2019-05-29

絶望があること、理解されない恐怖があることを知ってほしい

論理的な正しさ、誠実さ

 人は誰しも、その行動原理に"正しさ"を持っていると思います。どのような正しさであれ、少なくともそれは"論理的に"正しいものであると信じている人も多いと思います論理というのは非常に強力で、確実に正しいと確信し、安心できます。これは学問的な場であればあるほどそれが求められ、それが"普通だ"と思う人も多いと思います

 しかし、社会的問題についてはどうでしょうか。周りを見渡せば、おかしな主張や理解できないことを言う人が多いと思います。それに対して私達は、絶対に間違っていると論理的判断しようとします。ここにこの記事でわかってほしいことがありますが、その主張をしている人は、""それが絶対的に、論理的に正しいと信じてやまない""と思っていることです。そしてこれは、立場を逆にすれば私達にも当てはまるということです。

社会との差・理解できない恐怖

 読者の方は、自分人生意味を見いだせていますか?

 浅はかながら、私の考えは、"生まれてきてしまった以上、幸せに、楽しく過ごす"です。

 誰しも考えたことがあると思いますが、人は必ず死にます。これをどのように捉え、人生意味を見出そうと考えているのかは人の数だけあると思います。終りがあることを悲観的に捉えない人もいることを、私は知っています

 私の考えをさらに言うならば、"宇宙意味はなく、生きていることにも本質的意味はないが、この脳は生きることに意味見出している"です。この考えに従うならば、私はこの悲しい生を産み出すことが理解できません。すなわち、子供を作ることの意味がわからないです。

 そんなに深く考えなくとも、"パートナーとこの先の人生を楽しく過ごし、辛いことがあっても、お互いに協力し、生をつないでいく"という考えがあることを、私は最近寛容的に認めることができていますしかしそれまで、どうして"普通に"子供を作ることが社会的に正しいのか、理解できませんでした。その時の私の思考は、理解できない恐怖で満たされていました。

絶望

何か僕の将来に対する唯ぼんやりとした不安である

 私の意味する絶望とは、"論理的不安な要素を認識排除しきったとしてもなお残る漠然とした恐怖"です。この文は芥川龍之介遺書に記されているもので、私の意味するものに近いと思います絶望とは"死に至る病"だと、キルケゴールは述べています。私が彼の意味するところを理解したわけではありませんが、この"死に至る病"はなんら形而上学的な概念ではなく、本当にある現象であると知ってほしいです。

 私はこの数年、孤独暮らしていました。他人との関わりはまったくない、というわけではなかったですが、この行動原理には"社会の中で、俺は一人でも生きていける"という、傲慢な考えがありました。他人の主張は間違っていると確信し、ある主張には意味がわからないと排除していました。

 しかし、この考えを続けていると、だんだん理解できない他人が怖くなっていきますなぜつまらない問題に対して積極的に行動するのか。なぜ明らかに間違っている主張に気づかないのか。なぜ間違っているのに他人攻撃するのか。

 そのときには気づきませんでしたが、ぼんやりとした不安背中を這い寄っていたことを今では理解しているつもりです。

狂気

 不思議なことに、脳の異常なのかわかりませんが、このような環境にいると、寝る前の思考がどんどん加速していき、同じことを何度も何度も何度も考えるようになります。あるときふと、この考えはさっきもしていたじゃないか、と。また、ある行動をしたとき他人理解されないと、なぜか殺意が湧いてきて、しかしそれは確実に間違っていると理解出来るので、"絶対に人は殺さない"という言葉が頭の中を回っていきます

 狂気とはなにか、に対して一言で言うことはできませんが、少なくとも狂気に陥っている人は"すべての思考論理的に正しく、自分は冷静で絶対に正しい"と信じていて、そのことが脳内リフレインしていると思います

 おそらくで適当なことは言えませんが、PTSD後天的精神疾患等は、異常なストレス下によって脳内ニューロンの発火に異常が生じることで、何度も同じような思考や、他のことが考えられなくなってしまうのではないでしょうか。

川崎児童殺傷事件

 このようなことを踏まえて、昨日起きたこ事件をみると、犯人像が分かるのではないでしょうか。ツイッターでは「無敵の人犯行」や、"自分とは違う"と信じている人が多いと感じます

 それは違うと、声を大にして言いたいです。

 もしあなたが、自分とは関わりのない、違う種類の人間事件であると思っているならば、考えを改めてほしいです。

 『あなた今日一日やったことに、意味はありますか?』

 『あなた意味見出していることが、ある日突然意味がなくなってしまったら?』

 これを、夜寝る前に自分に聞いてみてください。もし不安になり、自分なりの答えが見い出せないのなら、それが絶望の始まりです。

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