高3の頃の担任はよくこう言っていた。
「大学生になったら勉強なんてせずに遊びまくれるぞ!俺も勉強してなかったしてなかったし。だから今頑張れ。大学生はいいぞ。」
こんなことを言う教師がいるから日本はだめになるんだとかいう話はさておき、確かに大学生はいいものだった。
理系に進学してしまった自分は遊びまくるなんてことは全然無かったのだがそれはまた別の話。というか上述は文系の話だろう。
じゃあ何が良かったのかというと、それはずばり一人暮らしを体験できたことだ。
田舎出身で親が結構厳しかったこともあり、その拘束から抜けだして自由を謳歌できたのは非常に良かった。
寝るのも自由、食事も自由、バイトで稼いだお金なら使い方も自由。
ゲームが趣味だから家の中でも楽しめる。ネット対戦の環境の整った現代はありがたい。通販あるから外に出向く必要もあんまりないよね。
そんなに広くない部屋なので掃除は簡単かつ丁寧にできるし、洗濯はいまどき洗濯機さえあればボタン押すだけ。食事は面倒臭いから学食で済ませるがまあ悪くない。そのうち料理もやってみたい。
学費は親に支払ってもらっているし、まだいろいろな面で保護の対象でいられる。
向こうが寂しがるタイミングで実家に帰り、慣れられる前に下宿先に戻ってしまえば余計なことを言われずに喜んでもらえる。
たまに頂戴する彼女が居ないことに対するお叱りの言葉は仕方ない。
圧倒的な自由度の高さは今後の人生のどの時点においてもこれを上回ることはないだろうと思う。
お父さんお母さんありがとう。
受験に失敗した(というか全然勉強していなかった)弟妹はなんかもういたたまれない。こちらとは実に対照的だ。
田舎なので外ではなかなか娯楽を見つけられず、かといって家でなにかしていると親の監視の目が向く。
社会人になってから家を出ようにもその大学を出て得られる就職先なんてやっぱり近場にしか無いのだからそんなことは許されない。
この自由度MAXの時間をずっと家というかその地域に縛られながら生きていくしかないし、卒業後もそうなると思う。人生ずっと縛られっぱなし。
もちろん自分だってこの先どうなるかわからないし実家に帰らざるを得なくなるかもしれないけど、まだわからないこっちとは違ってあちらはほぼ確定してしまっている。
たまに実家に帰って自分と話している間は目が輝いているけど、話し終わって元の生活に戻った瞬間にその目が死んでしまうのが哀愁を誘う。
特に親としゃべっている時の顔の曇りようが顕著でそれが衝突の元にもなっているからどうしようもない。完全に悪循環に嵌っている。
ずっと家にいるわけだから嫌なところも目につきやすいのだ。そりゃ親だし注意したくもなるよね。
弟はまだいいが妹は自分以外の人の分まで家事しなければならないからさらに大変だ。
お父さんお母さんありがとう…とは素直には言い辛いだろうな。
長々と書いて何が言いたいかっていうと、大学受験はそんなまだ温めの一人暮らしの権利を公然と得られる絶好の機会だってこと。まだまだ学歴社会だからね、周りもとやかく言えないよ。
受験生はセンター駄目で国公立は難しくても私立もあるからあきらめないでってこと。私立に行けるかどうかは親の経済力によるところが大きいが。
高校の先生は「大学行ったら勉強しなくてもいいぞ」じゃなくて「一人暮らしができる違う地方のいい大学(都市部であることが望ましい)に行けば自由な暮らしができるぞ」って言ってやれば受験生のモチベアップにつながるんじゃないかと思うってこと。自分が将来やりたいことを考えろって高校生に言うのは酷だわ。自分だって専門分野を学んで一人で考える時間が増えたからやりたいことが見えたんだし。あといい大学は予算や設備が豊富だったりするから勉強や研究の自由度もモチベも高い。特に理系。
元から都会住まいだったり住んでいるところにある大学が行けそうないい大学だった場合はどうなるんでしょうね?残念ながら田舎者の自分にはわかりません。