一切のビジネスにならない税収に繋がらないというのは、確かに極端な考えだというのは説明してもらって理解できた。量産体制の中で栽培される品質の高いモノはある程度の市場価値を持ち続けるのは間違いないと思う。
ただ、この場合においても社会的な危険性が排除できるかというとそうは思わない。まず、有効成分の高い品種が日本の気候で育たないという情報は確認できなかったし、大麻の自生力そのものを改良するのが難しいのは間違いないだろう。種子を持ち込めば日本でも改良品種が自生する可能性は十分ある。海外での設備投資をして行われる生産方法はあくまで品質確保と量産体制の為のものだろう。
そしてコモディティ化した場合、違法組織が参入するメリットがないということだが、これはその可能性もあるという程度のものだと思う。仮にタバコの成分がタンポポから取れるとなった場合、違法業者が劣化タバコを生産して正規のタバコが高いと感じている低所得層に売りつけるという事態は容易に想像できる。それをしないのは、実際は栽培コストを考えると商売にならないからだ。違法組織が参入してくるかどうかは、価格設定や需給次第だろう。しかも、違法組織が撤退したとしても、個人での小遣い稼ぎとしての栽培まだ食い止めることはできない。その場合は、品質が保証されない安全性の低いものが流通することになる。組織化された犯罪から個人レベルの犯罪へと変化するだけかもしれない。
別の視点からもう一つ。大麻合法化の問題は、対違法組織、対ギャング、治安、健康だけの問題ではない。
優先順位の上位はその内容で間違いないし、社会システムを大きく変化させるにはそういった喫緊の課題が必要だ。
やはり、大麻を取り巻く事情が日本と海外では大きく違うということを無視しちゃいけない。大麻合法化の議論をしている国では、大麻を使用したことのある人が四人に一人はいるような状況だ。アメリカに至っては二人に一人。一方、日本では百人に一人。海外では、大麻をドラッグとして取り締まるのか、アルコールのように各種法整備で取り締まるのか合理的な手段を選択しなければいけない状況にある。治安と言っても意味は広いから、そういった課題のある状況だからといって安心に暮らせないかというとそうじゃない。そういう意味で治安が悪い訳ではないのはその通り。ただ、対応を迫られていない日本で合法化すれば、未成年使用の規制、運転時の禁止、公共の場所施設での禁止など起き得なかった取り締まりを始めなきゃいけなくなる。そんな馬鹿なことはするべきじゃない。実際、違法大麻の嗜好品としての定着なしに、大麻合法化の議論をしている国は今のところ確認できてない。
大麻使用を個人の権利にするかどうかについても当然社会の現状、影響を考慮して国ごとに決めるもの。ポルノやらなんやら上げてるけど全部国次第では禁止されてるものじゃない。どっかの国でありだからうちもなんて決め方はあり得ない。
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