アルファロメオに乗ってる。日本ではあんまり人気のないマイナーな車種。
1年前にオーナーになった後、その車種では結構有名で雑誌にも出たことのある整備士の人に預けたんだ。その人をAとしよう。
Aは個人で一人社長兼整備士をやっていて、その車種の整備にかけては右に出る人はいないですよと〝自分で”豪語する人だった。
そのAに車を預けてみて分かった。実態は口先三寸のボッタクリ。納期は守らない、5Sができていない。提示する工賃に何の根拠もない。
悪く言えば詐欺師のような整備士で、客からお金を頂くプロとして風上にも置けない仕事をする人だった。
自分はそこには車検時の整備を兼ねて一度預けたっきりで、それ以降は地元の親切なアルファオーナーに紹介してもらった、誠実に整備してくれる
別のところにお世話になりオーナーを続けられている。この前のプロフェッショナルでやってた小山兄弟のような信頼できる整備士だ。
それに引き換え問題の整備士Aは趣味の延長線上のようないい加減な仕事で、自分は走る凶器に簡単になる車をこれ以上Aに預ける気にはとてもなれなかった。
そんな杜撰な仕事を行うAだが、とても口がうまいので割と常連客がいる。中には高給職のオーナーも一定数いる。
その整備士Aと公私で親しくしているBさんという方がいる。まだ20代の若手の弁護士だ。
Bさんは基本的に何でも自分で車をいじりたがる人で、どうしようもない場合にのみAに預けるというスタイルを貫いていた。
自分はそのアルファを買うときにBさんとその整備士Aのブログを読んだことが買ったきっかけということもあり、
Aを見限った後もBさんとはネット上では頻繁に、リアルではたまに会う付き合いを続けていた。
最近、そのBさんと自分が偶然同じ部分を修理することになった。修理箇所はブレーキの油圧系統のトラブル。
整備を一歩間違えれば車は止まることができず、自分が傷付くどころか他人にも危害を加えかねない危険な部分だ。
Bさんはその部分に関しては流石に自分ではやらず、Aに整備を一任している。
整備士AはブログでそのBさんのアルファロメオの油圧系統の部品を分解したら壊れていたという写真付きの記事をアップした。
その記事を今お世話になっている整備士の方に見てもらったところ、Aの整備ミスで故意か意図せずにその部分を壊した可能性が高いことを指摘された。
セカンドオピニオンで車に詳しい人に何人か見てもらったが、どの人もその部分が走行や経年劣化でその写真のように壊れるのは見たことがなかった。
Aの仕事の質の低さを痛いほど体験している自分は、趣味の延長線上で仕事をするAに自分や他人の命を預けるブレーキ部分をこれ以上整備させることは危険だと思い、
言う前からある程度想像はできたが、Bさんは「Aさんが壊したという証拠が不十分だ。お前は何が言いたい? 余計なお世話だ」と頑なに突っぱねてしまい、
Bさんは整備士Aをそのアルファの整備を教えてくれる師匠として古くから慕っており、Bさんより上に立っているAはそのことをうまく利用して手玉に取っている。
Aは精神的にBさんを支配するタイプで、極端に言えば教祖とマインドコントロールされている信者の関係だ。
もしブレーキ整備不良のアルファをBさんが乗ることになれば、運転する度に自分と他人が命の危機に晒されることになる。
断言しても良いが、もし事故が起こってもAは自分の整備不良を棚に上げ、アルファロメオという車自体に信頼性がないことを盾にして必ず逃げようとするだろう。
このままでは詐欺師の自動車整備士AにBさんが殺されてしまうかもしれないが、悩んだ末Bさんを見殺しにすることにした。
まあ何かあってもその人は自分で自分を弁護できるから大丈夫だろう。本人が不具になったり死んだらそれまでだ。
最初は何とかしてBさんを救いたいと思ったが、それは自分の気持ちに嘘をついていたことに気付いた。
儀礼でも虚礼でも良いから「親切にありがとう、でもね」という一言が欲しかった。
親切心をコケにされ、心無い言葉を浴びせられた自分のプライドがBさんを許せなかった。
どんな結果になるか少し怖いが、しばらく距離をおいて見守ることにする。
その弁護士死んだ方がいいな