2021-02-01

「うっせぇわ」への反応を考える

「うっせぇわ」という曲が話題らしい。

かなり大きなヒットとなっているらしく、ついには近くのラーメン屋にその音が流れだす始末である

その時は、

「あのサビの不協和音とかが聞き手にとって良いアクセントになっているのだろう」

と、

音楽素人風情がもやしを頬張りながら感じた程度であったが、どうやらそれどころではなさげな感じだ。

その現状は

・高い再生

地獄コメント欄

SNSでの煽り

・5chでのマイナス評価

曲名の改変による罵倒

等々々が物語っている。

特に問題となっているのは歌詞らしい。

かなり直接的かつ攻撃的にみえものであり、厨学二年生的な全能感と痛々しさに溢れているような歌詞である

大学生自分ですら「こういった時期あったなぁ」とか少しノスタルジックになってしまった。

歌詞を見る限りは、

いわゆる難関大学卒業した「社会優等生」がルサンチマン拗らせてコンプ発症しました

といった感じのシチュエーションだろうか?

もしくは、

いじめられっ子が内心でマウントをとって自尊心を満たしている

あたりだろうか?

いずれにせよ、自分には歌詞中の人間が

「ちっぽけな自尊心を可愛げのある語彙で必死で満たす、

嘲罵された、あるいはそう思っているだけの人間

であるようには感じた。

なんとなく思うのは、

「この曲に気づいてはいけない」

ということである

内容自体は、尾崎豊amazarashiなどが

若者の苦しみなどを各々の文学的センスに包んで提供してきた「それ」に類似したもの

かもしれない。

しかし、この曲が圧倒的に違うのは

「汚く品のない歌詞

とでも言うべきその短絡的表現、そしてレスバトルでのマウンティングのような直接性にある。

まり相手からすれば

「私を見ろ」

と喚いているだけなのかもしれないのだ。

こうなったらどうしようもない。

同じ土俵に立つ(反応する)時点で相手目的は達成されてしまうからだ。

あとはダラダラと付き合って自尊心の充足を待つしかない。

もし無視しようとしても、あの奇天烈音階のサビと尊大発言否が応でも

「何言ってんだコイツ

とか

「手前よりまともだわ」

とか

「そんな時期だよねw」

とか

反応してしまう。

しかも大抵は相手にとって嘲笑侮蔑となりかねない反応である

共感する人たちからすれば気に食わないものであり、荒れるのは必至だろう。

延焼する野次馬もやってきて、更に注目する人が増える。

どんどん騒音は賑やかになる。

そうして「あの子」は色んな人に見てもらえる。

歌い手の方は歌詞バックグラウンド共感し、若者として歌ったのかもしれない。

しかし、その歌詞一般的な「お約束」を踏みにじるかのような逸脱したものだった。

故にたった今、自分たちはこの曲に踊らされている。

軽蔑し、嘲る位なら無視すれば良かったのに。

自分としては、「してやられた」としか言いようがない。

視聴回数を増やし、広告役として貢献してしまうことで

不本意とはいえ結果的に答えてしまっているのだから

何と思おうが、その喧騒に加担してしまっては誰も彼もが後の祭りなのだろう。

出来れば、この曲が内包しているだろう社会構造的な問題

前向きに考察してくれる人が増えることを祈るばかりである

複雑な気分の日記となってしまった。

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