はてなキーワード: 佐々木すみ江とは
なんだかんだいって結婚して子供育てて一人前、とかいう増田にどうしても引っかかった。
こういう差別ってここ40年くらいでかなり薄れてきた印象だったから。何を今さらというか。
40年前は確かにこういうのは、炎上すらしないほど当たり前の感覚だった。
自分がリアルタイムで思い起こせるのは80年代くらいまでだが、
病弱で子供を望めない長男の嫁を姑がイジメて追い出そうとするシーンが初回から最終回まで延々と続くんだよね。
一人前になれない嫁としかみられない姑。いたたまれなくなって家出する嫁。
必死に彼女の居場所を探して連れ戻した長男が、たまりかねて実の母親に言い放ったのは
この鬼姑を演じたのは数年前にお亡くなりになった佐々木すみ江だが、
最近、BSで「ひまわり」に松嶋菜々子のお祖母ちゃん役ででているので懐かしく思い出す。
結婚して子供育てて一人前、というのも視点を変えると、ただの視野狭窄だ。
だって、それをいうなら、バングラデシュで9歳だか10歳でいわゆる少女婚をさせられて
彼女たちが知っているのは「世の中そういうものだ、という地獄」で、その彼女たちの「人権が蹂躙されている」と知っているのはNGOだ。
そして私は、「少女婚の地獄から逃れるのを支援するために、縫製など手に職を付けさせ、経済的に自立させようとしているNGO」を知っている。
NGOは職業訓練を通じて「一人前」にしようとしているんだよ。一人前の価値観が違う。
こういうのは一例で、人生の9割以上は、自分の知らない世界の人々によって支えられているし、自分を取り巻く社会経済は、
見知らぬ人の努力、苦労そして犠牲によって成り立っているかもしれない。
でも、普通は、そういうことを知らなくても半人前だとはいわない。
また、明治から昭和を生きたおしんの世代が知っている母親のロールモデルは、現在とはかけ離れたものだし、それを今の世代が知らないからといって
一人前じゃない、とは誰もいわないだろう。
母だとか嫁だとか、ロールモデルにはまっているかどうかを無自覚に基準にしてしまうのは、
そういうイデオロギー的な主体構成の営みが、良きにつけ悪しきにつけ、婚姻文化を持続的たらしめている証左ではあるけれども
個人的には、ネット空間でいえば例えば、アメブロ的な空間が、あるべき家族像、母親像を再生産して、繰り返し繰り返し啓蒙する場になっていると感じている。
だから視野狭窄に陥らないためにも教養って必要なんだし、それに気づかせるためにも、社会には多様性が必要なんじゃないかね。ネット空間も含めて。