2020-11-21

弊社のクソ面倒文化を紹介

ケーブルストリッパーという物がある。手のひらに収まるサイズの小さなニッパーのような道具だ。

業務ビニールコードの被覆を剥く必要があり、従来使っていたソレが壊れたので新しく購入する必要が発生した。

amazon検索すれば出てくる500円くらいのやつだ。必要ならポチればそれで終わり。

検索して注文完了まで5分も掛からないし届くのに3日も掛からないだろう。本来ならばね

弊社でこれを購入する時にどういう手順だったかを紹介。

amazon禁止

 amazon通販会社へのアクセス遮断されているのでオレンジブックなどを駆使し品物を見つける。

 

過去購入履歴確認

 社内の物品購入履歴システムから過去同様の物品購入があったかを探す。これが面倒で品名が同じとは限らないのだ。

 例えば今回のケーブルストリッパーなら

 「ケーブルストリッパー」「ケーブルニッパー」「ワイヤーストリッパー」「ケーブル工具」

 「ケーブル用工具」「ニッパーケーブル用)」などなど、

 登録者が好き勝手名前を付けるため正しい品名かも分からないし、品名ではなく「CS-01W」みたいな型番だったりすることもある。

 ここで見つかればそれを購入した購入履歴No.を一旦メモしておく。無いなら無いで構わない。

 

上司への説明

 上司に対して「この商品がこういう理由必要である」と説明

 従来使っていたものが壊れた場合「何故壊れたのか、使い方に問題は無かったのか」を説明

 何年も使っていたものであれば一応「老朽化のため破損」で通るが、

 1年程度で壊れていた場合は「修理は出来ないのか、すぐ壊れるなら同じものを買う必要はないのではないか」が来る。

 壊れてなくても予備工具で購入する場合は「なぜ今あるのにもう一つ必要なのか」を説明、どうにかして説得する。

 

商社への見積もり

 商社2社に対して相見積もりを出す。翌日~1週間後くらいに見積もりが届く。

 大手メーカー商品場合amazon価格より安いこともあるが、

 今回のような安くて構わないケーブルストリッパーのような工具の場合高くなる事もある。

 amazonで500円だったが商社見積もりは1200円くらいだった。

 

⑤購入申請書類

 購入申請書類を書くが、これが2種類ある

 エクセルの購入申請書類手書きの支払い申請書類だが、この2種類の書類に書く内容はほぼ同じである

 エクセルには「品名、見積もり商社名、見積り金額、購入理由見積もりpdfへのリンク」を記入し

 手書きには「品名、型番、見積もり商社名、単価、数料、合計金額、②の過去購入履歴」を記入する

 何故エクセル手書きで別れているのか不明だがそうなっている。

 

⑥購入申請書類の提出期限

 購入申請書類締め切りが毎週月曜日の正午なので、過ぎると翌週に回される。

 

⑦購入申請書類の流れ

 購入申請書類上司課長部長承認を経た後、購買部が動き出す。

 

商社の入札

 商社からの入札で購入先が決まる。申請から発注を行うまでに1~2週間掛かる。

 

発注

 発注後1~2週間で商品が届く。

 

使用前にやること

 ケーブルストリッパーは【刃物である。取扱説明書が無いことを上司問題視する。

 「だ~か~ら~~~!間違って指切っちゃったらどうすんの!!?」だと?

 しかし取扱説明書など無い、そもそも500円で買える程度の小さい道具にいちいちそんなものはついていない。

 

メーカー使用方法確認

 メーカーに取扱時の注意点を確認する。取扱説明書は無いそうなのでわざわざ作ってくれるそうだ。

 1週間後、商品画像吹き出し付きで「取り扱い方法使用上の注意点」のPDFが届いた。

 多分エクセルで作ってPDF出力したやつだ。

 

使用マニュアルの制定

 メーカーから貰ったPDFを元に

 「社内で使用する場合の注意点、起こりうる事故対策等」を追記した後

 上司承認を得て社内サーバーマニュアルフォルダに保存し、部署内にメールで展開する。

 

使用講習会の開催

 ケーブルストリッパー使用者を集めてマニュアルとともに使用説明会を5分くらい開催

 

使用開始

 さあ!使用開始だ。ここまで来るのに1ヶ月位かかったね!

 

めんどいね、馬鹿馬鹿しくて寝たくなる。余計なことに時間と頭使う無駄な感じがものすごく嫌だ。

ああ分かるよ、こういう手順を踏むことで不正を防ぐだとか合理的理由があるとかだろ?

でも実際こういうのやらされるとホント疲れるんだわ。

 

 

 

[追記]

既存工具の再購入なのに何故改めて取説説明会が必要か?

今回のケーブルストリッパー場合、前回購入が10年くらい前だったので

当時不要だったはずの取説が今回は必要になったという次第(上司の気分だったり仕事アピールだったり…)

そして取説が新しく出来た事で「実際にコレどう使うんだ」ということで説明会。(ただしみんな使い方を知っている…)

「耐切創手袋着用してください。ここを握ってください。ここは刃があるので触れないよう注意してください。

では実演します。このようにケーブルの被覆を剥きます。」みたいな感じ。

(近年厳しくなった刃物取扱ルールのせいで手袋着用なんてあるが、実作業ではやり辛くて誰も手袋付けない…)

  

申請書類が二種類ある理由は本当に不明誰も知らない

  • すでにある工具を買い直すだけなら、使用方法の説明会は省けないんだろうか この手間のうち、いくつが、「過去にアホがやらかしたせい」なんだろう

  • すごすぎる。。。

    • いや、ごくごくフツーやで?

      • そっかー。 それなりの給料もらえるならこんなとこで働くのも悪くないね

        • 取扱説明書は備品の誤った使い方をさせない為 怪我などのリスク抽出、購入理由の正当性の判断、2社見積でのコスト比較とどれも問題性は無いことだな ただ500円の物に対して妥当かど...

  • 備品はオマエの所有物ではないからだし、なぜかオマエは会社の備品あつかいなので勝手に行動させて損傷させるわけにはいかないからだよ!(なぜかキレ)

  • ふぅ〰︎〰︎〰︎ゾクゾクするぜ! 前の人たちのやらかしが酷かったんだな

  • これは、地方公務員の3倍ぐらい面倒だな

  • 既存の備品の買い直しだから説明会は省略。取説も省略。 同等型番の洗い出しと工具の故障理由の説明で済む案件では?

  • 大企業だろうが中小企業だろうが根っこは日本企業

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