現在情報系の研究室に所属していて,どの分野に進もうか苦慮している.
なぜ今情報の分野を専攻しているかというと,15歳で情報系に進んだから.
それ以外に理由はない気がする.入るまでプログラミングという言葉も知らなかったし.
これらの分野は恐らく図鑑というものを作りやすい分野だと思う.なぜなら(すでに当たり前だと思っている)事実が多いから.
それぞれのトピックの関連性が繋がっていたとしても,あるトピックを理解するのに,別のトピックを完全に理解していないということが,少なくとも小・中学生が読むような図鑑に求められた記憶がそれほどない.
当時から面倒くさがりで人一倍怠惰であった僕だけれど,そう言った図鑑を読む時間は熱い空白と少々の心地よい疲れがあった.
時間を忘れてというのは言い過ぎでも,暇つぶしに漫画ではなくそ図鑑を選び,隅から隅まで文書を読むことに苦痛を感じたことはなかったし,むしろもっと多くを語ってほしいと思っていた.
何も意識しなくとも,文章の内容が一回読めば理解し,記憶できる.今から思えば,現在では全く味わうことのできない感覚を,小さい頃の僕は知っていた.
一方で,思い返すと15歳から情報学に触れてきて,このような楽しさを感じたことは思い返せば今までで一度もなかったような気がする.
僕が楽しいと感じていたのは,同級生たちと点を競い合うゲームのことかもしれない.
中学生までは,何の苦もなく成績優秀者に名を連ねていたので,そのゲームは好きだった.
入学当初で既に高校数学をマスターするような人もいたし,既にLinuxで自宅のサーバ・ネットワーク環境を構築しインターネットの恩恵を享受している人も居た.
人が知識を習得するときに感じる感覚は人の数ほどあると思っているけども,少なくとも僕は,小さい頃に図鑑を読むような感覚で情報分野に触れることができなかった.
本当にただの一度もないのだ.図鑑を読む時のあの空白と疲労が.
つい先日もプログラミングのアルバイトに応募して,見事に落ちたわけだけれども,何も思わなかった.
オープンソースソフトウェアの公式の「このソフトは〇〇を行う素晴らしいソフトウェアです」の類から始まる英語を読まなくていいのかと思うと,開放感と少しの嬉しさすらあった.
こういうことに気づけた半分は就活のおかげなので,その辺は少しだけ感謝している.
僕の場合は,小さい頃の興味と今の望む生き方が80%くらい一致していると思う.僕は単純な人間だ.
例えば,アルゴリズムのような,「あることを実現するために,いくつも道がある」ような学問は苦手だ.
多分多くの人に誤解されるし,僕自身もよくわかってないけども,植物とか昆虫がどうしてこういう挙動をするのか,というようなことを考えるのは不思議と好きだ.
幼少期,本は好きだけれども,周りと議論ができなかったのが,このような思考をすることになったのに少し関係がある気がする.
親によく言われることだけれども,子供がそのまま大きくなったというのは,僕に関して言えば非常に的を射ている.
さて,タイトルの進路の話だが,本当に途方に暮れている.
現在専攻している分野には,少なくともプライベートをかけてもいいとはつゆほども思っておらず,しかもこのままいけばこの分野の業界に就職してしまう.
奨学金の返済もあるし,親には何かあった時にも経済的に頼るわけにはいかないので,このまま就職してしまうが,3~5年後には学部とはいかなくとも,植物・古生物系の大学院に入り直すという選択肢を考えている.幸い先例というか,その進路をとった人がいるので,話を聞くのも良い.