まるわかりノーベル賞2018 においてキズナアイがインタビュアーを務めたことがジェンダーロールの再生産にあたるのではないかと一部の人たちから批判を受けました。私もメディアにおけるジェンダーステレオタイプは気になる方なのですが上記の指摘には首をかしげます。本来この手の指摘例えば
といった形で議論されるべきなのではないでしょうか。N=1 で議論するものではないでしょう。
それにNHKの子供向け番組は私の見る限りにおいてはジェンダーロールによく配慮して作られていると感じています。まるわかりノーベル賞も2017年には鈴木福くんがインタビュアーを務められています。私には特に性役割が偏っているようには感じられません。(ちなみに2016年から始まっているようでなのですが2016年度のインタビュアーは調べられませんでした。)
また、キズナアイさんの受け答えに関しても一部の方から批判を受けていましたが私には彼女はよくやっているように見えました。そもそもノーベル物理学賞は毎回インタビュアーからひどい扱いを受けることが多いです。小林益川の時は特にひどかった覚えがあります。
でもキズナアイさんは違いました。最後まで楽しそうに聞いてくれていました。おそらく量子テレポーテーションのあたりからついてこれていないのですがそれでもなんとか理解しようとして聞いています。もし仮にキズナアイさんが
「えーそんな難しいこといわれても〜〜 アイわかんないよぉ〜〜☆」
みたいな反応をしていたら私もがっかりしたし怒ったかもしれません。でもキズナアイさんは逃げず、最後まで嫌な顔もせず付き合ってくれました。キズナアイさんどうもありがとう。
NHKの特設サイトを見ただけでキズナアイさんを語るのはキズナアイさんにもVtuberファンの人たちにも失礼かな、と思ったので少しみてみました。見たのは人気動画4本です。本来全部見るべきでしょうが時間がなかったのですみません。
特に笑ったのが「体力測定やってみる!」です。体力測定というよりはモーションキャプチャーの限界やモデルと中身の身体バランスが異なる時どう見えるか?みたいな実験になってしまっていますね。中の人は垂直跳びをしているようなのですがキズナアイは飛べずに妙な動きをしています。唐突に「…これ飛んでいますか?」「…わたし飛べないんですか?」「…なんで(垂直跳びを)いれたの…。」と虚空のスタッフと会話を始めてなんとも笑えるし、親近感が湧きます。中の人がなんとなく見えているのがVtuberの魅力の一つなんでしょうね。
感心したのが「あんな声やこんな声で話題の声ゲーに挑戦」です。これは音声入力で遊ぶゲームプレイ動画です。「動物の声」などのお題に合わせて遊んでいきます。動画中程で「セクシー」というお題が出てきました。普通ならここで「男性ファンへのサービスタイムかな」と思うところです。でもキズナアイさんは「なまたまご〜〜♪」「たまごかけごはん〜〜♪」とセクシー台無しなワードで迎え撃ちます。私はこれをみて「なるほど、女性ファンが多いわけだな」と感心しました。おそらくキズナアイさんは抜群のバランス感覚の持ち主なんですね。動画を見ている様々な人たちを配慮していて、笑いとセンスで誰にも嫌な思いをさせないようにしている。ギャグも基本的に一人ボケ一人突っ込みで誰も傷つけない。この辺りが信頼を集めているのかな、と思いました。
動画を見た後はずいぶんイメージが変わりました。キズナアイさんは「熱狂的なファンが多い」というよりは「愛されている」「信頼されている」という表現が似合うように感じました。私が連想したのはTwitterのシャープさんです。ちょっと抜けてて、なんだか中の人が見えていて親近感がわく。いつも全力で楽しんでいるように見えて実はいろんなひとに配慮している。抜群のバランス感覚で踏み越えてはいけない線を絶対に超えない。だから信頼できる。私の抱いた印象はこんなかんじです。
もうひとつ、キズナアイさんはいわゆる「男性に媚びたキャラクター」ではないですね。なんといいますか リナ・インバースを現代風にマイルドにした感じでしょうか。
キズナナイ
2016年はインタビューじゃなくて、NHKのデスクによる解説という企画だったみたい https://archive.is/http://www3.nhk.or.jp/news/special/nobelprize2016/ https://web.archive.org/web/20161003191854/http://www3.nhk.or.jp/news/s...
てことは企画の連続性としては2017年開始で現状男女比半々か 素晴らしいなNHK