2024-01-19

うつ文章についての所感

増田を書くとき、大抵「なぜこの文章がこの世に存在する運びになったか」という言い訳から書き始める。

今回もやはり例に漏れない。アノニマスでのダイアリーでご丁寧に言い訳。難儀な性格だと我ながら思う。

うつとは付き合い始めてもう五年近くになるが、未だに自分うつについては何も分からないままでいる。

私の場合は、気候に加えて何種類かの不安や悲しみが同時期に積み重なり、トリガーとなるパターンが多い。

不安や悲しみは自らの努力で解消可能ものから不可能ものまでさまざまだ。

今回もそうだし、五年前もそうだった。

うつについては、それ以外理解できていることはない。ないのだが、最近うつに関して感じたことを書き留めておこうと思い、増田を書くことにした。

未来自分道標になるかもしれないし、ならないかもしれない。これは、私のための文章だ。

新年早々、うつ真っ盛りである

盛りに盛って自己肯定感は低下の一途を辿り、何を言っても、何を考えても面白みに欠ける。独創性もない。何か行動を起こそうにも、冷えて硬くなった脳が軽やかな動きを阻害する。

そうして、「自分はつまらない人間である」という意識から自己肯定感が更に低下する。典型的なうつによる負のスパイラルに陥っている。

おまけに寒い毎日毎日、体の芯から凍りつくような寒さに文字通り震えている。都心大雪など降るなアホたれ。

うつ症状が軽い時期は、アイデアがするすると湧き出てくるものだ。

例えるなら柔軟性のある、水をたっぷり含んだスポンジに近い。脳に少しの力を加えてやれば、まとまりのある言葉簡単アウトプットされる。情報もサッと染み込み、インプットも楽勝だ。

出てきた言葉アイデアには、自信が持てる。整然とした美しさや、鮮やかさに自信が持てる。

力が要らず、アウトプットに不満もない。健康的な思考活動だ。

対して、うつ症状が重い時期の脳は、「凝り固まっている」という表現が適切に思える。

アイデア言葉は頭の中に堆積しているが、脳がガチガチに硬い。硬い脳を叩こうが押そうが、うんともすんとも言わない。

から入ってくる絵や文字情報もろくに整理できず、ドロドロとしていて頭の芯まで染み込まない。

うんと力を込めて、ようやく絞り出された雀の涙ほどのアウトプットは、濁っていて美しくない。

強い力を要し、アウトプットに全く満足できない。これ程不健康で悲しいことはない。

だが、私はこうして文字を書けている。

そして重要なのは、今書いている文章に別段美しさも、鮮やかさも感じないのだが、なぜか心が安らいでいる。

この現象に気がついたのは、ここ数日のことだ。

冒頭からつらつらと書き続けて分かったが、やはり私は難儀な性格だ。

匿名で書く日記ですら書く言い訳必要だと思っているし、「面白みに欠ける」ことが嫌いだ。たぶん発言に「独創性」も欲しいのだろう。

なぜこのような性格なのか。おそらくそれは私の言葉アイデアが、基本的に「自分とセットで社会から評価されるもの」という前提にあるからだろう。

仕事でも、趣味文章を書くときでも、限られた友人同士でしかやり取りしないSNSでも、「自分と、自分発言がどう見られているか」で常に頭がいっぱいだ。そういうシーンでは自分と、自分が発信する表現は地続きのものなのだ

別に私が面白くなくても、独創性がなくても、美しくなくても、実は誰も怒ったり責めたりはしないのだが……そのような自分醜態を、おそらく私自身が一番許していないのだろう。

からこそ、この苦しみはなかなか解けにくいのだ。

だが、気がついた。

自分とセットで社会から評価されるもの」ではない文章は、脳からアウトプットするのがあまり苦ではない。例えば、この増田のような文章だ。

匿名で宙に放り投げる文章は、社会活動している自分からはぷっつりと切り離された存在だ。しがらみや他人の目に囚われない文章アウトプットする行為自由で、とても快適だ。

私の場合は、おそらくこの思考活動リハビリになるのではないか、と感じている。

この活動を起点として、自分が「面白みに欠ける」ことや、自分アウトプットに「独創性」がないことを許す。

自分発言アイデアは、本来もっと自由で快適だったことを、体と頭に思い出させる。そうすれば、次第に脳は元の柔軟なスポンジに戻るだろう。

希望的観測を含むうつ真っ盛りの時期の所感だ。少し楽観的すぎたか

しかし、言葉自由で快適なことを思い出すリハビリなのだから能天気なくらいでちょうどいいはずだ。楽観的に表現できる、ということが重要にも思える。

ともあれ、寒い時期はほどほどであってほしい。願わくば明日の雪は控えめであって欲しいと思う。

暖かい春の訪れを、私は心から待ち詫びている。

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