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2024-01-09

anond:20240108235945

続き

苦情処理委員勧告

2022年4月県民からの申立を受けて、2023年8月30日苦情処理委員が県教委へ提出したもの

県民の申立についてと、これを受けて苦情処理委員調査に基づいて県教委へ勧告した内容が記されている。

平成13年勧告

勧告書には、平成13年度(2001年度)に同様の勧告があった経緯についても記載されている。

これに対する当時の県教委の報告書における「今後の方向性」は以下のものであった。

教育委員会としては、 将来にわたって共学化を進めていくという立場に立ちながらも、 本県の数少ない別学校は、 多くの県民の強い支持があること、 各学校主体性尊重する必要があることなから、 早期に共学化を実現するという結論には至らなかった。

女子差別撤廃条約とは

女子差別撤廃条約

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/index.html

女子差別撤廃条約は、男女の完全な平等の達成に貢献することを目的として、女子に対するあらゆる差別撤廃することを基本理念としています。具体的には、「女子に対する差別」を定義し、締約国に対し、政治的及び公的活動、並びに経済的及び社会的活動における差別撤廃のために適当措置をとることを求めています

条約は、1979年の第34回国連総会において採択され、1981年に発効しました。日本1985年に締結しました。

条約全文

https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/joyaku.html

勧告根拠としている箇所は以下。

10

締約国は,教育の分野において,女子に対して男子平等権利を確保することを目的として,特に,男女の平等を基礎として次のことを確保することを目的として,女子に対する差別撤廃するためのすべての適当措置をとる。

(c) すべての段階及びあらゆる形態教育における男女の役割についての定型化された概念撤廃を,この目的の達成を助長する男女共学その他の種類の教育奨励することにより,また,特に,教材用図書及び指導計画改訂すること並びに指導方法を調整することにより行うこと。

内容についての所感

勧告要旨の1点目について、確かに条文では男女共学奨励しているが、その目的は「教育の分野において,女子に対して男子平等権利を確保すること」とある

半世紀前の世界女子教育機会が限られていた時代の条文であり、県内外に共学別学さまざまな選択肢がある現代埼玉県において、この条文を根拠目的が達成されてないと主張するのは無理があるように思う。

勧告要旨の2点目について、管理職教職員の男女格差是正必要だが、共学化に結びつける論拠には乏しい。

男女別学との因果関係はあるかもしれないが、この目的で共学化を主張するのは論理が飛躍している。

他にも勧告の詳細では他県の状況などを列挙しているが、いずれも共学化の主張を補強するに足るものではないように思う。

市民団体「共学ネットさいたま」(清水はるみ代表

埼玉県高校の共学化を推進する団体

埼玉県男女共同参画推進センター主催するイベントに毎年出場しているらしい。

紹介文を見るに20年以上の歴史があるようだ。

第21回 With You さいたま フェスティバル出展参加団体紹介

https://www.pref.saitama.lg.jp/withyou/event/report/r4/21th_fes_dantai02.html#kyougaku

代表者氏名 清水はるみ 会員数 100人 所在地活動拠点) 鶴ヶ島市

2001年9月私たちは「埼玉県内のすべての公立高校男女共学に」をめざして、「共学ネットさいたま」を設立しました。

2000年3月に「埼玉県男女共同参画推進条例」が施行され、「男女混合名簿使用」と「別学校の共学化」を求める市民からの苦情申し立てがなされたのを契機に、共学化の運動を推進していく市民運動母体として、様々な活動に取り組んできました。


前述の平成13年勧告が契機だという。

WebサイトSNSアカウントなどは存在しないようで、どういう論拠をもって共学化を推進しているのかはわからなかった。

10月12日に提出したという要望書も見つからず、公開されていないと思われる。

団体名・代表者名で検索すると、ジェンダー平等の各種活動への賛同者として登場しており、苦情処理委員への申立者と同じ論拠で共学化を推進しているように見受けられる。

他に共学化推進の活動をする団体情報は見当たらなかった。

浦和高校同窓会意見書

12月1日大野知事日吉教育長に提出されたもの

7項目に渡って勧告書の問題を指摘し、主にダイバーシティ観点から別学の意義を主張している。

5番目の項目では勧告書の矛盾恣意性を指摘している。

女子別学を肯定するのか否定するのか、文脈が判然としない記述である

勧告書の共学化勧告は、私学にも向けられる内容であり、少なくとも触れられて然るべきである

しかし、本勧告書はこの点に目をつぶる。私立の別学までは関知しないという姿勢だろうが、首尾一貫しない主張に見える。

7番目の項目は簡潔に一文のみで、勧告書の無茶な主張を一蹴している。

最後に、埼玉県高校管理職教職員格差等については、県教育行政問題であり、今回の共学化とは趣旨を異にするものである

内容についての所感

勧告書の問題点を指摘し、別学の意義を理路整然と説明しており、おおむね納得できる内容に思える。

ただ部分的には根拠に疑問があり、特に6番目の項目はやや感情が先走っているようにも見受けられた。

別学出身者とりわけ男子は、社会に出ると、定型化された男女の役割という概念から抜け出せず、社会生活に支障を来す、あるいは四囲に悪影響を与える等、問題が生じるとでもいうのであろうか。もちろん、そのような調査結果などはなく、そのような実情にもないというのが一般人感覚であろう。

今日においてこそ、高校教育における別学の有用性が認められ、再評価されるべきである。別学の存在意義は誠に大きいものといわなければならない。

オンライン署名

12月20日に開始。発起人は浦和高校関係者在校生卒業生とそれらの保護者)有志とあり、県内の別学・共学の高校がずらりと参画メンバーに名を連ねている。

この署名趣旨は以下の2点のようだ。

現在1月8日)時点で1万5千を超える賛同者が集まっている。

Change.orgサイト内とX上で賛同者のコメントを見ることができるが、対象の別学在校生卒業生以外にも、共学出身者や県外出身者など広い層から賛同を得ているようだ。

内容についての所感

特に2点目の情報公開については強く賛同するところだ。

賛同者のコメントの多くは当事者および社会への影響を懸念するものであり、理知的ものであるように見える。

特に関係者以外からコメントは実感のこもった真摯ものが多く感じた。

一方で首を傾げるコメントもそこそこ見られるのが気になった。

勧告書の内容や経緯を誤認しているもの卒業生個人的な思い出のみを根拠感情的に反対を叫んでいるものなど。

中には何故かLGBTQやフェミニストを敵視・蔑視対立を露わにするものもあり、ナンバースクール出身品位矜持もないものかと残念に感じた。

そもそも議論の出発点や経緯が共有されてないようにも思えるので、署名説明勧告書と意見書リンクでもあればいいのにと感じた(今回私がこの記事を書くことになった動機)。

全体所感

勧告書の主張は根拠に乏しく、到底賛同を得られるものでないように思える。

しか勧告書が提出され議論俎上に載せられた以上、正しく議論が行われるべきである

浦和高校同窓会の提出した意見書、およびオンライン署名活動は意義あるものだと思う。

署名が受け入れられて議論が公になり、理性的で公正な判断がなされることを願うばかりだ。

また今回の運動は他県の共学化にも影響することとなりうるので、特に他県別学校関係者にも注視してもらいたいと思う。

 
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