2024-09-30

ニュージーランド教育制度崩壊する

ニュージーランド教育個性尊重日本のような全体主義的な性質もなく、子どもたちにとって最高の教育システム提供されていると信じてやまない日本人がどうもいるようだが全くそんなことがない話をする。

ニュージーランド義務教育日本とほぼ同じだが、高校課程までが義務教育、と言ってもやめても構わないがやりたければ無条件で受けられる、となっている。

小学校中学校まではおそらくだ勉強が嫌いにならないことや、ニュージーランド社会で生きていくために最低限の教育だけをしているのだろうが、日本教育とは質も量もかけ離れている。

ニュージーランドに来た日本人の多くが子供に対して与えられる教育の内容と質に愕然としているか、「そんなことはないこれこそが子どもたちを真の意味で伸ばす教育だ」とイデオロギー的に信じ込んでいるかどちらかだろう。

ニュージーランド教育は家庭の経済によって格差露骨なほどに現れる。金持ちの集まる学校ほど潤沢な資金で優秀な教師を雇って質の高い教育を施すことができ、貧乏人の学校ほど最低限(必要十分ではまったくない)の教育しか施されないため、貧困が凄まじい勢いで固定化されている。

事実大学に進学する子供殆ど富裕層の子供だ。

などという話はもうかなり昔から言われていることだが、国はもうどうすることもできない現状なのでもうどうしようもない。

いずれにせよ、ニュージーランド教育は、教師子供の間に不可侵の壁が出来上がり、突っ込んだ教育が一切できないために放置せざるを得ない、というのが個性尊重や進んだ教育の正体でもある。

今回したい話は、子どもたちの出席率が90%を下回ると親が国から罰金告訴を受けるかもしれない制度2026年から始まるというものだ。

https://www.nzherald.co.nz/nz/parents-face-fines-for-school-absences-as-families-choose-early-holiday-for-savings/RJHQ74G5FBDMFL2CPPVVG37WA4/

ニュージーランドではスクールホリデー中の渡航費が高いため、少し早めに学校を休んで海外旅行に行く、という人がそれなりにいるのだが、これをやったら罰金になる制度が始まる。

罰金を払って安い航空チケットを買うか、罰金を払わずに高い航空チケットを買うという選択肢になる。

https://www.nzherald.co.nz/nz/politics/david-seymour-says-parents-could-face-prosecution-for-kids-truancy-teacher-only-days-to-end/6BXPJBBQMZGZ7DGPJJ5PTCMAUA/

たこの他にも、学校を15日以上休むと両親が国から訴追を受ける可能性が発生する。これも法律として制定されるので、回避しようがない。

日本から来た親が感じているこの国の教育の素晴らしさの一つに出席しようが欠席しようがあまりとやかく言わない、教育以外の大事なこと(笑)子どもたちに経験させることができるというのがあるのか無いのか私は知らないが、今後こういったことはできなくなる可能性が高い。

これらの制度を作っている政治家デビッド・シーモアというニュージーランド極右政党ACT党首だ。

極右政党と言っても軍国主義者というわけではなく、超保守とでも言えばいいと思うが、この政治家ニュージーランドアンタッチャブルでもあるワイタン条約の破棄も目指していることでマオリから蛇蝎のごとくに嫌われている。

そんな彼が目指しているのは、子どもたちの学校出席率90%だ。そしてマオリ以外からも嫌われることを目指していると言っても過言ではないだろう。

学校に行きさえすればいいのかというとそんなことはないが、この国の問題の一つに半数以上の子どもたちの出席率がかなり低いというものがある。

要は公教育をしっかり受けている子供が少ないというものだ。

そこで親には訴訟罰金をちらつかせることで子どもたちの出席率を上げようと言うのが今回の法律の要点でもある。

とても民主的とは思えないこの制度に対してマスコミはなにかしているかというと特に何もしていない。

おそらく今後ニュージーランド日本よりもいい教育を期待して来る人はいなくなるか、いたとしたら温かい目で残念だったなと言うようになるのかもしれない。

今回のナショナル政権ははっきり言ってひどいの一言であり、全く何もできていない。

しかするとジャシンダ・アーダーン率いるレイバー負の遺産があまりにもひどくてそれどころではないのかもしれないが、レイバーは今の政権いか無能かを騒ぎ立てている。何いってんだと思わなくもないが、実際ダメだと思う。

デビッド・シーモアのせいで私の宿敵でもあるウィンストンピータースが全く目立たなくなってしまったが、彼はやばいときはどんどんと影になっていくので、彼なりの政治センス可能性もある。

デビッド・シーモアはちなみに言うと国民が次の首相になってほしい政治家の一人でもあった。この国の人々のセンスのなさが凄まじい。

そういうわけでニュージーランドに来ることはおすすめしない。

  • ニュージーランド増田だ!

  • ニュ!ニュージーランド増田じゃないか!!!

  • https://anond.hatelabo.jp/20210604085923 https://note.com/nzmasuda/ なんで最近更新してなかったの?

  • NZにもホワイトネック的な層はいるの? あるいは貧困層とはマオリとか移民の有色人種とほぼイコールで、中印などの新興富裕層は存在しないのか?

  • 公教育の出席率を上げるのって何が悪いの?

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