2021-08-12

二次元世界VTuberの在り方について

VTuber流行により、二次元世界 (2次元) と現実世界 (3次元) の境界が急速に曖昧に溶け出した。

この由々しき事態に一石を投じるべく、一筆認めさせて頂きたい。

まず、二次元世界定義してみる。いわゆる2次元は、アニメゲーム漫画などの創作作品内の世界で間違いない。

作品毎に世界性質は異なっており、現実世界 (3次元) と物理法則社会通念が同じであるとは限らない。

それらは明示されていないこともあり、作者(その世界創造主)、あるいは読者(神視点作品俯瞰)にとって都合の良い解釈が出来る。

それ故、時には「ぼくがかんがえた最高の世界」とも言うべき、現実世界とは切り離された「桃源郷」にも成り得る。

さて、そんな二次元世界を飛び出し、近年流行り出したのがVTuberである

VTuber黎明期(2017年前後)は「本来VTuber」とも言える、キャラクター性、設定を重んじた厳格なバーチャルユーチューバーデビューした。

キズナアイ電脳少女シロ、ミライアカリなどが挙げられる。

VTuberという新たな概念火付け役であった、彼女ら(彼ら)に続くように続々と第二、第三のVTuberが現れた。

ここまでのVTuberあくまキャラクターの延長線上にある存在であり、2~2.5次元世界の住人である

この住人達には、現実世界社会通念は必ずしも通用しない。

一方、その流れでVTuberというコンテンツが儲かると目を付けた企業VTuberも数多く参入してきた。

彼、彼女らは事務所所属という形でタレント化している。

そして最近ではVTuberの普及により、誰もがVTuberになれる状況が発生している。

この流れの中ではVTuberは3~2.5次元世界の住人である

すなわち、この住人達は美麗なイラストの皮を借りた実況者に過ぎず、設定やキャラクター性は担保されていない。

もはや「VTuber」は知名度、あるいはビジネスの道具にまで成り下がり、平気で酒は飲むし、下ネタは喋るし、最悪顔出し配信まで行う者もいる。

これは非常に望ましくない事態である

可愛い、カッコイイ姿をしていながら、現実世界人間性垣間見える、そのギャップを楽しむものもいるだろう。

だが、VTuberと一括りにされる中に2次元3次元存在が混在している。この境界は明確に分かれていなければならない。

これはアイドルの流れに似ているかもしれない。

ずっと昔のアイドル像とは、まさに偶像のものであった。

アイドル人間でありながら、ステージの上であろうがなかろうが、いつでも可愛い (カッコイイ) し、トイレにも行かない。

ある意味2次元世界理想を押しつけたような存在である

しかしながら近年では、そのような孤高かつ崇高なアイドル (特別存在) が「会えるアイドル」にまで一般化し、

もはや一般人とアイドルの垣根が曖昧になってきている(こういっては何だが、その辺りを歩いている一般人の方がアイドルより容姿に優れることもあるだろう)。

脱線した話をVTuberに戻すとしよう。

繁栄した現代VTuberにも、キャラクター性と設定を重んじる、古き良きバーチャルユーチューバー (2~2.5次元存在) も存在している。

そのような「本来VTuber」が埋もれてしまわないように、VTuberという曖昧用語を再定義することが望ましい。

また、覆面配信者 (3~2.5次元存在) と区別されるように住み分けされることも推奨される。

同じVTuberでも、前者と後者では視聴者ニーズが全く異なる。

前者のVTuberには、視聴者あくま2次元キャラクターの綺麗な部分のみを求めている。この点ではアニメオタク向きである

一方、後者VTuberには、視聴者にとってキャラクター性は極論どうでもよく、中の人人間性のみを求めている。この点ではアイドルの追っかけ向きである

狭義のVTuberを再命名するならば、前者は2次元VTuber後者3次元VTuberとでも呼ばれるべきである

最後に、2次元3次元境界曖昧になったこの界隈が正しく区分化されることを願い、ここで筆を置く。

  • 今の企業Vtuber(ホロライブとか)の殆どは前者だろ 対比される後者はアバター文化で、むしろ(元々有名だった)個人勢に多いぞ

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