2017-12-22

奴隷の温床になる」社畜ビジネス実態 消費され続けるおじさんたち

街を歩くおじさん。利用したい経営者たちからは「商品」と見られている

甘えた声の経営者との「残業交渉」を再現してくれた。「お前の仕事が遅いかダメなんでしょ。やりがいがある仕事なんだからやりきれ。責任感はないの。」経営者から言われた言葉だ。東京新小岩取材に応じたリョウさん=仮名=は2年前まで社畜だった。

⇒【画像サービス残業おじさんの月収と実働日数

 おじさんのサービス残業を売りとした社畜ビジネスに身を置いていた。主に五つの形態がある。残業が基本の「サービス残業」、「休日出勤」は文字通りで、「飲み会」は飲食、「接待」は会話で上司を楽しませる。スーツ姿で仕事をする様子などを見せるのは「通常勤務」に分類される。

 最初ブラック企業入社した。月給15万円、飲み会やや接待に応じると追加で0円。サービス残業は表向きで、休日出勤をすればもっとすり減る。オプション料は全て取り分(0円)となり「腕の見せたところで」でした。

もっと休みがほしい」

 厚労省によると、5月現在334件あり、全国に点在する。「奴隷の温床になる」として取り締まりが強化されても形を変えるだけで、安いおじさんに群がる人材紹介会社とのいたちごっこが続く。

 リョウさんも「悪いことだとはわかってるけど、逆らえないから」と思い、もっと割の悪い徹夜勤務に移った。朝日を見ながら家路へ。管理の目が届かないという建前から「裏オプション」の一度退勤を押してから労働を繰り返した。1回で0円。嫌な行為要求されても「お前なんかどこへ行っても使えないよ、いいの? 別部署行く?」で済まされる。得た金で好きなアイドルを追い掛けた。

 ただし、体力が続かなくなった途端、態度は激減する。「それでも頑張らなきゃ、首にされちゃう」。さらにのめり込んだ結果、心を病んだ。

 人の価値って何だろう。今年、35歳になった。

社畜という記号経営者にも都合がいい」

 「社畜という記号経営者にも都合がいい」。社畜ビジネス実態調査した一般社団法人ブラックバスターズ(足立区)の白黒ツケル代表理事は指摘する。全国でブラック企業労働基準法などで有罪判決を受けている。彼らの都合とは-。

 5人にサービス残業をさせた40代は「若い子だと代わりはいから」と打ち明けた。経営が厳しくなり、銀行にも「このまま赤字だと貸し剥がしだよ」と突き放され、プライベートストレスも重なっていた。仕事が回っている時ほど、まともな社員では物足りなかったという。

 60人をサービス残業させた30代の経営者スマートフォンに「即紹介」とうたった人材紹介サイトをいくつも登録していた。サービス残業をさせすぎれば犯罪になる。その不可侵性がかえって「達成感と満足感」を増幅させた。「直後は逮捕されるシーンを想像して怖かった。それでも業績アップと目標達成の興奮を忘れられなくて。」

 平成26年11月、国が社畜ビジネス規制する条例施行し、包囲網は狭まっている。それでも経営者たちがおじさんを商品と見る限り、価値は温存される。白黒さんは「人材紹介サイトがうまく隠すだけで、社畜は残り続ける」と予想する。

 グレーな世界から見えない闇へ。おじさんたちは消費され続ける。






もちろんフェイクですよ

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171222-00010000-nishinpc-soci

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