を枕詞にして語る誰かの話なんて悪口でしかないとは思うのだが、
そう表現せざるを得ない友人が一人いる。
悪い子ではない。決して。
けれどなんだか得体が知れない。
彼女はとてもよく喋る。
ただ遊ぶだけではなく、業界の状況やクリエイターの系譜にも詳しく
一本のゲームを肴に何時間でも、背景から歴史からUIやキャラクターに至るまで立体的に喋ることができる。
少なくとも彼女はそういう。
女子の正しい興味はファッションとドラマと芸能であると絶えず彼女に押し付ける教育をし
また彼女はいわゆる搾取子と思われ、すでに結婚した姉妹の家で家事をさせられたりごはんをおごらされたり
体調を崩して休職していた間でさえ、保険や貯金から家にお金を入れさせられたという。
彼女はこれらのこともとてもよく話す。
しかも「ちょっぴり困ったこともあるけど、いつでもほんわか仲良し家族のエピソードトーク」のていで、話す。
付き合いはじめの頃は、私たちはいつも彼女の話に本気で眉をひそめ、そんなのはおかしい、はやく家を出たほうがいいと言った。
本人はう~んそうかな~と笑っていた。
付き合いが長くなるにつれ、違和感がなんだか大きくなった。
しかし我々第三者の耳には、いわゆる毒親、毒家族のように聞こえる。
なぜ、彼女は「彼女の家族が毒であるとわかるように」我々に話せるのか。
ほんとうは、自分が受けている扱いは不当であるとわかっているのではないか?
就職先がひどいブラック企業で、メンタルを病んでしまったときにも
仕事場の辛かった話ひどかった話をよく話していた。
何度もそんな会社はやめたほうがいい、体と心を壊しては何にもならないと言ったが、彼女は休職後同じ職場に戻っていった。
復職時に人事部の人にこんなことを言われた、と語って聞かされた話は、他人事ながら身震いするほどひどいものだった。
虚言の類いなのか、と考えてみたこともある。
ほんとうは抑圧する家族もブラックな会社もなくて、ちょっとした面白話として辛い話をして気の毒がられたいだけの、ひどく入り組んだ自己顕示欲。
けれどもなんとなく、すべてが嘘だとも思えない。
友人同士の飲み会の日、会社でひどいことを言われたと顔面蒼白で来た時のあの顔が、演技であるとは思えない。
それに、うまくいえないのだが、彼女の言動のはしばしには確かに、長年抑圧されてきた人の気配を感じる。
しかし本当のことを言われている感じもしない。
幾度も幾度も改善の兆しもなく繰り返される、ちっとも笑えないドタバタコメディ。
彼女の話は、そういうアニメの筋を、とうとうと語って聞かせているかのようなのだ。
他の友人とも、なんだろうね、あのこ、かわってるよね、と話す。
悪い子ではない。それは本当だ。
根が親切だし勤勉だ。
でも、なんだろうね。
私の話、聞いてるのかな、って思うことある。
家を出なよ、とか会社やめなよ、とか、言うのは簡単でも実行するのは大変だろう。
私だって、たとえば彼女を自分の部屋に住まわせて家が見つかるまで面倒をみるとか
そんなことまではできていないのだから、
彼女が私たちの言葉を聞き入れ、彼女の境遇を変えていないからといって腹をたてる筋合いなどない。
それを根拠に、彼女の話が嘘だなんて言えるはずもないし、そこまで傲慢ではないつもりだ。
でもなんだろう。
悪い子ではない。
けれども、得体が知れない。
付き合いはもう15年になる。
どこにも行けないと思ってるんだろう。変わることを恐れてるんだろう。 何かをしたら叱られる否定される怒鳴られる。そう言う環境で生きてきたんだろう。そうしたら、じっと耐えて...
同情ってある種の共感であり、その同情が気持ち良かったりする人もいるんだろうね。 そもそも同情されるのが目的なのでアドバイスなんて最初から期待してないんだよ。 嘘でないとす...
刑事の記事であったな 根がいい人は茎や葉や実は毒で毒草だと
あっ、タイトルしか読まない人だ。
セルフネグレクトっぽい。
勤勉で真面目だろうと周りに負の感情ばらまいてたらしんどいでしょ 切っちゃいなよ