2019-07-24

あほな女とずるい男の一晩の出来事主観

掲題通り。ざっくり言うと、彼女がいることを告げずに、部屋に知人女性を招いた男性と薄々感づきながらも誘いに乗った女性の話。それだけです。

ノンフィクションのような顔をしたこ文章は、この後に及んで恥を捨てきれないわたし編集が入ったフィクションである。ありふれた出来事である。それでも当事者になった今、心の整理がつかずどこかに吐きだしたいと思ってしまった。

今月初め旧知の男性と久しぶりに連絡を取った。互いの家に行き来しながらも色っぽい雰囲気にはならない。当時はそういう間柄だった。

互いの仕事の話をし、たまに食事をする日が続いた。食事代は彼持ちだった。食事の後は決まって夜の路地裏を散策した。帰りは彼の家から逆方向にもなろうとも必ずわたしの家のそばまで送ってくれた。指一本わたしに触れることはなかった。以前会っていた頃は当たり前のように割り勘だった彼が、いつのまにか身につけたスマートな身のこなしの居心地の良さに身を委ねていた。そういえばちょっと好きだったことを思い出した。ちょろい女ですね。

今月半ば彼の家を訪問した。間取り不思議だというのでどうしても見に行きかった。私たち共通点好奇心が旺盛なところで、それは昔もこの先も変わらない。彼は好奇心武器にして世界を広げ、私は好奇心に身を滅ぼされる日々である

男の一人暮らし「っぽい」部屋の中で、スマホ動画を見た。テレビのない部屋だったから。明かりはすぐに消された。街灯が室内を十分に照らしたので、部屋の暗さは気にならなかった。動画謝罪会見だった。大人の男が信頼を寄せていた組織に裏切られて涙を流す様は悲壮感に溢れ、とんでもない光景目撃者になったと感じた。動画を見終わり彼はわたしに寝台の上に来るように誘った。わたしは数回それを渋り彼はたいそう残念がった。その姿はとても可愛かった。

互いの全ての衣服が寝台の脇に積み重なった後、彼はわたしに「彼女がいたらどうする?」と聞いてきた。え!彼女がいるのに、どう見ても面倒な女に手を出さないでください!「やばいタイプを見抜く。適切な距離感を保つ。」あなたのそういう危機管理能力の高さをわたし尊敬していた。

登っていると思っていた大人階段は、大人ロッククライミングから大人フリーフォールだった。「どうする?」じゃない。知っていたら今あなたの部屋ですっぱだかになってない。「彼女いないの?」と聞かなかったのは、好きになってしまったわたしの落ち度だ。

虚無感を覚えたわたしは寝台を降りて服を身につけ、彼の頭を撫で「あなた眠るまでここで見守ってあげる。」というあほ提案をした。彼が睡眠を求めている訳ではないことは当然知っていた。アラサーにもなって何をしているんだろうと思った。脳内鬼束ちひろが鳴り止まない。こんなもののために生まれたんじゃない。わたし神の子やぞ。どういう歌詞だ。好きだ。彼の部屋にあったお酒は美味しすぎた。彼はわたしの好きなものをよく知っている。そんな彼のおかげでわたしは「愛憎入り交じる。」という気持ちを知ることができた。

仕事相談も報告も彼女にすればいい。旅先の奇天烈お土産だって彼女にあげればいい。わたしがあげたものをいまだに喜んで使ってくれなくてもいい。永遠に続くとりとめもないLINEだって彼女が喜んで相手になってくれたと思う。というか同時に相手してるんだろう。

しばらく彼の頭を撫で続けていると「お願いだから帰ってください。」と彼は泣きそうな顔で言い出した。「嫌です。あなた眠るまでここにいます。」と言い張る性格の悪い女を彼は抱えるように自宅の外に連れ出し、いつも通り家のそばまで送ってくれた。

お互いの中で、あのエンタメ界に激震が走った夜はなかったことになっている。彼は今もLINEわたしの好きそうな話題を振ってくれる。わたし好意を知りつつ、彼女と別れることは絶対にない。

JITTERIN'JINNのプレゼントに出てくるあの子超かっこいい。あんな風に爽やかにさようならプレゼントしたい。

わたしはどうしようもなく愚かだし自分に酔っている。彼にこの文章を見つけてもらって嫌われたいと願っている。ほんとうに厄介でたちが悪い。あ、このありあまる謎のエネルギー転職エネルギーにでも転化しよう。昇華させようそうしよう。って自分に言い聞かせよう。彼女いるの?っていう確認は早めにしよう。

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