2023-06-22

氷河期はただの不景気産物か?

就職氷河期なんて命名するから不景気のせいで就職難の時期があった」というフレームで捉えがちだけど、

あの時代もっと根本的な価値観世界観の変化に直面してたような気がする。


まず、70年代末までに明治以来ずっとやってきた西洋キャッチアップ型の近代化工業化完了して、

最後の人ボーナスの波である団塊ジュニア世代が成人するまでに労働集約型の工業社会卒業して)

これから前人未踏領域で、あたらしい生き方模索しなきゃならなかった…んだけど、

バブル景気がやってきて、「深刻な話」はふっとび、お祭り騒ぎなっちゃった


でも流石に、激動の昭和も終わり、冷戦も終わって大きな地政学的な変化が起こり、

経済グローバル化が進み、モノづくりニッポンの終わりが予測され、世界工場地位アジア新興国に移っていくようなって、

もう(経済だけでなく生き方全般の)根本的な改革は避けられないかな?と思っていたところで

バブル景気がはじけて、それどころじゃなくなっちゃった

本質的改革どころか、生活を「元に戻す」ので一杯いっぱいの状態


そんな調子で、本来なら80年代初頭から1020年かけてやるべきだった本質的ライフスタイルの変革(経済含む)を

ズルズルと先延ばししていたが、いよいよ誤魔化し切れなくなったのが90年代の後半で、

それが団塊ジュニア就活をする時期と重なってしまった…

(というか、団塊ジュニアが金を払って学校に行く側から「稼ぎ手」なるのが人口ボーナス最後の波で、

その波がおさまっていくのが90年代後半だとすると、重なるのは必然か?)


オウム真理教が終末思想にもとづいてイロイ事件を起こしたり、

エヴァンゲリオン社会現象となるほど大ヒットするのも、偶然じゃないでしょ?

いままで怖くて直視することすらできなかった存在論不安対応せざるを得ない時代の空気を反映してる…


本来なら、働き方改革だの、ジョブ型 vs メンバーシップ型だの、春の新卒一斉採用の是非だの、

標準家庭だの、第3号被保険者だの(働くお父さんを支える専業主婦)といった問題は、

80年代に本気出して考えておくべきだった。

IT化、情報化グローバル化に乗り遅れたのも、明治以来の(自分たち骨身にしみた)工業化社会の延長で

生きていこうとしたせい…。本質的には昭和サラリーマンのまま、マイナーチェンジで乗り切れると思ってたからじゃないの?


そんな大きな変化の(変化の欠如の)シンボルであるような「氷河期」を、単なる「不景気による就職難」みたいに捉えるから

氷河期世代を不幸にした構造がダラダラとつづいて、それが「失われた30年」ってやつなんじゃないかと思う。

  • 違います。新卒一括採用至上主義という構造のせいです。言葉は関係ない。

    • 名称じゃなくて社会構造の問題だよねって話に対して「違います」って書いた上で名称じゃなくて社会構造の問題だよねって言い出すの、氷河期の特徴がよく出てるわ。 環境は変わって...

  • 2000年後半ぐらいに流行った東とか宮台とかあの辺の経済ちゃんと勉強しなかった人文系の人が考えた経済論みたい もうそろそろ何の根拠も意義もない与太話として誰も相手にしなくなっ...

    • 宮台っていうほど経済の話してた? ブルセラと昔はあちこちでセックスできてよかったって言ってたイメージしかない

  • 衆議院の小選挙区比例代表制度の導入→政治改革→テレビ政局の横行が発生して、騒いでいたわりにはものが決められない時期が続いたようには見えた。 バブル崩壊と昭和天皇崩御は似...

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