してるいいながら同じ生き方をしたくないと思っているのは。

母の俯き黙った横顔が脳裏に焼き付いて離れないからです。

勿論、しょっちゅうそんな一方的なケンカをしているのかというと、そんなことはなく。週末は必ず二人で買い物に行くくらい仲の良い夫婦です。ただ父が定年退職してからは、顔を合わせる時間が増えたせいかケンカになる事が多くなってきたようで、その時は本当にどうしていいのか分からなくなります。母を擁護すると「出戻り。嫁に行け」と、火の粉がこちらに飛んできます。「父の自慢の娘だった私」は、もう結婚することでしか果たせない。でも私は多分結婚しない。

優等生でいたい自分と、母の横顔。

私はもう父が誇りに思うような娘にはなりそうもありませんが、だからといって無理矢理、父を貶める必要も全くありませんでした。

父にどんなふうに思われようと、父は私の誇りです。勿論、母もです。

これからはケンカになれば引き続き母の味方をしつつも、父の顔を立てられるように、うまくカスガイになっていこうと思います。むしろ孫である私の娘がその役を担っているようです。あと自立も引き続き頑張ります。

前回のエントリーを書いた直後は、答えのない悩みを書いて、私はいったいどうしたいのだろう。頑張るしかないか…と、思っていたのですが、思いがけず奥底にあった他の悩みと、それの解となるヒントを得たような気がします。

とりあえず、出ないと噂されていたボーナスも支給されましたので、両親には日ごろの感謝を込めて何かプレゼントを贈ろうと思います。父には痩せて貰う為にウォーキングシューズとか考えていますが、母は父に輪をかけてシュミがない人なので、本当にどうしようか、それが目下の悩みです。

初めて給料が出たときに花を贈ったら、花瓶にも入れてもらえず枯らされたので、別の何かにしたいと思っていますが…。「何か欲しいものある?」って聞いたら、普通に「洗剤」とか答えが返ってきそうだからなぁ…。

悩みは尽きません。

2008-12-13

http://anond.hatelabo.jp/20081207223944

東方イベントとかでさ、マナーが悪い悪いと嘆くのは良いんだけどさ、だからって「俺たち優等生が迷惑してる」っていう理屈は変だと思うのよね。メジャーになるってそういうことじゃん。そういうライトユーザーが増えることによる聖域汚染って、税金みたいなもんで避けるのは難しい。

それ、吼えているのは同じライトユーザーだけだと思う。創作活動を自ら行うという形で同人に参加している人間の間で

俺たちが迷惑してるから出て行け、なんて言ってる人は少なくとも俺は見たことがない。

ボランティアスタッフでも忙しいという意味で嘆いているのは見たことあるけど、排除したいとボヤいているのは見たことが無い。

アマチュアの有志が集まって行うコミケ趣旨を理解している人間ならその種の人間が増えることが税金であることもちゃんと理解しているし、

マナーが悪い連中が多かったことについても広報活動が足りなかったと真摯に受け止めて反省もしている。

対策が難しいのはその種の"俺たち優等生が迷惑している"と嘆いている層だと思う。一番厄介。

2008-12-07

同人におけるライトユーザー

東方イベントとかでさ、マナーが悪い悪いと嘆くのは良いんだけどさ、だからって「俺たち優等生が迷惑してる」っていう理屈は変だと思うのよね。メジャーになるってそういうことじゃん。そういうライトユーザーが増えることによる聖域汚染って、税金みたいなもんで避けるのは難しい。

東方例大祭)の参加者って、それがもっと大きなイベントになることを望んで活動してきたはず。ライトユーザーの獲得ってその象徴であって、そのことは予測できていなかったんだろうか。「確かに大きくなることを望んでいたけど、こんな形になるのならいらない」なんて後になってから嘆くなよと。おめーらが望んだビッグイベントの成長の成れの果てにそういう無作法者の参加者があるの。予想外かのごとく嘆いている奴が多いのでちょっと書いた。まあ、嘆くのは結構だけど、それを参加者としての自身にも降りかかった課題と捉えず、排除する事だけを考えてライトユーザーを叩くのってどうなのさって話。

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