2019-10-03

大腸カメラ日記

anond:20191002130321

たまたま日大カメラ初体験したタイミング胃カメラ日記を読んだので、私も書きたくなった。

軽い気持ち受診した大腸肛門科レントゲンで、下行結腸が細くなっていると指摘され、カメラをやることになった。

前日用に朝昼晩のレトルト検査食セットを処方された。普通レトルト食品と変わらない味で量も十分だった。

前日用の下剤がよく効き、深夜のうちに数回下した。

当日午前中、2リットルの下剤を飲む。コップ1杯の下剤を10分かけて飲む、もう1杯、10分かけて飲む、水を1杯、5分かけて飲む、でワンセット。これを5セット繰り返す。

寝不足のせいかなかなか効き目が現れず、ラジオ体操したりお腹をさすったりして忙しい。クリニックがポケモンジムなのにレイドに参加する暇はなかった。

3セット目でようやくもよおし、ますます忙しくなった。

13時に、尻に穴の開いた紙パンツに着替え、点滴を入れて狭い検査室に通された。血圧計や心拍計に繋がれ、横向きになってドクターを待った。

ナースが私の腰と肩に優しく手をのせて、ぼうっとする薬を点滴しているから眠くなったら寝てていいですよ、と声をかけてくれた。私もそのつもりだった。

経験したことのある友人たちからも、変な感じはするけど痛くはないと聞いていた。

ドクターは、強い近視の私には顔は確認できなかったが、声が優しく穏やかな雰囲気だった。

いよいよ始まった。

器具肛門を通る瞬間は気持ち悪かったけど、そういうものだと思っていたので緊張もなく乗り越えられた。

そして、カメラが奥に入って、入って……?

「痛ーーあーー!」

声が出てしまった。下腹部が収縮するような強烈な痛み!!

「痛いよね、ごめんね」とドクター

私の呼吸はハッハッと短くなり、手の先が痺れ、口はカラカラになった。目も開けていられなくて、ドクターナースの会話だけがから入ってくる。

「ドキドキしてるね」「すごくドキドキしてますね」「増田さん、深呼吸して」

痛みがマシな隙にフウフウと深呼吸する。ああこの感じ、遥か昔経験したことあるわ。陣痛だ。ヒッヒッフーとかやるべきかな。それどころじゃねえわ。

「あー、これはすごいね。グニグニに曲がってる。ヨッと。うーん、進まないねー。増田さん、体勢反対向きに変えられる?」

術着がはだけるけどもそんなことを気にする余裕はなく言われた通りに体を動かす。ドクターの指示でナースが私のお腹を上へ下へ右へ左へと引っ張る。

お腹の中にカメラ存在感を強烈に感じる。痛い!痛い!力が入ると余計痛いだろうから叫んだりはしない。吐く息とともに「いたたたたたた」となんども漏らす。

お腹の中のものを早く出したい!もう産ませてくれ!やっぱり陣痛か!

痛い箇所があって、そこを過ぎれば痛くないんじゃないか、もうすぐ痛くなくなるんじゃないか、そうあってくれと祈ったが無駄だった。

ドクター休み休みやってくれてたんだと思う。カメラが移動しないときは多少楽になる。でも、奥まで入れないわけにはいかない。

最後は仰向けにさせられて、腹を中から突き破られるような痛みと圧迫感に血の気が引くのを感じながら、ドクターの腸内実況を聞いていた。

「もう一回入れろって言われても俺ムリだわー」

おそらく本気ではなくて、痛みに共感を示してくれているのだと口調でわかった。

で、奥に到達して終わりではなくて、戻りつつ中の様子を診察するのだ。

上行結腸、横行結腸、下行結腸スムーズに進むが、S字結腸に入ると、カメラの前をすぐに壁が塞いでしまう。

腸をまっすぐに伸ばしながらでないと、カメラに何も映らないのだ。

復路も、お腹を押されながら、呻きながらのものになった。

検査後、処置室のベッドでガスを出しながらうとうとした。腹の中のものを産ませろって気持ちが強く、ガスの大きな音も全く恥ずかしくない。

小一時間ののち、ドクターから診察結果を聞いた。

ちょっと意外なくらい、丁寧に説明してくれた。腸のことに詳しくなった。

私は子宮がない。とある病気全摘した。その病気に関連して内膜症がびっしりとできていたため、摘出手術のときに腸側もだいぶ焼いたと聞いている。

子宮があった空間には、S字結腸が降りてきて収まる。そして癒着する。

どんな形で癒着するかは運任せで、私の場合、折り畳まれたような状態でくっついてしまった。

ほとんど完全に塞がれたようになる人に比べると運がいい方だけど、構造的に非常に便秘になりやすい。あと、腸カメラが痛い。

レントゲンに下行結腸が細く写っていたのは、S字結腸が下に溜まって引っ張られていたから。

腸の中は何も異常なくきれい

私は以前に過敏性腸症候群便秘型と診断されたことがあったが、今回否定的という結果が出た。こういうこともカメラで分かるとは知らなかった。

カメラは痛くないものと考えて、ほとんどの人は問題ないと思う。でも、何らかのお腹の手術を受けたことのある人は、私みたいな目に遭うこともあるので担当医とよく相談した方がいい。

検査結果の紙に、

3年に一度程度大腸内視鏡検査を受けることを勧めます癒着があることを伝え、上手な先生にしてもらう事。

メモがあった。

上手い下手はともかく、次は絶対全身麻酔にしてもらう。あんな痛み二度とごめんだ。

記事への反応 -
  • 人生で初めて胃カメラ検査をした これは自分の備忘録であり、これから検査を受ける人、怖い思いをしたくない人には向かない内容になります あとすごく長い 結果を言うと、特に異...

    • anond:20191002130321 たまたま先日大腸カメラを初体験したタイミングで胃カメラ日記を読んだので、私も書きたくなった。 軽い気持ちで受診した大腸肛門科のレントゲンで、下行結腸が細...

      • 分かりみがありすぎる。 わたしも標準より腸がねじり曲がったかたちで収まってるとかで、曲がったところを内視鏡で延ばしながら侵入するのが毎回激痛である。 下剤でほとんど出たあ...

      • 触手物のヒロインは大変なんだな。

    • 全部読んでしまった 何事もなくてよかったね

    • 鎮静剤を打ったらすぐに意識がなくなって戻った頃には検査が終わってると思うんだけど、人によるんだろうか。

    • 自分は喉の麻酔だけで口から2回ほどやったことがあるけれど、検査する人の上手い下手で苦しさがまるで違うのがわかった。最初の時は喉は痛いし胃を膨らますために何度も空気を入れ...

    • 私は、鼻からやって死ぬ思いをしました。口からのほうが1000倍楽です。つまり、胃カメラは地獄です

    • 上部消化器管に問題がないようで、なにより。おそらく問診で訊かれてる可能性が高いと思うけど、万一、便が細くなってきてるのなら、下腹部の内視鏡検査をおすすめする。

    • 糸くらいの細さでさえ嘔吐反射出る俺は絶対無理。

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