今回はそういった所について改めて整理していきたい。
・上下関係
・ローテーション
・コスト
・フェイズ
昨今は風潮として「同じコストのカードなのにレア度で性能が大きく違うのはゲームバランスが壊れている」という考え方が広がっています。
しかしMTGでは実際に同一性能でコストが全く違う・同一コストで性能が全く違うカードが複数あるわけです。
・ローテーション毎のバランス調整
・拝金主義
まず、ローテーション毎にバランスは大きく変わるということです。
これは単にインフレのみを意味せず、強力なカード群のスタン落ちに伴うデフレ等が実際に存在しています。
またローテ毎に特定の傾向が持たされており、その結果として過去に出たカードの上位互換・下位互換が多数生まれます。
次に、MTGでは他のTCGでおまけとして扱われがちなリミテッドが盛んであり、むしろ誰でも強いデッキをコピペすればいい構築戦よりリミテこそがメインのモードだとも言われています。
リミテッドにおいてはレア度ごとにカードの数が決まっているため構築のような「同じコストで性能が違うならレア度が高いほうだけ入れればいいじゃん」といったことが起こりにくくなります。
この「レア度が高いカードは性能が高い」といった部分が「それぞれが数枚だけ切り札のようなカードを持って試合に望む」といったゲーム性を生み出すことがリミテの売りとも言えます。
リミテのバランス調整が極端に働くと「このカードが何枚もデッキに入るようになるとリミテッドのバランスが崩れるのでレア度を上げる。が、同時に似たような性能のカードがこの色において少なすぎても駄目なので下位互換を低レアに入れる」といったことが起き、その場合は同じパックの中でほぼ完全な上位互換・下位互換の関係となるカードが出ることもあります。
最後に拝金主義ですが、これはもうMTGが商売で作られているのでレアカードめっちゃ強くしてめっちゃ売りたいという話ですが、まあこれはもう商売なんで……はい……。
これについて「2年でカードが使えなくなるからクソ」という意見もありますが、心配ありません。
スタン以外にも下環境と呼ばれる2年以上前のカードも使える環境がございます。
ただしこちらの環境では過去に出た数多くの凶悪カードが猛威を振るうバランスのぶっ壊れた世界となっております。
逆に言えば、そういった凶悪カードの跳梁跋扈を食い止めるために2年毎の制限で邪悪な組み合わせが制限されているのです。
MTGプレイヤーからすれば一度出たカードがずっと使え、同じデッキだけが勝ち続けるのを防ぐのはインフレのみという環境のほうが世紀末に思えます。
MTGの土地システムはいまや古典的なコストシステムとされており一部プレイヤーからは敬遠されています。
確かに、あと1枚分の打点で勝てそうな試合が土地を連続で5枚引いて負けるとガックリ来ますし、土地がずっと1枚2枚のままで試合が終わるとキレそうになります。
ですが土地というシステムが生み出すギャンブル性こそがプレイヤーに状況に合わせて動きを変える柔軟性を問うのだと私は思っています。
今、多くのTCGにおいて「ネットから持ってきたデッキで、同じような動きをするやつだらけになっている」ことが問題視されています。
MTGの土地システムは多くの事故を生み出すことでこのような状況に対してプレイヤーに様々な負荷をかけ真のプレイングを問うていると思います。
また、土地という足枷があるからこそ複数の色を組み合わせた混色デッキがゲーム的に成立するのも事実です。
ハッキリ言って、「デッキの色(クラス)毎に入れられるカードが決まっています」というタイプのTCGはバランス調整とデッキ構築性の間にある難問を全て投げ出した怠惰なゲームのように思えます。
『フェイズはフェイズでしか表現できない効果だからフェイズなのです』
もういっそ理解を諦めてコンピューターゲーム版だけで遊びましょう。
あらゆる状況をコンピューターのジャッジに丸投げしてしまえば楽ちんです。