>何のために生きているのだろう。
それを考えるために生きてるんだよ。
>壁のシミを睨みつけながら、そんなことをぼーっと考える日々が続いている。
壁のシミを睨むために今日を生きてるんだよ。
>こんなものは本来、中学生あたりで卒業すべき問いなのだろう。
過去を振り返るために生きてるんだよ。
>けれど、僕は中学生でそれを考えることをしなかった。なぜか。その頃は、それなりに生きることを楽しんでいたからだ。
>生きることが楽しいなら、生きる理由などを、わざわざ理論武装する必要もない。楽しいから生きる、それで十分な理由に成り得る。
それを考察するために生きてるんだよ。
>少し前まではその素朴な考え方で十分だった。でも今は違う。
それを否定するために生きてるんだよ。
>今になってこんなことを考えているのは、お察しの通り、人生がつまらなくなったからである。辛いからである。
察されている立場からの不利である状況説明のために生きてるんだよ。
>最初はその辛さから逃げようと思った。意識を低くして、できるだけ慎ましく生きようとした。
自身の貢献度について外界に知らしめるために生きてるんだよ。
>人と接するのは辛い。だから友達は作らない。勉強するのは辛い。だから勉強はしない。
>そうやって、辛さからの逃避計画を少しずつ遂行していった。それとともに、もともとあった些細な生きる喜びは、ますます少なくなっていった。
自身の不利な状況は自身の努力によって改善されていない現状を訴えるために生きてるんだよ。
>それでも良かったのだ。幸福でもないが不幸でもない人生。悪くないだろう。
結果を甘んじて受け入れる自身の寛大さをアピールするために生きてるんだよ。
>そうして、2年が経った。
二年は生きていることを確認するために生きてるんだよ。
>惰眠を貪り、相変わらずぼんやりと液晶画面を眺める毎日である。学校にはすっかり行かなくなり、このままいけば、留年まっしぐらだ。
自身の比較的困窮した私生活をなんらかの期待をこめて紹介するために生きてるんだよ。
>ネットはそれなりに楽しいし、自分を邪魔立てするものは何もない。幸福でもないが、不幸でもない毎日。なのに、なぜか辛い。息ができない。
しかし救済の余地がありそれは大きく早急に必要であることをアピールするために生きてるんだよ。
>こんなはずじゃなかったのだ。
他に得られるべき快適な環境があったはずでそれは何かによって剥奪されたことを訴えるために生きてるんだよ。
>やはり、辛さから逃げようとする態度が良くなかったのではないか。人生とは本来辛いもので、それから逃げようとするのがそもそもおかしいのではないか。
自身の選択肢が問題であることと同時にそれは不可抗力であったことを考察するために生きてるんだよ。
>そう考え直したところで、僕には辛さと戦い続ける気持ちには全くなれなかった。
自身に問題があったとしてもそれはさておき、世界が自分を救済すべきであるという立場を説明するために生きてるんだよ。
>「私たちは、決して刹那主義ではないけれども、あんまり遠くの山を指さして、あそこまで行けば見はらしがいい、と、それは、きっとその通りで、みじんも嘘のないことは、わかっているのだけれど、現在こんな烈しい腹痛を起こしているのに、その腹痛に対しては、見て見ぬふりをして、ただ、さあさあ、もう少しのがまんだ、あの山の山頂まで行けば、しめたものだ、とただ、そのことばかり教えている。」
そんなのしらない。
>この一節に、僕はすごく共感する。
自分の好みを外界に向かって発信するために生きてるんだよ。
>僕は今、ひどく腹痛で苦しんでいるので、山を登らない。どうせ登らないから、山頂の見はらしなんて大したことないだろう、と酸っぱい葡萄式に世界を俯瞰している。
協力がなければいつまでもここにいるということを発信して救済しやすさを向上させるために生きてるんだよ。
>だから、僕にまず必要なのは、腹痛のあとの、見はらしの良い景色だ。辛い山登りの後の、至福の一瞬だ。
必要なものを具体的に提示することで提供者が現れる確率を大きくするために生きてるんだよ。
>とりあえず、部屋を出ることから始めよう。
できもしないことを言ってみる自分がかっこいいと陶酔するために生きてるんだよ。
どう?わかった?
人が生きてるっていう意味みたいなのは総計の代名詞でひとつですまないし、意味をひとつにしようとしてついでに欲求願望を垂れ流すための接頭語なんだよ。
生きてる意味を、毎秒毎に全部知りたい?
たった一秒でも意味を失って生きていない状態になる人、そんな選択肢、そういう運命に出会う人はいるんだよ?
知って絶望したりしない?
何のために生きているのだろう。 壁のシミを睨みつけながら、そんなことをぼーっと考える日々が続いている。 こんなものは本来、中学生あたりで卒業すべき問いなのだろう。 けれど...
>何のために生きているのだろう。 それを考えるために生きてるんだよ。 >壁のシミを睨みつけながら、そんなことをぼーっと考える日々が続いている。 壁のシミを睨むために今日を...
逃避した先にある現状が「息もできないほど辛い」って自分で解ってるんじゃないか。 逃げても戦っても辛いなら、戦えば何かが変わるかもしれないね。 友達も仕事も怖いのは、臆病す...