2021-06-12

作品」という村の先住民の友人の話

私は一介のオタクで、少し前に新たなジャンルにハマった。

何年も同じジャンルをずっと追い続けている状況が続いていた。もちろん充実していたけど、やはり新たなものに触れる毎日は、発見と新鮮な感動の連続で格別にしかった。

その出会いには、1人の友人が大きく関係している。

友人とは、趣味とは全く別のルートで知り合った。仲良くなってから一緒に遊んだ食事をしたりしているうちに、互いの趣味について沢山話し合った。友人は話すことがとても上手かったので、私は彼女世界に引き込まれた。

初めは、もっと彼女の話やその世界を知りたいという気持ち作品CDを購入して聴いた。

数ヶ月なんとなく聴いているうちに、耳に残るようになる。耳に残れば、その音を創り出しているキャラクター、その背景が気になってくる。キャラクターを知るうちに、物語を知りたいと思うようになる。そそて物語を知ることで、「ただの良い曲」「面白いキャラクター」に色がついて立体的になり、追いかけたくなってしまう…というふうにみるみるうちにどっぷりハマっていったというわけだ。

学生の頃以来の感覚だった。何か新たなものにここまで心酔することは今後の人生でもうないだろうなと思っていたから、自分に少し驚いた。

友人は、私が作品に触れたことをすごく喜んでくれた。

今までの作品の軌跡や各キャラエピソード、ただ曲や物語を追っているだけではわからない情報考察も沢山教えてくれた。

しかった。興奮や感動を誰かと共有しながら新たな世界を知っていくというのは、私の今までのオタク人生では無い経験だったから。

作品について知ることも、友人とその作品について話したり教えてもらったりすることも凄く楽しかたから、どんどん吸収した。

吸収するうちに、もちろん私の中での作品世界、そしてそこに登場する「彼ら」…つまり解釈存在するようになる。当然それは、私に作品を教えてくれた友人のものとは一緒ではない。

かなり極端にいえば、解釈違いというものに近い。そのようなものが少なからず私と彼女の間にはある。そう気付いていたけど、気にしなかった。だって視点が違えばそんな違いがあることは当然だから。違っていいから、私は友人と話したかったし、一緒に作品を追いたかった。

からかもしれない。何か全く別の要因かもしれない。単なる私の思い込みかもしれない。未だにわからないけど、ただ私が友人をきっかけにジャンルにハマってから確実に、彼女の私に対する様子に変化が見られるようになった。

毎日のように連絡を取りあっていたのに、彼女からの返信のスピードは日に日に遅くなった。お互いツイッターのTLにはいるのに、交流は減っていった。

もともと少なくない時間を共有していた分、その変化に気が付くのは遅くなかった。

遊びに誘って了承も断られもせず話をそらされたとき、それは確信に変わった。

しかし、間違っても本人に「最近冷たくない?」だなんて聞くことはできなかった。

なぜなら、私はある意味彼女世界を踏み荒らししまたかのような自覚があるから

自分の好きだった作品に後からやってきて、ハマりたての熱量とともに自己解釈をもって作品について話されたりすること。そしてそれは、決して自分の中にあるものと一致してはいないこと。

違う方向性から自分領域に踏み込んできて、作品を見つめてきた時間もかけてきたお金も何もかも自分よりは低いくせに、馬鹿みたいにやかましく話し続けるのだ。

初めは多分、彼女純粋に「自分の好きなものを知ろうとしている」私に喜んでいてくれたのだと思う。自分生活する村のゲストというか観光客のようなものから、そりゃ歓迎してくれるだろう。

そんなふうに客のような存在として扱っていたのに、そいつ住民になると言われれば話は変わってくる。

しかしたら自分常識とは離れたことをしでかすかもしれない。そいつ存在のせいで自分不利益が生まれるかもしれない。

そう考えれば、彼女の態度の変化も納得できる。悲しいけど。

もちろん、これは友人ともう一度仲良くしたくて私自身の行動や言動、そして関わってきた時の出来事を振り返って考えて反省した結果1つの仮説として出てきた原因なので、真実もっと別にあるかもしれない。

それこそ冷たくなった、と私が勝手解釈して実は彼女にそんなつもりは無いのかもしれない。

かに出会ったきっかけはその友人だが、その作品は今は私の人生の大切な一部である。「友人が冷たくなったから」という理由で冷めたり、気持ちが変わったりすることはない。でも、本音を言うなら新情報が出た時、彼女と一緒にその熱を共有したかった。ライブ会場で、並んで興奮したかった。

もう変えられないけど、どうすればそんな未来が叶ったのだろうか。

  • 俺はちょっと増田の言う友人側みたいな立場で、自分のハマってたコンテンツに友達をドップリ漬けた側 (こういう言い方だとスゲー傲慢に聞こえるけど実際俺と会うまで目もくれてなか...

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