将棋界のプロ制度には1)「棋士(性別不問)」と2)「女流棋士(女性のみ)」があります。
(https://www.shogi.or.jp/knowledge/world/01.html)
>プロの世界には、現役・引退あわせて230名を超える棋士がおります。 現在は男性しかおりませんが、女性でも棋士になることは可能です。
>棋士になるには、奨励会という棋士養成機関に入ります。 奨励会には一定以下の年齢で、棋士の推薦を受けた人のみが受験できます。
>女流棋士になるには、研修会に入ります。 研修会には25歳以下の女性が入会できます。そこで規定の成績を挙げることにより女流棋士2級となります。
で、1)「棋士」と2)「女流棋士」は全く別の制度ですので区別する必要がありますが、"女性棋士"という言葉は1)「棋士」の女性を指します(現状は存在しません)。
「女流」という言葉が差別的だという意見もありますが、代替案として私が思い付くのは「レディース棋士」ぐらいです。ダメか。
ただ女流棋士という名称は数十年かけて定着したので変更は簡単ではないでしょう。
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またこの手の話題では「女流棋士は女性が奨励会を勝ち抜けないから女性だけのプロ組織ができた」という意見もありますが、これは正確には誤りです。
時代をすごーく遡ると江戸時代には数名女性が将棋を指した記録が残っていますが、明治から大正、昭和にかけては将棋を指す女性はほぼいませんでした(賭け将棋が流行っていた、将棋=ギャンブルの時代)。
それが1960年代に連盟が女性教室を開いたり、女性アマ棋戦を作ったりして女性の将棋ファンが少しずつ増え、1974年に女流棋士制度が誕生します(来年で50周年)。
大山康晴十五世名人は将棋普及面の充実ため女流棋士制度の確立を強く提唱したそうです。
ちなみに1976年に建設された東京・将棋会館の設計にあたって大山名人は女子トイレの増設も主張したとか。えらい。
少し話がずれましたが、女流棋士が出来たときは将棋を指す女性は非常に少なく、棋士と比べるレベルではなかったんですね。
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数十年の時が流れ、昔より女性の将棋ファンは増えたと言っても競技人口としては女性はまだまだ少ないです。特にプロを目指せる小学生(棋士は大体5、6歳で将棋を覚える)。
将棋は早く始めないとプロ棋士は無理。これホント。中学生になって囲碁から将棋に転向しました〜とかないですから。
ただ早熟が正義なのは変わりませんが、誰でも将棋が強くなりやすい時代にはなったと思います。
昔は対面で指すしかなかったのがネット対局や将棋ソフトなど勉強方法は多様化。地方在住のハンデは少なくなったし、将棋を指す友達が0人でも強くなれる。
だから女性棋士も沖縄出身の棋士もそのうち出るでしょう、きっと。
(今日の豆知識:福井県、滋賀県、島根県、佐賀県、大分県、鹿児島県、沖縄県は将棋棋士を一人も輩出していない)
(終わり)