シューゴ:妙に人気だよな。モブキャラらしいんだが、その割にキャラデが凝りすぎじゃないか?
マスダ:キャラデザイナーの興が乗ってたんでしょうかね。声優の方もいい仕事してくれたというか、ハマり役でしたね。
シューゴ:ああ、『ヴァリオリ』のリ・イチと同じ子か、そういえば。
マスダ:あれ、リ・イチの声に起用したのって、そこで評価を上げたからだと思ってましたが。
シューゴ:オレはそういうエコヒイキしねえから。事務所がゴリ押してはいたが。
第5話
マスダ:おや? これ、シューゴさんにしては随分と不自然なストーリー構成ですね。
シューゴ:オレとしては原作からあるものとはいえ、欠点までそのまま再現するのはどうかと思っているんだけどな。『原作再現だから』は言い訳にならない。欠点は欠点。
マスダ:媒体が変われば表現方法だって変わるのは当然ですが、それでも残したんですね。原作と、そのファンを尊重したと。
シューゴ:それもあるが、どちらかというと当時はオレがクリエイターとしての自意識が枯れ気味だったのが理由だなあ。どうも身が入らなくて、消極的だった。
マスダ:まあ、シューゴさんだけじゃなくて、現場全体が緩いムードでしたよね。予算は過剰気味で、当時スタジオが携わっていたのもコレだけでしたから、スケジュールもユルユルだった。
シューゴ:ただ経営状態を分かっている関係者からすれば、かなりヤバい状態の前振りではあったんだよな。自転車操業でやってきたスタジオが、一本のアニメに金も時間も人手もかけるって。
マスダ:とはいっても、上がコレ以外の企画持ってこれませんでしたからね。仮に状況を分かっていたとしても、現場のスタッフが出来るのは目の前のアニメを作ることだけだったでしょうし。
シューゴ:……オーディオコメンタリーで話すことじゃないな(笑)
マスダ:まあ『ヴァリオリ』で当てて、スタジオが持ち直したからこそ出来る話ですね(苦笑)
シューゴ:今さらだが、キャラクターのリアクションがオーバーだなあ。さすがにちょっと疲れてきたぞ(笑)
マスダ:ここまで休みなく収録していますからね、オーディオコメンタリー(苦笑)
シューゴ:オレはこの手の作品に慣れているが、改めて考えてみると独特なノリだよな。
マスダ:漫画だとそれ位でも丁度いいのかもしれません。アニメだと様々な情報が付加されて視覚から聴覚から入ってくるから、それ目線で観てみるとちょっとクドくなるのかも。
シューゴ:自分でやっといて何だが、いま観てみると構成がちょっと過剰な印象もあるな。常に誰かが喋ってて、サウンドエフェクトやら劇伴が流れ続けている。一部から「音も画面もうるさい」って言われるわけだ(苦笑)
マスダ:この当時のシューゴさんって「間」を作ることをかなり怖がっていた節がありますよね。「絵でも音でも何でもいい、とにかく騒ぐのをやめるな。騒ぐのをやめた時点で視聴者は観るのをやめる」とか言ってました(笑)
シューゴ:言ってた気がする(苦笑) でもプロットが会話主体だからなあ。過剰だと分かっていても、これ位しないとキツいと思っていた。
マスダ:そういえば劇伴についても触れておいたほうがよいのでは?
シューゴ:とは言ってもなあ。いわゆるこういう日常モノって、曲調がすごい似たり寄ったりになるんだよ。
マスダ:ああ、あまり気にしたことありませんでしたが、言われてみれば。控えめで、主張してこない感じ。音源も似たようなものが多いですよね。
シューゴ:一応、これでも工夫はしている方なんだけどなあ。ほら、例えばここ。
シューゴ:そうか……だったらいいや。
マスダ:あ、「観賞用の花が、高嶺の花とは限らないだろ」ってセリフはここで出てくるんですね。
シューゴ:ここかあ。ネットスラングのイメージが強くなりすぎているから、実のところオレも正確な文脈を忘れてたんだよなあ。
マスダ:このセリフ言ったのって今話限りのモブキャラだったんですね。ということは、ネットで出回っている画像はコラか。
シューゴ:使い方もちょっと違うよな。ネットだと「分不相応な扱いをされている対象や取り巻きへのツッコミ」みたいな使われ方だが。行き過ぎた接触を図ろうとするアイドルファンの独善的なセリフで、どちらかというとボケとして使うのが正確なんだな。
『女子ダベ』というアニメがある。 そのブルーレイボックスの特典として、プロデューサーだった父と、監督のシューゴさんによるオーディオコメンタリーが収録されているらしい。 ...
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