「保守」っていうけど、それは、既成構造の擁護。革新をしないという意味なんだろう。決して、日本古来の文化や伝統や歴史を知っているわけではない。
例えば靖国神社というのも、国家のために国民が戦争で死ぬことを肯定するプロパガンダで、明治時代につくられて昭和時代に強調された思想にすぎない。これは決して、日本古来の文化や思想ではない。日本史上最近である明治時代以降のプロパガンダ。
「保守政党」というのは、明治時代以降の資本家中心の社会構造を維持しようとする政党。
それと、日本の農業は、敗戦までは大地主中心の農業で、旗本みたいな武士も地主だし、民間の地主というのもつまりは資産家。戦後に農地改革で小作農を原則としてなくしたから、戦後には農家=地主だと思っていい。それで、この農家という地主も既成構造の恩恵を受けてきたわけで、だから自民党の支持層。
戦前も戦後も、日本の政治の特色として、こうした企業や地主のような資産家を中心にした政策とその意思決定が進められてきたことがある。
いま、「ネトウヨ」だのといって、そのなかには自民党を支持するデマゴーグを連呼しているのもいる。けれど、かりにいま貧困なのだったら、それは既成の社会構造によって虐げられているのだから、自民党を支持するのは論理的に破綻している(損だ)。騙されている、釣られているのか。それとも、ただ気分的にスカッとして面白おかしければいいのか。たぶん後者。
いまの政党や政治団体には、おそらく、日本古来の文化や伝統や歴史を真にわかっているのは、ほぼ皆無だと思う。
理解するためには、いま流布されている「日本とはこういうもの」というステレオタイプ(=プロパガンダ、デマゴーグ)を捨てないといけない。全国各地で互いにとんでもなく相違している文化習俗(言語や食や生活習慣や行事などなど)も知っているべきだし、神道や日本仏教や儒教という日本の三大宗教・文化慣習にも造詣が深くなければならない。三大宗教・文化慣習については、それが絶妙な形で社会統治構造(封建社会)を実現してきたことも知らないといけない。言語や食など、明治時代以降に没個性化されたものであって、江戸時代以前には日本国の各地域が物理的・文化的にかなり隔絶されていて、おそらく言葉も通じないことが多かっただろうし、料理もかなりの相違があって互いにびっくらこくレベルだったはずだ。
ところが、いまの政治家や、あるいは一般国民にしても、そうした本当の姿を知らないし、学校でも教えてくれないし、教科書にも載っていないと思う。
自分自身の(自国の)本当の姿を知らないままで、いまの自分自身を制御できるのかも疑わしいし、ましてや将来へ進むことができるのだろうか。昭和時代まではおそらく、欧米を(戦後は特に米国を)追っかけるだけでよかったから、つまり真似するだけで済んだから、自分自身を知らないままでもやってこられたのだろう。