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2023-06-15

アメリカ弓道

久しぶりに弓道をしようと思って弓道グループに2つ行ってみて気づいたこと。同じようにアメリカ弓道を再開しようとしている人に伝えたい。

弓道には小笠原流とか日置流とかあるのはご存知のとおりだが、全日本弓道連盟がそれを取りまとめて日本では弓道の振興発展に努めている。

一方アメリカ弓道弓師柴田勘十郎氏の影響が強い。

柴田家の弓はそれまで天皇家に納めるほどよい弓を作っていたが、20代目(1921-2013)が作った弓はあまりにもひどかったようである

ソビエト捕虜となっていた時期があり、うまく伝承が行われなかったという話もある)

弓師組合文句を言うレベルであったが、全日から引導を渡された柴田氏は、どういう経緯かアメリカ渡り弓道を広めようとする。

このとき組んだのチベット僧侶のChögyam Trungpaである

https://www.lionsroar.com/kyudo-master-kanjuro-shibata-passes-away-at-boulder-dojo/

欧米認知されていたオイゲンヘリゲル氏の「弓と禅」の影響もあり、スピリチュアル・禅などといった本来弓道とは関係のないものとごっちゃになり、スピリチュアルブームに便乗してコロラドから全米に広がっていった。

そのため現在アメリカでの弓道ZenやSpiritualが前面に推されているものもあり、日本弓道の考え方(武道戦前の体育教育の一環)とは大きく異なるところである

ちなみに柴田氏の伝えたのは日置流尾州竹林派であり、現在名古屋の一部でしか残っていない様子。

三十三間堂の通し矢に向いた射法であり、これまた今の主流の日置流とは大きく異なる。

さら柴田氏がほぼ一人で全米に伝えようとしたため、現実的にはとても指導は行き届かず、アメリカで見られる日置流尾州竹林派と呼ぶのは同じ弓道家としては心苦しいぐらいのレベルのものである

自分最初見学した弓道グループもこのスピリチュアル系で、練習時間ときにいきなり両手の指を合わせて瞑想から始まった。

元々小笠原流自分は習ってきた、というと、参加するならこちらのやり方に合わせなければいけない、と強要してきた。

まともな指導もなく、もちろん日本はいなかった。

追ってアメリカに広まったのが全日本弓道連盟国際弓道連盟であり、アメリカの人たちは「Renmei style」とか「ANKF Kyudo」「INKF Kyudo」とか称していた。

2つ目に自分見学した弓道場もRenmei系の、全くもって日本と見間違うような道場であり、大人になってから日本に来て修練したと思われる六段練士・五段教士普通に複数おり、とても真っ当な射をしていた。

怪しげなスピリチュアルが入ってくることない。

何なら初段・弐段はビデオ審査もやっているようである

ぜひともAll NipponInternational Kyudo Federationには引き続き真っ当な弓道世界に広めてほしい。

これから弓道アメリカで始める人、日本で昔やっててアメリカで再開したい人には、ぜひRenmei系の弓道グループに顔を出していただきたい。



補足:弓道家でオイゲンヘリゲルの「弓と禅」を読んで全くピン来なかったのは自分だけではないはず。

どうやらオイゲン氏は3年ほど阿波研造から教わっただけで、勝手に禅の要素を加えてヨーロッパに広めてしまったようである

https://nichibun.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=736&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1

ちゃん弓道をしているアメリカ人も怒り心頭である

https://www.amazon.com/review/R384AW62GE3A16?&linkCode=sl2&tag=independentme-20&linkId=4a2a7e30a34cd2ab5d0db5f8756e2e3c&language=en_US&ref_=as_li_ss_tl

補足2:まともな尾州竹林派。最初ほとんど押し開かないのは通し矢の影響か。

https://youtu.be/cObCu_cJBH4

https://www.youtube.com/watch?v=u4q4TD-gA7E

補足3:どうしてこうなった

https://www.youtube.com/watch?v=poV7y-U_Dpg

2012-06-25

温故知新とは思いたくない話

自分がやっている弓道は、人類が生み出した武器の原型の一つである弓を扱うこともあり、大昔からの積み重ねが生きている・・・と思っていた。

ところが調べてみると、いわゆる現代弓道は、それまでの諸流派のごった煮に過ぎないことを知った。


大雑把に言えば、日本で最も普及している正面の射法は、行射は本多流体配小笠原流が概ねベースになっているらしい。

勿論弓懸のチョイスや取り矢の有無、身のこなしを「初心者のうちはそれでも構わない」とされる容易なやり方で良しとしているといった、細かい違いはあるみたいだけど。


しか本多流日置流尾州竹林派の射法をベースに、明治年間に生み出されたもの。したがって、現代に至るまで最低でも数百年の人智が生きている他の流派に比べて、本当に体育学的・実用見地から理に適っているのか、素人考えながら非常に気になるところだ。

また体配小笠原男子作法を、女子にも適用する形になっていると聞く。そりゃ女の弓引きなんて昔は皆無だったから、女向けの弓の作法がそもそも存在しなかったという意味では仕方ないんだろうけど、作法としては不自然な気がする。


そういう事情を汲むに、とても「礼射と武射の融合」なんて高尚なものではなく、むしろいいとこ取りをしたつもりが中途半端意味不明な結果になっている、まさしくごった煮と形容せざるを得ないというか。

これは弓矢が昔ながらの竹製じゃないから味わいに欠けるとか、斜面の射法をやたら珍しがるとか以上に、根本的な問題ではないかと思う。


そして皆、意外にそのことを知らず「昔から伝統・・・」などと言っている。

本当にそれでいいのだろうか・・・

2008-06-03

http://anond.hatelabo.jp/20080603125843

九分九厘とは日置流弓道言葉で、弓を引ききった「十分」伸び切った「十分」の一歩手前のことで、ほとんど十分ということを指します。

教えて!goo の回答から引用

 
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