2024-10-03

世界は名もなき誰かの属人性でまわってる。

自分が聞いたことのある話だと、

COBOLで組まれた某大手保険会社保険料計算プログラムは、プログラムや影響範囲を把握しているスーパープログラマ担当しており、保険料金の改定があった場合には、計算方式問題がないかのチェックをすべて担っている。とか。

 

 

通信会社光ケーブル運営担当が、日本アメリカを結ぶ通信回線ネットワーク設定の全体像を把握しており、ケーブル切替時には、すべての回線を二重配線する物理的な準備をともとに戻すためのケーブル配線の切り戻し準備もしたうえで、切替作業をしている。とか。どちらの人物転職市場に出ることはほとんど無いだろう。後者の人は転職しようとしたときに、別の通信会社インフラ担当の人と、同じだよねと意気投合出来てよかったと話していた。

 

 

個別技術については、当人より詳しい人はもちろんいるだろう。それでも「その」現場で「その人」以上に、詳しくて対応可能な人は世の中には存在しない。そんなすぐに代替不可能人材がどの企業にもいる。

例えば、原発対応話題になった吉田所長もそういった人物の一人なのだろう。原発事故がなければ、優秀な技術から所長になった一人の東電社員として現役生活を終えていたことだろう。(もしかしたら再任用で、現場指導をしたりなどしていたかも。)

 

それぞれの現場はの基礎は名のしれた技術で成り立っている。プログラムCOBOLで誰かが読み解くことは可能だし、ネットワークは、設定資料確認すれば、把握することはできる。

そういう人材をどうやって育てることができるのか?

 

 

こういう立場になれる人が、幸運なのか、不運なのかはわからない。当人は楽しくてやってることが多いし、ある一定以上の給与などはあまり求める印象はない。

こういう人はどんな分野にもいることだろう。

 

 

どれだけ世の中が便利になっても、便利さを支えるコアには、必ずこういう屋台骨になるような人がいて、回っているということを忘れないようにしたい。基本的に表舞台ほとんど出てくることはないからね。

一方で、属人性を持つ業務技術継承は、常に課題になってくる。大手製造業だと、式年遷宮方式20年に一度の技術体系全刷新を行うようにして、技術継承をしていると聞いた。50代の定年前の技術職と30代中堅社員でやるらしい。2025年のDX問題問題設定は、技術継承観点として、有用課題設定だったとは思われる。ただし、担当する社員がいなかったのか、継承先の技術者がいなかったのか。

お金払えば解決って問題でもないし、技術継承さえできれば解決でもない。転職市場からたまたま人材ゲット出来たか大丈夫だったもあるだろう。

 

 

ブックマークで、そんな属人性が高くて大丈夫か?というコメントがあったので、反論してみた。「何事もなく継続していること」それだけでもとても大きな価値なのだということに気付いてもらいたいと思って、投稿する。

記事への反応(ブックマークコメント)

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