2012-08-28

24時間テレビの出演者のギャランティーについて

テレビを見なくなって久しい。今ではいつどんな番組をやっているのかさえよく知らない。だから今年の24時間テレビがもう終わってたことも知らなかった。2ちゃんねるまとめブログで「出演者にギャラはらってチャリティーって言いながらクズばっか」みたいなエントリーがアップされるのを見て、あぁこんな季節にやってたっけなと思い出したくらいだ。昔は僕自身も「へっ偽善者番組がっ!!」などと思っていたがテレビを見なくなってテレビ文化から離れてしまった今となってはそんな怒りはわかなくなった。距離を置いたことで冷静に見られるようになったのかもしれない。

さて、出演者のギャラについてだが結論から言えばこれは悪いことだとは僕は思わない。むしろタレントへのギャラがよくないという意見に若干の違和感を感じる。

番組制作の枠組みとか流れを考えてみよう。ネットで見た意見の中には「募金タレントのギャラに使ってる」などというのもあったがこういったのは誤解であると思われるし。まず24時間テレビに限ったことではなく日本テレビというのは広告主(スポンサー)、放送局視聴者という三つの要素から成り立っている。

広告主】 →資金→ 【放送局

  ↑ 日本テレビ構造 ↓

  購買←【視聴者】←コマーシャル

これに電通博報堂などの広告代理店とか番組制作会社とかあといろいろが絡んでくるわけだけどそれは一旦置いとく。このように日本テレビというのは広告媒体として発展してきたわけだ。ただCMとか流しても見てもらえるわけないか面白い番組を放送してその合間にCMを流すことでコマーシャルの質を高めてる。

さて広告から資金を得て効率よくコマーシャルを流すのが放送局の役目。得た資金を元に「番組」というコンテンツを作らなければならない。コンテンツ面白視聴率がよくないと広告主は資金を出す意味がないからね。コンテンツを作るために放送局製作会社に依頼する。制作会社コンテンツを作るための場所と物と人と企画を用意する。たとえば武道館という場所を借りるにはお金がかかる。タレントという出演者をに出てもらうにもお金がかかる。もちろんこれにかかる費用広告から出された資金を元にしている。こうして番組が作られている。そして番組とともにコマーシャルを流す。24時間テレビであっても変わらないはずだ。24時間テレビでもコマーシャルは流れるよね?(もし流れないんだったらこのエントリー自体の意味がなくなるが笑)

番組制作費は広告から出ている。これ重要。けして視聴者から集めた募金から番組制作しているのではない。

一応24時間テレビサイトから

http://www.ntv.co.jp/24h/contents/how2012.html

募金は全額福祉環境災害活動に使うという方針らしい。(収支報告を出しているかどうかまではわからなかった。)つまりコンテンツ制作にかかる費用は全くの別会計、別の流れがあるということだ。で、問題になっているタレントギャランティーだがこれはコンテンツ製作費に含まれるということになる。「タレントにギャラを払うのはおかしい」というのは何となくわかる気がしながらも違和感を感じていたのはここにポイントがある。コンテンツ制作の流れを見てわかる様に24時間テレビにおける「タレントのギャラ」は「武道館レンタル料」と同じことだ。調べた限り証拠はなかったがたぶん武道館にはレンタル料払っているのだろう。これは人を用意するのと場所を用意するのの違いだけで基本的には同じ費用の類だ。でも今まで見た批判の中に「武道館へのレンタル料を払っているのはおかしい」という意見は見たことがない。あったら教えて欲しい。タレントチャリティーで儲けるなと批判するなら武道館チャリティーで儲けるなという批判もあるべきだ。結局はタレントへのギャランティーの問題は視聴者の「タレントテレビの人」というイメージの問題に収斂するのではないだろうか。タレントコンテンツソフトとして”使われている”だけで本来は放送局と同じカテゴリーのものではない。もちろんそういった「テレビの人」というパブリックイメージを用いて経済活動をしている限りチャリティーのギャラには節度必要という意見はあってしかるべきだとは思う。

たとえば平々凡々な一般人たる僕がチャリティーをしようと思う。そうだ、Tシャツを作って売ってその収益寄付しよう。拙いながらデザインを起こしてTシャツを買い、印刷会社プリント発注する。かかった経費の3掛けで売ろう。なんとか作った分完売交通費や販売に関しての諸経費は考えないことにして収益は全額赤十字寄付した。領収書スキャンしてブログで公開。

さて、批判されるところはあるだろうか?偽善と言われるのはしかたない。だって偽善もの。でもTシャツメーカー印刷会社を批判する人はいないと思う。24時間テレビにおける出演者はまぁこ印刷会社と一緒だ。Tシャツ売るってチャリティーで儲けてるやつらがいるぜ、糞と味噌の区別もできずに批判しているのと同じだ。ギャランティーを支払われるのは批判されることではない。と思う。

最後にはなるが「チャリティー」と銘打ってる限りイメージや収支に関する説明責任とかは大事だ。それは番組の内容にも係わってくるがそれはこの日記テーマの出演者のギャラとは別の問題だ。そしてそれに関しては僕は語る言葉を持たない。

だって24時間テレビ、1分も観てないからねっ。

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