まず議論が別れるところは、アニメ作成を労働と取るか創作活動と取るかという点。
単独で活動できるバンドマンと違いアニメ作成はどうしても組織的活動が必要になるわけだけど、もしこれがバンドマンなら赤字どころか年110万も稼げるのはかなり活躍している部類だ。
働く側の人間が創作活動ではなく労働だと感じているのなら、それはさっさと賃金がしっかり支払われる職業につくべきだし、ましてや外野が給料の是非について騒ぐ必要はない。そんな暇があるならDVD-BOXでも買って業界に貢献して下さい。
下積みや修行と割り切っているのなら、だらだらと業界にしがみつくのではない限り、安い給料に文句を言うくらいなら必要な経験やコネを手に入れてさっさと次のステップへと進むべき話でしかないのだ。
ここで批判されるべきは制作現場の給与体系ではなく、いわゆる罠ビジネスと言われる創作業界界隈の搾取問題だ。
バンドマン、アイドル、声優、漫画家、ラノベ小説家、アニメーター、古くはゲーム業界(今のソシャゲーは拝金主義だから違う)。
そうしたサブカル文化での活躍を夢見る人間達に、夢を見させるかわりにタダ同然の賃金で労働を搾取し、時にはプロモーション費用を負担させることだってある。
それを全て夢のためだと本人に迫り、最終的に売れないのは才能がない本人の責任だと片付けてしまう、そんな業界のありかたが何よりも批判されるべき問題だ。
そうしてタダ同然のように広く網を張り、自力で勝ち上がってきた才能をあたかも自分たちの手柄のように振る舞っては、また次のターゲットを囲い込む。
プロダクションにしてみればなんともリスクの低い戦略であるが、そこには通り一遍等な知識を提供する以外、責任をもって育てようという概念はない。
そんな腐った状況の中、小さな制作会社が仕事を取ってくるためにはそれなりの品質を安い金額で提供しなくてはならなくなり、結果として末端まで十分に賃金が回るわけがないのだ。
とは言えこんな業界が長持ちできるわけがなく、すでに終わりは始まっているのだ。
作者は消費者とよりダイレクトにつながりを持ち、スポンサーからの収益もよりダイレクトに作者に還元されるようになってくるからだ。
作品との出会いの機会は今後より多くより近くなる。そこには大手出版社もプロダクションも必要なくなる未来しか残されていない。
それを安直にユーチューブだと結論づけるつもりはないが、作品や才能が世の中で評価されるためにカネでまみれたコネクションに頼る必要がない未来を十分に示してくれたものだと信じている。
もしあなたがその世界で生きていくと決めたのであれば、目先の賃金に電卓をはじく暇があるなら自分の作品がどうしたら世の中に広く出て行くことができるのかを考えたほうがよい。
原画や作画監督レベルならともかく、 この手の食えてないアニメーターはいわゆる「動画マン」が大多数であり、 動画にかんしては創作活動というよりはマニュファクチュアに近いので...
あくまで働く側の自覚の話。 もしそれを労働だと結論付けるのであれば、自らが別の労働を選択すべきという話。その給与水準であれば労働難易度の低いもっと稼げる仕事がいくらでも...
売れるのと品質は関係ないんだぞ 学生なのかな?