2024-05-06

私はアイドルに、成れたが慣れなかった。

アイドルというと語弊がややあるが、

エンターテイメント性と共に見た目や人格を売りにして商売をする」

という点は同じことを半年ほど体験してきた。

簡単にいうと配信アプリだ。

2次元の見た目に、設定を詰め込んで。

そしてその上で誰かを楽しませる、いわゆるバーチャル存在になっていた。

そういうアイドル的な存在に憧れていて、バーチャルの外見を得られたので、舞い上がって楽しんでいた。

けれど、徐々に、しんどい!と強く思うようになった。

配信プラットフォーム課金圧」

である

YouTubeなどでは広告収入などもあり、視聴するだけで応援になる。

だが、そのプラットフォームYouTubeに例えるならスパチャしか明確な応援方法が無いのだ。

チャットの数や同接数なども含めて、その配信アプリ側が配信者をランク付けするのだが、スパチャ…課金ギフトを送るのが1番大きいスコアに繋がり、無料で出来るものは微量のスコアしかならない。

まり、このアプリにおいては、投げ銭が当たり前の文化なのである

そしてイベントなどではそれが数百万単位で動く。

ファンの方、視聴者の方でも、この配信者にはこれだけお金を投げたらファンランク認定されて、他のリスナーマウントを取ることができる。

まり、少し前のAKB48総選挙などのアイドル文化をより身近にしたようなものだ。

財力あるファンからたくさんの投げ銭をもらって、笑顔ありがとう!と言ってサラリと気にも留めない、豪胆さ、鈍感さを求められる。

私はそれが無理だった。

3万円投げられて、えー!嬉しいー!ありがと!記念にするね!くらいの気持ちでサラリと流す人がアイドルに、配信者に、なれるのだなぁというのが、なんだかやるせなかった。

1000円投げられて、慌てふためいて、ちょこっとランチ出来る額投げていただいちゃったよ…とかしみったれた事を考えるやつはアイドルになれないのだ。

しかも、これがAKB48たちのような1020代前半の金銭感覚もわから子供が、あどけなく応援されてると感じているのならまだ可愛い

けれど、その配信アプリ配信者は大抵はそれなりの大人である

配信プラットフォーム提示したランクイベントの達成のために、一緒に金銭を巻き上げる共犯者成るも同然だ。

今日ランクアップのためにみんな手伝って〜!という呼びかけがどこも飛びかう。

手伝うというのは暗に、金を出してスコアを上げてくれという意味である

AKB48だって一年の大きなイベントである総選挙を、その配信アプリでは毎日しているようなものだ。

人を喜ばせるために、パフォーマンス披露して、その対価として金銭を頂くのであれば良いと思う。

そしてそれならば私も、まだパフォーマンスが足りていないのだと思える。

けれど、配信アプリの一部のユーザー配信者も視聴者も、もう金銭感覚がどこか麻痺していて、月数万円使わせる、使うことに躊躇いもなく、そしてそれで得られるのは認知のみという状況も多い。

私にアイドルのようなカリスマ性がないから上手くいかないのだと言えばそうなのだけれど、同時に、あんな風になりたくないな、あんな風に応援されたくないな、という気持ちがどうしてもある。

狂った世界に適合できるのは狂える奴だけ、それか自分を騙し切れる奴だけ。

狂気欺瞞でお互いに誤魔化しあっていくのがアイドルなのだと、改めて感じてしまった次第である

全然関係ないが、先日、前田敦子が、卒業発表をした柏木由紀の話をした時に

「よく(アイドル)やってられますよね〜」

と言っていた。

お前も過去アイドルとして応援されてて、その応援してくれてたファンの人の気持ちを考えてない鈍感な発言だ、という指摘が飛んでいた。

けれど私はちょっとだけ、おこがましいが前田敦子気持ちがわかる。

アイドルなんて心身に負担のかかるお仕事、よくやってられるよね。

ゆきりん応援の数とか周りにとらわれず、自分アイドル像を突き詰めていく、ある種の努力、ある種の狂気があったからこそここまで出来たと思うので、非難するつもりはない。お疲れさまでした。)

  • りりちゃんですらお金貰った後にパキるって書いてるもんな

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