2019-07-24

生命デザイン・・・からちょっとそれて、代替食材としてのイナゴ

東京大学大学院講義「問いを立てるデザイン」で細胞培養による人工肉に関する様々な課題を取り上げる講義を受けた。講義テーマは、人工肉を培養する際の技術的な側面と、その倫理的観点(たとえば、培養した生命を頂くことはありなのか?など)であった。個人的にも、「試験管で培養したお肉はなんか嫌だな〜」といったところであるとはいえ講義内でも説明があったが、今後も我々が安定してお肉にありつけるとは限らない。世界人口は増えていくし、その一方で、畜産従事者は減る一方。そこで、お肉を我々が安定的摂取するための代替手段ひとつが、人工肉というわけである

 一方で、栄養バランス観点から見れば、タンパク質摂取できれば良いのであるから、必ずしもお肉に頼る必要はないのかもしれない。

 タンパク質を得る一つの例として、個人的昆虫食に注目している。子どもの頃、祖母に作ってもらったイナゴの炒め物は大変美味しかった記憶がある。何故日本人イナゴもっと食べないのか。実は、そこを私は非常に残念に思っている。世界的に見ても、昆虫を食する国はアジアアフリカに多く存在する。数年前に中国新疆ウイグル自治区旅行した際は、サソリの揚げ物を提供された記憶がある(見た目の都合上その時はとても食べられなかった)。

 そこで、講義の主要テーマからは(大きく)はずれることになるが、人工肉と同じように将来の我々のタンパク源を担うであろう昆虫食を本文では取り上げる。その中から日本で昔から食べられてきた我々(私だけ?)に馴染みの深いイナゴ料理について、3種類ほど紹介することとした。

その1:イナゴ佃煮

(参考 https://cookpad.com/recipe/4246461

イナゴの食べ方の定番。少し甘みを感じるもの一般的な様であるネット上の感想を調べると、サクサクして美味しい、エビ尻尾の様だ、と高評価が並ぶ。Amazonでも購入可能な様である。私も食べたことはない。

その2:イナゴの炒め物

(参考: https://www.muji.net/camp/contents/tech/activity/being/d/d103.html

 

イナゴを茹でた後にさっと油でカリカリに炒めたもの。私が子どもの頃食べたのはこれである。「これは天然のかっぱえびせんだ!」と思った記憶がある。目を瞑って食べると、とても美味しい小エビ唐揚げと間違えるはずだ、と自信をもって言える。後ろ足と羽根が固くて美味しくなかったので、予め取り除いてから調理することを勧める。

その3:イナゴパスタ

(参考:https://www.narinari.com/Nd/20130521693.html

6年ほど前に一部で話題となった昆虫食パスタ。なお、提供していたお店はすでに閉店している。閉店の理由として昆虫食が影響しているか不明である

人工肉と同様に未来食材の一つとして期待される昆虫食のうち、個人的に思い出深いイナゴ料理についてここでは紹介した。周りの友人に「イナゴを食べたことがある」「イナゴ結構美味しい」という話をすると、殆ど場合ドン引きされる。だが、ほんの70年前は普通に我々の祖父祖母が食べていた食材であるし、日本の伝統料理の一つと言っても過言ではないと考えている。また、世界的に見ても多くの人々が食していることからイナゴ食材としてポピュラー存在とも言える。個人的感覚では、我々が昆虫を食べていることを気持ち悪く思う感覚は、日本人が魚や生卵を生で食べていることを「うげっ」と思う欧米人と似たようなものではないかと思っている。要するに、我々も海外の人からすると気持ち悪いと思う食材普段から食べているわけである。結局これは、先入観固定観念がすべてではないかと思う。欧米人が生魚ののった寿司を喜んで食べ始めたのはほんの10数年前と思うし、きっと10年もすると、我々も喜んでイナゴを食べているようになるのではないだろうか。

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