2020-12-03

鬼滅の刃を蹴ってさらざんまい放送するテレビ局ってめちゃめちゃ尖ってるよな?

ちょっと前にゴシップ誌だか痛いニュースかに

フジテレビ鬼滅の刃(一期)の製作に関わることを断っていたという記事投稿されて

はてブでも「だからフジテレビは駄目なんだ」と例の如くパプリックエネミーFNNを叩いて勢に浸る遊びが開催されていた。

でも2019年の春クールフジテレビ放送されていたアニメってワンピDB以外だと「ゲゲゲの鬼太郎」と「さらざんまい」なんだよ、覚えてるか?

無期限の長期放送に入ってるワンピDBと定期的にリブートすることが伝統と化しているゲゲゲを除けばフジに空いている枠はノイタミナしかない。

そのひと枠に天下のジャンプ連載の勧善懲悪ヒーローアクションものを蹴って幾原邦彦オリジナル企画を選ぶというこの選択かなりぶっ飛んでるし、

プロデューサーより上にある程度理念みたいなものがないとやっぱできない気がする。

ウテナもうっすらそういうテイストあるけど、ピンドラから始まる21世紀幾原邦彦作品って「規範に潰される若者」の物語なんだわさ。

長男から」とか「強くならなきゃ」とか「先輩だから」とか「欲しがるばかりの奴は」って言葉ですり潰されそうな奴らが物語の中心にいる。

マクロ視点での善悪否定登場人物個人ミクロ感情肯定していく。そして最終的にそういう奴らが互いを理解し融和していくことで救済される。

例えるならサイコロ先輩のジレンマとか獪岳の苦悩に目一杯フォーカスを当てて、

彼らを「そうだよね君らにだって少しも慈愛がないわけじゃないし、不真面目なわけでもなかったんだ」って抱擁するのが幾原作品世界観だと僕は思う

ネットにおけるフジテレビは雑に言って「体育会系のノリでコミュニケーション弱者嘲笑文化を持っている」「軽薄で流行りに乗っかるしか能がない」というイメージで取り扱われている。

が、しかノイタミナは「連ドラのようにカジュアルに楽しめるアニメを」というマイルドヤンキーに向けた方向性を打ち出しながらも、

出版社業界力学オタクカルチャーゲームマンガラノベ等)のトレンドに左右されず、独自の指針に沿って型にはまらない企画を発表し続けてきた。

からこそオリジナル企画も多く、ただの深夜のアニメ枠でしかない「ノイタミナ」がブランドとしての意味合いを帯びてきたのだ。

視聴者と変わらない普通な現代社会で生きる、エリートでなければ超人的な能力も持たない平凡な人間叙情主題にした「あの花」は、

とらドラ」でその萌芽を見せていた超平和バスターズスタイルを完成させたとともに、アニメ純粋ヒューマンドラマを展開するエポックメイキングになった。

PSYCHO-PASS」は倫理観倒錯する未来ハードボイルド調に描いたディストピアサイバーパンクの秀作として10年代象徴する一作となった。

四畳半神話体系、ピンポンつり球といったメディアミックス作品ではなかなかお目にかかれない斬新な映像表現を打ち出した(それでいてストーリー構成にもそつがない)作品もなかなか実現は難しかっただろうしノイタミナでなければあそこまで好意的に受け取られただろうか?と思う。

「冴えカノ」や「DIVE!」のような「ラブコメ」や「スポ根」モノでさえ少年誌ライトノベルテンションから一歩引いたような独特なオフビート感がある。

これもノイタミナというフレームの影響にあると思うのは考えすぎだろうか?

個人的に次期の「2.43」がハイキューとどう差別化を図ってくるかにすごく興味が湧いているし、実のところ「ノイタミナ放送されているアニメ」然とした物が見られることを僕は既に期待してしまっている。

ノイタミナはなんとなくだが、社会から弾かれた者や、秀でた物がなくうだうだする若者に優しい作品が多い気がする。無邪気なラブコメヒーロー物を避け続けた結果なのだろうけど、そこが僕にとっては安心材料になりつつあるのだ。

話を戻すとして、

まずフジ鬼滅の刃を断った背景として、近い時期にジャンプアニメ放送が集中していたことが大きかったのではないだろうか?

周知の通りワンピDB放送しつつ、更に19年冬にはネバラン(一期)を放送していたので、19年春に鬼滅ということになると流石にジャンプコンテンツに偏りすぎるのではと危惧されたということがあり得なくもない。

日和見主義ゆえ、鬼滅の奇抜な作風グロテスク描写拒否反応を示した」というような粗雑なコメントニュース記事では散見されたが、ノイタミナでは過去鬼滅の刃と同系統の「甲鉄城のカバネリ」の製作積極的に関わっていた。故にジャンプ掲載される程度にはマイルドなこの作品を渋る理由としては考え辛いのではないだろうか。

追記

キャロル&チューズデイの存在をすっかり忘れていたことに気がついた。キャロル&チューズデイは19年4月から9月までの2クール放送されていて、鬼滅と丸被りしているので、邪推するならばこの代わりに鬼滅の刃放送されていたかもしれない。

まあとどのつまりそんなことどうでもいいんだけどね。

あいう未熟者が成長して真っ当に何者かになろうとする話は気持ちいいよね。

キャロル&チューズデイはアニメの中でも一際丁寧な作品だったと思う。音楽のこだわりもそうだし、渡辺信一郎さんといえばといった感じのスペースオペラ調のロマンに溢れた雰囲気も流石だなあといった感じだった。

まあこれは観るの中断してそのままになってるからあんまりわかったようなこといいたくないけどね。

実のところ+Ultraの存在自体すっぽり忘れてたんだけど(Great PretenderとかBeastarsみてたのに)、ケモノ物やわりかしハードSF物とかそういうのが多くて、ノイタミナとはまた違った形で硬派の作品を増やしていく感じがして面白いと思う。

  • つまりさらざんまいは電通と繋がってるってこと?

  • さらざんまい、普段アニメ見ないけどなにげなく夜中にみたら面白くて最後まで見た。

  • 蹴ったのかとれなかったのか

  • クソトラバ承知で言うけど、ドラゴンボールの放送は2018年の3月に一旦終わってる。(BSでの再放送は未だ存在するが増田の口振りからいうと日曜朝の枠のことであろう) その後は鬼太郎、...

  • >尖ってる ちょっと字が違う、劣ってる

  • 1月に入ってから1週間以上が過ぎもう成人の日の連休中だが昨年自分が書いた増田の中で気になったものをまとめておきたい。 僕は他人に自分の話を聞いてもらいたくて増田を書くこ...

    • 「湾曲的」みたいな面白ネットスラングを書いちゃう人がこんな長文を量産しちゃうというのがはてなのおもしろいところなんだろなとおもう。

      • 誤字や誤用を「スラング」と表現する増田も大概だがな。 「歪曲」って書こうとしたぐらい文意から察せられるし、それがわかってなかったなら読み手の読解力にも問題があるだろう。

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