2024-09-05

官僚待遇安倍政権

政策シンクタンクを事実上失った国|shinshinoharaという記事ちょっとだけ注目を集めているが、20ちょっと官僚経験からするとどう見てもおかしく感じるのでいくつかコメントをつけておこうと思います

もちろん私及び私の周辺のみでの感想なので偏りがある可能性は認めます

二次安倍政権が生まれるまでの官僚は、良くも悪くも「国のこの部分を自分改善することができた」という充実感を持てたんですよ。その充実感があったから、民間に勤めた同級生と比べて給料が低くても、徹夜連日でも、面白くて頑張れていたんですよね。ところが。

二次安倍政権から政治主導の仕組みがスタートしまして。まあ、これは民主党政権時代にできた法律が動き出したんですけど、「官僚政治家の思いつきに従え、従えないやつは左遷だ」という忖度政治が始まったんですよね。しか所詮は思いつき政策問題点を指摘しようと気骨ある官僚は諫言しました。

これは明白に誤りです。

政治主導の本格化は民主党政権時です。

当時のエピソード

民主党議員から「俺に文句言うなら当選してから言え」と怒鳴られる

大臣書類を放り投げ「これを拾うのが君たちの仕事だ」と言い放つ

大臣に直接意見した局長級職員が翌日左遷される

等々枚挙にかぎりがありません。

政治主導の中での無力感は当時の官僚ブロガー記事を読めば良く分かります。(bewaadさんなど(https://web.archive.org/web/20120302172708/http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20100721/p1)。branchさんとかも似たようなこと書いてた気が。ほとんどの方がブログを辞めてしまっていて記事が追えないのが残念)

安倍政権政治主導が進んだという御指摘かと思いますが、安倍政権以前から高級官僚(慣例として局長級以上)の人事は政治次第です(その権力積極的行使するか否かは政治家のキャラクターによる)。政治の側で権力族議員から官邸に移ったというのはあるかもしれませんが、それも民主党政権からですね。

もちろん、現在学生さんにそういったことが伝わっておらず、志望度に影響を与えている可能性があることは認めますが。

次々に官僚をやめていきました。若手官僚も、尊敬する気骨ある官僚が辞めたり左遷させられたりするのを見て「こんな仕事を続けても何のやりがいもない」と絶望して、外資系企業などにどんどん転職していきました。

前掲bewaadさんの記事が消えているので記憶だよりですが、当時の時点で、「待遇悪化から官僚質的低下は受け入れるべき。霞が関ではマニュアル仕事は嫌われるが、質的低下に備えてマニュアルを整備すべき」という趣旨記事を書かれていました。慧眼ですね。

単純に待遇面なんですよ。給与面だけじゃなく、転勤や勤務時間など、民間側の待遇改善に追いついていないのに加え、とても正当とは思えない批判を浴びせられていたのが実情です。

当時の記憶でいうと、官僚なすことはすべて悪化のように報道され、また議員レクなどでもそのように罵倒される日々で、その取り組みが実を結んだだけに思えます

この作者の方は第2次安倍政権責任としていますが、現場経験からすると全く違うのでは?と感じます待遇は変わらないにしても民主党政権下に比べて罵倒されたり差別されたりすることは明らかに減りました。

官僚待遇改善議論をしたいのならそれをすれば良い(適切な給与水準、労働環境など)のですが、その議論安倍政権への批判をごっちゃにしている感がありますね。

ちなみに政策面はともかく人格面では与野党ともにどっちもどっちな感があります。本当に人次第かと。

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