プチ炎上した一回目の動画はただ単に噛み合ってないだけのお笑い動画に思えた。
しかし、二度目の朝倉と塩田のコラボはひどいというほかなかった。
朝倉はいつもの朝倉節で本気か嘘かもわかりにくい舐めプドッキリから入った。
後半の塩田の動画は大量の特典と豪華な肉を用意して朝倉を歓待する、というへりくだりようだった。
しかも、肉の前後には朝倉に合気道の秘伝技を伝授し、祖父の塩田剛三と縁を持つ刃牙の作者、板垣恵介を紹介するという接待ぶりだ。
問題は舐めプの朝倉ではなく、腰が引けまくっている塩田の方だ。
彼は朝倉に対して、敵にも愛を、という本質から外れた愛を語った。
当たり前だが実践派で路上の伝説の朝倉がそんなふやけた言説を聞くはずもない。
愛がどうのこうのはまともにやりあった矢地と朝倉が言うぶんには問題がない。
祖父の塩田剛三なら一度手合わせしてわからせてやろう、程度はかましたはずだ。
あの動画を見て少なからず直感的に意見した人がいて、見ていてギスギスヒヤヒヤすると述べていた。
自分もほぼ同意見だ。他にもこれは愛ではなく媚だと述べている人もいたが、賛同しか感じない。
朝倉は歓待に関わらず終始会話が進んでいなかったし、相手動画の撮れ高をあげていたことがむしろ印象的だった。
そして動画の内容は殆どスタッフ佐々木くんが撮る未来チーム風の動画に仕上がっていた。
もはや塩田そっちのけで、自分たちが滑ってはならないという雰囲気すらある。
実際塩田はノリがうまくつかめず、場を静かにするばかりだった。
何でも本心の朝倉からすれば塩田は最も理解から遠い人間だろう。
塩田将大は祖父の塩田剛三を何度も出して口先で勝負しようとするみっともなさ、刃牙の作者である板垣恵介という先人の縁を使おうとする情けなさなど、見どころがまるでなかったと言ってもいい。
朝倉兄弟の動画は見ているものを暴力的な不安にさらして再生数を稼いでいる部分が多少ある。
例えば煙草のポイ捨てを注意する弟、朝倉海の動画はビジュアルから怖いニーチャンが出てくるし、それにプロの海が素人を怪我させないかと不安にさせる(前田日明すらあの動画は選手生命に関わるかも、と不安だったらしい)。
未来が地元で焼肉食っているだけの動画でも、冗談めかしつつ同級生に真顔で凄んだりする。
正直面白みはなく、怖い以外のなにもんでもない。
あのトークも軽快な武井壮がかなり緊張気味で対談していたことからも、彼のプレッシャーの「嫌な感じ」がわかろうというものだ。
お笑い芸人コラボも持ち味を殺された人のほうが圧倒的に多い。なんとか乗り越えたのはいじられ芸のパンサー尾形くらいだ。
そんな朝倉未来でも瓜田純士には丁寧に接する。理由は簡単で、瓜田が愚連隊の頃、モノホンの筋者とケツモチ交流があった過去を持つからだ(ただし、朝倉は現役不良時代にヤクザ事務所に乗り込んでいる。瓜田にビビっているわけではない)。
瓜田独自の文章の才や人を見抜く才能もあり、また朝倉が不良の世界で生き抜いていたこともあってのことだろう。
ともあれ、塩田が自分から頼み込んでへりくだる意味はなかった。
それなら他の武術系の人たちとコラボしたほうが塩田にとってメリットがあったはずだ。
一時間ガッツリ見てしまっただるさもあったし、一時間ヒヤヒヤしたという心臓への悪さもあってとても印象に残ってしまった。
動画コメントもほとんど当たり障りのないものばかりだった点も気になった。
不穏な空気を率直に書いた人のほうが素直だと思う。