2014-04-26

あ゛ー、子育てって、いいわぁ。皆もしろ!!

寝かしつけるの大変だけどね…

やっと寝てくれたよ…

まあでもアレだね。こうやってスヤスヤ寝ている寝顔を見てると、親になってよかった、ってほんとに思うよ。

ところで、先週、夫の実家から妙なものが送られてきたんですよ。

きちんとラッピングされた、紅茶

私の誕生日でもないし、夫の誕生日でもない。娘の生まれた日も違う。

メッセージカードのようなものは、一切ついてない。

ただの上品な包装紙に包まれた、普通紅茶

送り主は夫の父親。それはハッキリ書かれてた。

紅茶は今にも降り出しそうな曇天の日に、なんの前触れもなく、送られてきた。

不思議に思った私は、次の日、夫の実家電話をかけた。

すぐに夫の母親がでた。「あらXXXちゃん。お久しぶり」チャーミングな声が聞こえてきた。

彼女はそれなりの歳だが、誰に対しても愛嬌の良いキャラクターで、私との仲も良好。

お久しぶりです、お義母さん。あいも変わらずお元気そうですね。ところで、昨日、紅茶を送って頂きましたね」

「ええ、送ったわよ」

にっこり笑う義母のほほえみが目に浮かんでいたが、実際の私は、リビングの真っ白な壁を見つめて話していた。

「いつもありがとうございます。ところで、昨日は何かの…記念日でしたっけ?」私は聞いた。

「いいえ? 記念とかではないけど?」

にわか沈黙が降りた。何を言ってるんだろう、この人は。

もちろん、人によっては、特に目的記念日関係なく、プレゼントを送る、という人もいる。

母の日結婚記念日にさえ、電話すら寄越さな孤独人間がいる一方で、相手を喜ばすためにはタイミングを選ばない人がいる。

そして殆ど人間は、両者の中間に属する。すなわち、送るときには送り、送らない時には送らない。

相手を喜ばしたい一心で気持ちを込める時もあれば、ただの義理で仕方なく送るときもある。

人生フェーズによって、相手との関係性によって、その時の気分によって、態度を変える。

波に揺れる葉っぱのように、ゆらゆらと。それがノーマル・ピープルだ。

夫の母親と違って。

夫の母親は、”どんな時でも必ず、例外なく、体面を取り繕うためだけに行動する”。

首尾一貫しているといえば聞こえはいいが、実際に接してみると異様そのものである

数年前、夫の弟が死んだ。

死因は水死だった。

冬の日の海岸に、うち捨てられているのを、犬の散歩をしていた老人が発見した。

夫の弟は独り立ちしてからずいぶん経っており、かなりの間、実家とは疎遠だったらしい。

葬式母親は、号泣した。

綺麗に化粧された弟の遺体を前に突っ伏し、嗚咽した。彼の名前を何度も呼んだ。

でも、夫の母親は父親の再婚相手だ。しか彼女は、夫の弟が自立した後に再婚した。

から、二人には関係性が殆どない。正月にさえ顔を合わせることはなかったと聞いている。

それを私は知っている。夫も知っている。けれど、葬式参加者はおそらく知らない。

だれもが皆、彼女に向かって、ご愁傷さまです、ご愁傷さまです、と声をかけた。

彼女は涙を拭き、深々とお辞儀をして、恐れいります、恐れいります、と繰り返した。

ズレに気がつく人はいない。

正直に言うと、私はその時まで、彼女のことが好きだったと思う。混じりけなくストレートに、好感を持ってたんだ。

でもその日は、ただただ、「イヤだな」と思っていた。

「XXXちゃん? ひょっとしてご迷惑だったかしら? 紅茶は嫌い?」

「いえ、正直紅茶は好きです。ちょうどパウンドケーキがあるから、一緒にいただきます。そうだ、切らしていて、買わなきゃ、って思ってて忘れてました。

送っていただかなければ、夫と私は、緑茶ケーキをいただくところでした。あの人も紅茶好きだから、ブーブー言われなくて済みましたよ」

「ええ、もちろん知っているわ。良かったわね。タイミングがよくって」

でもその晩、夫は帰ってこなかった。

久々に仕事で遅くなる。会社に泊まる、と携帯メールがあった。

とても短くて簡潔なメールだったのが、嫌だった。

いつも夫はメールが長い。世間では女のメール情報量が多くて、男は要件だけを淡白に述べるそうだが、

ウチは逆だ。

ねえねえXXXちゃん、帰りがけにスーパーでいいもん見つけちゃった。なんだと思う?(答えはスクロール)

(数行空く)

答えは”新たまねぎ”!

これでサラダ作るとウマいんだよねー。普通の玉ねぎよりちょっと高いけど、その分、味が段違い!

あ、ところでひょっとして、晩ごはんもう作っちゃった? いつもありがと~。

まだなら、お惣菜も買って帰ろうか

たまには手抜き家事にしてもいいんだよ。とは言ってもモチロンXXXちゃんの料理が一番だけどねー☆キラリ

…とか言ってみたりして。ハハ。

以上だ。手が空いてないなら返信は無くてもいい。30分で帰宅する。

これに対して私は、”おつかれ。ありがと。買ってきて”と返す。

その日の夕食は、お惣菜をあたためたものになる。私は、味噌汁だけ作る。

あれから、夫は普通だ。娘もスヤスヤ寝ている。

紅茶は戸棚にしまってある。まだ開封していない。

中身はティーバッグじゃない、ちゃんとした茶葉のやつだ。缶入り。

トワイニングス?の黄色っぽい外装。

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