2020-10-11

精神障害者精神科で働く時

僕は、精神障害を持ちながら、精神科仕事に関わろうとしている人間だ。メンヘラがそんな仕事をするなとか、そもそも精神障害者は害悪だとか、逆にそういう人だから患者さんの気持ちを汲めるとか、いろいろな意見があるが、取り敢えずそういうのは一旦置いておくとして、僕が仕事に関わる時に心がけていることをここに書き記していこうと思う。後で読み返してまた気付きが得られるようにという目的も含めて。

一番注意していることは、患者さんの前では僕は医療職の一人であるということだ。僕がいくら手首が傷でズタズタで、パニック発作抗不安薬OD気味に飲んでなんとか抑え、今にも道に飛び出してトラックに轢かれるか目の前にあるビル屋上から飛び降りようかしそうな希死念慮どん底の鬱がある身体を引きずって歩いているとしても、患者さんの前では僕は一人の医療職であって病者ではない。僕の具合が悪いからって医療提供の質を下げることは許されない。僕の状態がどうであろうとその事実は変わらないのでそこは忘れてはならない。最近抗不安薬を飲み足し飲み足し行っていて、自分のことで精いっぱいでこれを忘れそうになる。自戒

注意していること2つ目、自分の苦しみと患者さんの苦しみが同義である勘違いしないようにすること。患者さんが僕と同じ病気にかかっていたり僕と似たような逆境(虐待いじめ不登校無職など)を体験していたりすると、安易に「あ~それわかります、つらいですよね」と共感してしまうことがある。いやもちろん患者さんの苦しみに共感的傾聴をすることはとても大事なのだが、安易共感は危ない。なぜなら同じ病気の人が同じ苦しみを抱えているとは限らないし、似たような逆境体験からといって全く同じ体験をしてきたわけではないからだ。僕の生い立ち、家族関係、友人関係問題の背景、経過は患者さんのそれとは違う。患者さんの話をしっかり聞かないと、僕の体験を元にその人に介入してしまうなんてことになりかねない。簡単共感できてしま患者さんのケースこそ、自分との距離意識的において扱わないといけないのかもしれない。

そして注意していること3つ目は、自分のことをよく理解しておくことだ。自分患者さんとの境界曖昧だとたいてい良くないことが起きる。まず、僕が患者さんの感情に引きずり込まれる。自殺未遂して入院してきた患者さんを診た時、ああ僕もああやって自殺したいなという思いが頭から離れなくなり、かなり調子を崩した。患者さんとの間には必要十分の距離をとらないといけないのだ。そして、自分のことをよく理解しておかないといけないのは、お互いの間に望ましくない感情が生起した時に最善の対処をできるようにする必要があるからという理由もある。患者さん→医療者に生じる感情としては、いつも優しい言葉をかけてくれる医療者を患者が好きになってしまったり、逆に患者さんが医療者にトラウマティックな人(虐待してきた親、DVしてきた恋人など)の像を投影して医療者を攻撃してしまったりというものがある。まあこれはよくあることなので医療者側も容易に気が付くし、やんわりと「恋人関係にはなれないことになっているんです、ごめんなさい」と諭したり、時間を要するが医療者は敵ではないことを伝え続けたりできる。厄介なのが医療者→患者さんに生じる感情であるとある患者さんの言動が僕に不快感を与えるものだったりすると、たとえそれが精神疾患によるもの/生い立ちからどうしようもないこと等をわかっていつつも患者さんの言動が嫌いになってしまうことがある。しかもこの感情自分ではなかなか気付きにくいときている。医療者側からあなたのことは嫌いです」「あなたのやっていることは悪いことです」という姿勢患者さんに伝わると、治療信頼関係は崩落する。だからこの気持ち自分でもしっかり気付いていないといけない。僕は患者さんと向き合うと同時に、自分自身とも向き合う必要があるのだ。

でも、精神疾患を持った精神科領域医療者ってどうなんでしょうね。許されないことなんですかね。迷惑なんですかね。僕にはわかりません…

  • 迷惑だよ それがわかんないあたり患ってんな

  • そのご指摘の()の中の凄惨な中身に踏み込める人間なんてなかなか居ないから病んだりするんでしょうね

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