2023-11-17

日本エンジニア給料が安いのは安く働いてくれるから

以下でエンジニアと書いてあるのはソフトウェアエンジニアだと読み替えて欲しい。

自分エンジニア出身日本会社経営をしている。

最近エンジニアの間で海外エンジニアをやれば簡単年収2000万に到達できる的なブログがバズっているが、ここで疑問になるのはなぜ日本エンジニア海外に比べて給料が安いのか。

色々理由はあるが、第一に大きいのが「海外ではエンジニアになるのにはコンピュータサイエンス学位を持っているのが前提だから」という点。

もちろん野良で独学してエンジニアになっている人間一定数いるが、固定観念としてエンジニア=CS学位を持っているというのはある。

ということで必然的に一国のエンジニアの平均的な技術力は高い(技術力とはなんだという話はあるが)。

日本だとどうも大学という存在が軽視されていて、スキル等を獲得する場所ではなく就職予備校という側面が大きく、大学での専攻と卒業後のキャリア対応けがめちゃくちゃだったりしている。

そんなわけでエンジニアと名乗っておきながらやっている仕事マークアップ言語コーディングしていくだけで、知的生産なのか?というような仕事を主としている人間がかなり存在する。

どうしてこんなことになっているかというと、日本のものづくり業界歴史としてバブルの時期にハードウェア関連で国が伸びてきたという経緯があり、ハードウェア会社が強く、ソフトウェアハードウェアプラグイン的な捉え方がされているため富士通のようなSIerと呼ばれるシステム導入を主要事業とする会社が後から伸びてきた。

SIerシステム導入をすることがゴールであり、現在のDevOpsとは真逆で作ったら終わりのビジネスモデルなので(メンテでフィーはもらうが)、少々話が飛躍するが結局SIerコーディングに興味がない。

日本国内でのハードウェア産業の勃興とソフトウェア立場の弱さ、SIerの台頭、大学の軽視など様々な力学が働いて結果としてエンジニア給料他国に比べて低いと個人的に考えている。

じゃあ日本エンジニア給料を上げるにはどうしたらいいんだって話になるわけだけど、極論として全員安い給料コードを書かなければいいと思う。

ペラペラLPを作るのだって最低500万を積まなければければやらない、サイドバーボタンコンポーネント1つ差し込むのにも100万円払わななければやらない、みたいな。

まあ急にそんなことはできないんだけど、漸進的にこれをやる方法は1つあって、USなりの物価の高い国からオフショア案件を受ける。

そうすれば自然給料の高い仕事エンジニア流れるので、日本国内のエンジニアが全員オフショアエンジニアになれば結果的に平均的な給料が上がる。

日本経済としてそれはどうなんだろうとは思うけど、近視眼的に日本エンジニア給料を上げるというのを解決するにはこのくらいしかない。

オフショアという形を頼らずともVCマネーで生き生きとしているベンチャーエンジニア給料を高くしてるけど、これはあくま局所的な話であって日本全体のスコープで考えたら結局産業構造というものに向き合うしかないと思う。

自分自身エンジニアだったしOSSにもコミットしたりそれなりに開発できる人材に敬意は持ってるけど、それでも安く仕事してくれるなら給料は安めにしたい。

なぜなら会社の口座残高がゼロになったらゲームオーバー(=倒産)なので、削れる人件費は削りたい。自分会社エンジニアを抱えているけど事業を回すためにも世間並みの給料ではある。

経営者視点では日本エンジニア安くて最高。

今後も安く働いてくれると嬉しい。

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