もう蒸し返したくないんだけど、マジでわかってないフェミニストが多そうだから書く。
女性がもっと活躍できる世の中にしたいっていうフェミニストの元々の主張は正しいと思うんだが、ちょっとは自分たちの主張をする場所と巻き込まれた話題の関係者や対象のことも考えろ。
何がダメだったか一言でいうとキズナアイへの敬意が決定的に欠けていたということに尽きる。
キズナアイちゃんとそのファンにとってはNHKのホームページでのお仕事っていうのは、Webの一コーナーとはいえ名誉あるお仕事で、お祝いムードだったわけ。そこを何の落ち度もないのに、キズナアイの良さをこれっぽっちも理解しようとする態度を見せない人間から、それもyahooニュースという質はともかく見てる人だけはやたら多い場で、「起用すべきじゃなかった」なんて言われたらそりゃブチギレですわ。いや実際キズナアイの良さわからないしとか思うかもしれないし、自分も別にそんな好きなわけじゃないけれど、ちょっと調べればああいうVirtual YouTuberという試みのパイオニアという功績は出てくるわけ。
オタクってのは自分たちのことは多少バカにされても仕方ないという空気がある。最近はそうじゃない人も結構いるけど。でも、自分たちが好きなものをバカにされるとすごく怒ることが多い。そういう逆鱗に触れちゃったからあれだけ炎上した。
中には千田教授の文章が読めずに意味不明な理屈で怒ってくる人や暴言を吐いてくる人もいたと思うよ。でもそれに反論したり自分たちの主張を一生懸命説明したところで何の意味もないわけ。むこうはそっちのキズナアイちゃんへの不遜な態度っていう礼儀の部分にキレてるんだから。
逆に言えば「今までキズナアイ馬鹿にしててスマン」とさえ言えば和解できるチャンスはある。
本来どうすればよかったかっていうと、まず一言キズナアイの聞き手役の話題を出したときにそれ自体は画期的だとか、あんまり褒めたくなくても若者向けの目新しい試みだとか適当に評価して、その上でしかし「女性ばかりが科学的解説の聞き手を務めるのにはこういう問題(女の子にバイアスがかかって科学者志望の子が増えないとか)がある」という話をして。「来年はできれば女性の解説役、男性の聞き手役という配置を望みたい」という結論で締めればよかったわけ。
ちなみにもうちょっとオタクに媚びるなら、男性のVTuberにも聞き手役をやってほしいとか女性科学者はまだまだ少ないので用意が難しいかもしれないが女性のキャラクターが解説を行ってもいいんじゃないかっていう方向に向けてそっちのほうの人たちを味方にすることもできた。
「千田教授に限って言えばそんなにキズナアイ馬鹿にしてたわけじゃないし」って思う人もまだいるかもしれないけどわざわざ誰かに言及して別の属性の人を使うべきだっていうのは、その人個人の人格を尊重してないし、アイドル性やタレント性を軽んじてると思われて仕方がないと思って欲しい。これまでキャラクターを人間のように取り扱うオタク文化とは接点がなかった人もそれを尊重する心を持って欲しい。それは全ての女性が尊重される文化を作りたいという本来のフェミニズムに説得力をもたせるし、一人でも味方を増やすことにつながるはずだ。
それもお前のお気持ちやんけって言われたらどうすんの?客観性どこにあるの?