2020-08-28

キャバクラ面接に行ったらセクキャバだった話

 八年くらい前の話。最近無くなった、テレビCMもやっていた求人サイトで夜のお仕事求人検索して、キャバクラ面接を受けに行った。

 スタート時給5000円。オープニングスタッフ。私の住んでいる地域からは離れた場所にあるけれど、寮完備、一ヶ月は寮費無料お金に困っている人は相談してください、相談に乗ります、と記載あり、他の求人にはこんなこと書いてないのにと小さな違和感は感じたが、webから応募したら、翌日には担当者から電話連絡があった。かなり気さくな人で、夜の仕事経験あります?どこで?そこなら客層悪い地域なんで大丈夫です!ここの地域の方が客層いいんで楽勝ですよ!と言われ、面接を受けに行った。系列店が働く予定の場所と私が住んでいるところの中間くらいにあり、そこで面接することになった。

 面接交通費支給と書いてあった。電車で一時間半はそれなりに遠かった。駅に着いたら連絡くださいと言われたので、連絡したら面接官の人が迎えに来てくれた。太ってはいないが肉付きのいい、パッチリ二重の人だった。貫禄ある。喋り方や立ち居振る舞いがすごく丁寧だった。世間話をしながら歩いて、まあまあ立派なオフィスに入った。店で面接しないのか?と思った。※面接官は最初電話した気さくな人とは別の人です。

 住民票の写しと免許証を渡した。一枚のプリントを渡された。質問がいくつか書いてあった。内容はあんまり覚えてないけど、心理テストみたいなものと、お金恋人仕事家族大事な順に並べてくださいみたいな質問が印象に残った。一番はお金にしたんだよね。

 貫禄のある人の名刺を貰って、普通面接っぽく志望動機や今までの夜の仕事職歴などを聞かれた。履歴書不要だった。アットホームな夜の仕事しか経験がなく、ノルマ必死にならなくて良かったことについてやたら言われた。よかったね。うちの店とは違うよみたいに。

 うちの店は基本待機時間がなくて、オーラスでお客さんに付きっぱなしになる、忙しいよですよ!と言われた。ガラケー電話がかかってきて瞬時に面接官は電話に出た。今面接中でー、うんうん、まだ分からないと言っていた。

 お店の説明が続いて、ここさ、キャバクラにしてはスタート時給いいと思わなかった?五千円だよ?と聞かれたので、そうですね、と答えた。どうしてだと思う?分かりません。服の上からお客さんがおっぱい触ってもいいお店なんだよ、店の女の子はみんなノーブラで働かないとダメなんです、と言われて絶句した。こんな真面目そうな顔でおっぱいとか言うんだ。て言うか、求人に書いてあったことと違う!と思い更に絶句。すると、おっぱい出しちゃう警察ちゃうからさ、だから服の上から、とその人は言った。それは、セクキャバとして申請してないキャバクラに見せかけたセクキャバでは?と思ったが、何も言わなかった。

 何かお金を貯めたい理由がありますか?と聞かれたので、目標額と貯めたい理由を言った。それなら二ヶ月あれば大丈夫!!と何故か元気に言われた。いやー、でもその金額は昼のお仕事では難しいね。君は夜の仕事するにはラストチャンスじゃないかな?年齢的に。前の職場ノルマ無かったらしいけど、経験あるだけ大丈夫需要あるよと言われた気がする。頭がよく回らなかった。スライド式で時給が決まるので、最初の一ヶ月で指名が取れなかったりすると、二ヶ月目の時給が3000円になるらしい。やる気出なさそう過ぎる!

 寮が空いてるか聞いてみますと言って勝手電話をかけ始めた。電話が終わって、一部屋空いてるそうです!どうしますか?今なら一人で住めますよ!普通キャバクラだと思って面接にきて働く人もいますよ!と言われた。

 その場で断ると怖い人が出てきそうだなと思って、少し考えて連絡しますと言った。少しとはどれくらいですか?(面接したのが木曜だった気がする)じゃあ月曜日で。もし断ろうと思ってるなら、今言ってくれて大丈夫ですよと言われたので、働くのはやめにします…と断った。理由聞かせてもらってもいいですか?そんなの、完全に詐欺からと答えたかったけど、普通キャバクラで働きたいと思ったので。と答えた。

 分かりました。でも気が変わったらいつでも連絡くださいね、渡した名刺に連絡先書いてます、待ってますよと言われた。交通費は片道だけくれた。駅まで送ってもらって帰った。

 帰りの電車の中で、一部始終を友達LINEで話した。その友達セクキャバで働いたことがあったから、どう思う?と聞いたら、キスするか聞いた?と言われて、へえええ?!!と思った。おっぱいで頭がいっぱいになって何も考えてなかった。多分キスはさせられる、服の中に手を入れてくるやつもいる、下も触ってくる奴絶対いるよ!!と言われた。

 断って良かった。お金に目がくらんで、一瞬考えたよね。友達に、どうしてセクキャバで働いたの?と聞くと、普通キャバクラでも無理矢理触ってくるやついるし断るの面倒だし、それならお金多く貰った方がいいじゃん!と言う答えだった。

 電車の中で更に冷静になり、寮が一部屋だけ空いてますは多分嘘だなと思った。オープニングスタッフ人足りてないんだろう、どうしてピンク求人に載せないの…。求人サイトに直接、嘘の求人載ってますよと連絡してやろうかと思ったけど、100%私の仕業だとバレそうだからやめにした。これからも、普通キャバクラだと思って面接を受けに行く女の子いるんだろうな、そんなことを考えながら家に帰った。

 翌週、昼の仕事面接を受けて、それからは昼の仕事しかしていない。お金が欲しかった目的(滞納していた国民年金の返済)も終わって、お店がどう稼働しているか気になって検索した。お店に行った人のレビュー日記があり、キスしまくれる、耳舐めてもらえるー!と書いてあった。断って良かった、そう思って名刺を破って捨てた。それ以来検索はしていない。お店の名前を忘れてしまった。

 コロナ禍で今お店は繁盛していますか?絶対に行くことはありませんが。

 

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん