2016-02-22

節分もだいぶ過ぎたけど三十路の俺が豆の話をする

前回までのあらすじ

三十路に入って空からぼた餅ひょうたん彼女が降ってわいてマグワイをキメたけど

後ろで流してたNHKBSではプレイ中に映像の世紀が流れてるし、うまくいかないし大変だったという

アポーパイの作り方を書いたほうがいくぶんかマシだ的増田を書いて即消ししたところ

こころやさしきはてなブックマーカーたちに「それ膣内射精障害じゃね?」と言われてはや半月が経とうとしていた。

あらすじおわり


ある逢瀬にて、俺は彼女を自宅につれこみ、およそ読者が期待するようなフェティシズム変態性も存在しないつまらないマグワイに興じていた。

彼女のほうは気にしてないそぶりではあるものの、男子たる俺のほうは毎度死地に赴く覚悟で挿入を果たしているのである

精神的にも器質的にもおそらく欠陥があるので、結局どちらかが疲れたところで見られながら手淫の運びとなるわけで非常にむなしい。

むろんそれはそれで興奮するのであるが、毎度その方向でフィニッシュをキメていくと

「どうせ私より手のほうがいいんでしょう?」と言われかねない。

実際言われた。

そんなことはないというか、そもそもそれぞれの行為で得られる快楽は別物なのだが、

かぶせるように「下のほうのきみは正直だものね」とかいわれてしまうと正直さにさらなるボーナスポイントが割り振られレベルアップしてしまう。

説得力のかけらもあったものではない。

ともかく今回は、ことのほか時間をかけたせいか、前日十数年ぶりに北方謙三三国志を読みなおしたせいかはわからん

彼女の中ではじめて射精に至る性的オーガスムに達することができた。

ところで"性的オーガスム"って表現重複じゃね?

あと、"ことのほか"って見る度に、「ことほの」が連想されて「そうやってうみちゃんをハブるのはよせよ! かわいそうだろ!」って思わない?

ああ、思わないならいいんだ。話を続けていいかな。


めでたく射精できたんですよ。

そう、ちゃんと外に出したしコーラも買ってある

彼女白磁のごとき肌を汚す白濁の軌跡を堪能する間もなく

堪能する間もなく、というより射精した直後、

脳とか脊髄からフワーっとそれまで腰とかを動かしていたエネルギー雲散霧消する瞬間を見計らったように

チャイムが鳴った

「ああ、祝福だ」

彼女氏も「おめでとう!」と手を叩いてくれているし、これは祝福の鐘なのだなと理解した。

ティッシュインターホンの受話器を同時に持ったあげく、マイサンではなく送話口にティッシュを押しつけていた。

抑えるものなく、やむなくこぼれる精液。

受話器から聞こえる防災設備点検作業員悲鳴

祝福された我が家阿鼻叫喚地獄となった。

俺は濡れた陰茎を左手

濡れてないインターホン受話器を片手に努めて冷静を装い

「あ、すみません、5分待ってください。今イきました」

「どっちですか???


そして紆余曲折があったあと、めでたく防災設備点検が終わった。

三十路の薄汚い性欲はもはや満足してしまっているので「今晩米とライスどっちがいい?」とか彼女に聞いてしまもの

彼女氏の若くフレッシュで育ち盛りな性欲はまだ満足していない

誤解を招かぬよう注記しておくが彼女もまた三十路である

ここを引用して「解散」とかブクマをつけると様々なひとが傷つくので一度自分人生をふりかえってみてほしい。

さて、彼女氏もまた、俺のファットボーイスリムでは満足出来ない身体であった。

俺は彼女氏に、自分のふがいないファットボーイスリムでは満足させられないことを嘆いて

過激振動をする人肌ににた樹脂で周囲をコーティングされた水洗いもできる充電式のジョークグッズを買い与えていた

彼女はそれをいたく気に入り、名前までつけて愛用している。

俺がしがないファットボーイスリムなら

そのジョークグッズはさながらダンシングドールといった装いだ、動きも。

彼女はそのジョークグッズに権蔵と名前をつけていた

潰れたアニメ制作会社みたいな名前をつける彼女センスを疑ったが、口にはしなかった。

彼女は俺のいないときのみならず、情事が一段落したあとでも"権蔵"を持ち出した。

俺の名前ではなくジョークグッズの名前を呼んで嬌声を上げる彼女の姿。

それをいまいましげに眺める三十路男の姿。

ジョークグッズから彼女を奪い返そうにも、下半身は祝福を受けてしまっており、明日の夜まで再び堕落はしないだろう。

これほどむなしい情景があるかといわんばかりである

俺は彼女をよろこばせられない自分ほとほと絶望していた。

そして同時に、そのいまいましい自分で与えたジョークグッズへの嫉妬を募らせていた。

これは我が裡に潜む鬼なのだと気づいていつつも、蛮行を止めることはできなかった。

俺は自慰を続けながら敏感になる彼女ニップルをさぐりながら、即興の歌を歌った



ゆけゆけ権蔵 勝利のために

きみは電気と ジョーク使徒

きこえるかこのよろこびの声が

すすめしげみの奥の奥

目指すは闇の下の豆


わりと足癖が悪いという彼女の新しい一面を知ることができた。

俺はかまわずニップルを舌でねぶりながら二番を歌った



ふるえろ権蔵 明日のために

きみは電気と ジョーク使徒

きこえるかぼくらの快哉が

きみは責めるんだ下の豆

上の豆ならふたつある



別れ話になった。

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